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(なぜだ?なぜこうなっている?)
真実はダイニングテーブルで仲睦まじく話す麻耶と母真弓を見てた。
麻耶と真弓はお菓子の話しから飲み物の好みの話し、麻耶の趣味の話し、最近の出来事の話しに時々真実をイジりながらキャピキャピと話しをしている。側から見ていると完全に真実をそっちのけの女子会である。
真実はそんなキャピキャピの会話に入る事が出来ず冷たい飲み物を飲みながらスマホをイジっていた。(それにしてもウチのオカンは本当にコミュ力高いよな・・・・寡黙なオトンと正反対で上手く釣り合ってるんだろうなー、オトンの仕事の顧客もオカンが繋いでるおかげでもあるからなー・・・・こんなオカンが最終的には自殺なんて道に行ってしまうなんて、借金で相当追い込まれたんだろうな・・・・)
幸せそうに話しをしている2人とは正反対に暗い過去?ここでは未来の出来事を思い返しながらスマホを見つめていた。
しばらくして玄関が開き「おじゃましまーす」と声が聞こえた。智大の到着である。
「おーーっ、ともー、こっちこっちー」
真実がキッチンから智大を呼ぶと智大は声に誘われるようにキッチンに入ってくる。
「おじゃましまーす。あっ、まこ母、こんちわー」
「あらー! ともくん、いらっしゃい、暑いのにわざわざ来てくれてありがとうねー」
真弓はそう言ってグラスに冷たいお茶を注いで智大に手渡した。
智大はグラスを受け取り一気に飲み干し、空のグラスを真弓に返した。
「ありがとう、ごちそうさんっす」
「いえいえ、お粗末さまでした」
暑い中歩いてきて冷たい飲み物でクールダウンした智大がダイニングテーブルを囲っている3人を見て不思議に思う。
「これはなんの会? 女子会か?」
「オレを女子扱いすんなし」
真実はそう言って残っていた飲み物を飲み干して立ち上がった。
「そしたら上行こうか」
そう言って智大の方へ歩き出した。
それを見て麻耶も残っていた飲み物を飲み干して立ち上がった。
「お母さん、ごちそうさまでした。また、今度ゆっくりお話しさせてください」
麻耶はそう言って真弓に頭を下げた。真弓は少し寂しそうな顔をしていた。
「あら、もう上がっちゃうの? 麻耶ちゃん、まことが居なくても全然遊びに来ていいからね、待ってるから」
真弓の言葉に真実はヤレヤレと肩を竦める。
「おまえら友達かっ」
真実のツッコミに真弓はドヤ顏で真実に言い返す。
「そうよー、わたし達、トモダチよ」
そう言って真弓は麻耶と息を合わる。
「「 ねーーっ」」
息ピッタリの2人の掛け合いに真実はハーッと溜め息を吐きながら首を横にフルフル振って智大の肩に手を回してキッチンを出て階段を上がって行くのだった。
麻耶は真弓に笑顔で手を振って真実を追いかけて行った。
真弓も笑顔で麻耶に手を振って麻耶の姿が見えなくなるのを見届けて片付けを始める。
(麻耶ちゃんホントいい子ねー。まことと付き合う子は本当にいい子ばかりねー。真子ちゃんといい、麻耶ちゃんといい、ウチの子の何処がいいんだろ・・・・今度麻耶ちゃんに聞いてみようかしら)
そんな事を思いながら片付けを進めるのであった。




