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中学2年の夏が始まる。日差しが暑く周りでは蝉が鳴き始め、その声が益々暑さを引き立てていく。ささやかに吹く風を身体に受けて真実は教室に1人窓を開けてグラウンドを眺めていた。夏休みに入って部活は世代交代で2年生を中心に活気立っていた。クラスの知ってる者が指示を出しながら走っている姿を真実は上から微笑ましげに眺めていたのだった。

ガラガラ・・

そんな孤独な教室に1人の女性が入ってくる。

「野元くん、お待たせ」

真実は教室の扉に顔を向けるとそこには裕子が立っていた。

「ああ、大丈夫だ、それじゃあ行こうか」

そう言いながら真実は裕子に向かって歩き出す。そして裕子の横をすり抜けて教室を出ると、裕子もその後を追って教室を出て、2人並んで廊下を歩く。

普段は生徒がすれ違い、教室からガヤガヤと話し声が聞こえて賑やかな風景なのだが、夏休みになると正反対に静寂である。遠くから外の部活の掛け声が微かに聞こえるくらいである。いつもと違う寂しさを感じながら2人は廊下を歩く。その寂しさと同調するように、横を歩く裕子も少し寂しそうであった。俯向き加減で何も話さず真実の横に歩いてついてくる。真実は少し気まずさを感じた。

「古屋さん、どうしたの?元気なさそうだね・・」

真実は裕子が元気のない原因を分かっているが、分からないフリをして話し掛けた。

裕子は真実の言葉に無理矢理笑みを作って真実の顔を見る。

「えっ?そうかな、いつも通りだよ、元気・・というか、普通だよ」

「ふーん、それならいいんだけど、生徒会活動には慣れてきたかい?」

「うん、少しだけどね・・実際やってみると大変だね、生徒会ってみんなの知らない所で色々動いてたんだね、野元くん、1年間もこんなことやってたの凄いね・・尊敬しちゃうよ」

裕子は少し思い悩んだような顔して俯いた。

「古屋さん、大丈夫だよ、オレも1年前は同じ気持ちだったよ、オレは引き継いでくれた先輩に出来そうにないから辞めたいって言ったくらいだから」

真実が恥ずかしがりながらそう言うと裕子は嘘だと言わんばかりの顔で真実を見る。

「古屋さん、そんな疑いの目で見ないでよ、ほんとだって・・引き継ぎしてくれたのはもう卒業した荒北先輩なんだけど、先輩笑いながら『生徒会に入った人は誰しもが通る道だから大丈夫、秋の運動会過ぎた辺りから慣れて逆に楽しくなるから』って言ってたよ。実際その通りで慣れたよ、オレは楽しいというよりは段々と面倒くさくなっちゃったから辞めちゃうんだけど」

真実は頭をポリポリと頭を掻きながら語ると裕子はまた俯いて呟いた。

「野元くんとやりたかったな・・・・」

真実は裕子の呟きが聞こえていたが、敢えて聞こえなかったフリをする。

「ん?なにか言った?」

裕子は顔を上げて慌てていた。

「あっ、いや、その、なんでもない・・・・」

「ふーん、そう、ならいいけど」

真実は立ち止まり、到着した生徒会室の扉を開けて中に入る。裕子は残念そうな顔をしながら真実の後をついて生徒会室に入ったのであった。

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