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〜 from another perspective 〜 [古屋裕子の視点]其の⑤

作戦当日、終業式を終えて各教室に戻り、担任から夏休みの注意事項を聞き、ホームルームを終えていよいよ下校時間である。西園寺くんは予定通り野元くんの足止めに成功していた。西園寺くんはカバンを置いたまま教室を出て職員室に向かう振りをして歩いていった。私はその姿を見て、カバンを持って教室を出る。そして待ち合わせ場所である3組に入ると西園寺くんと川崎くん、そして豊川くん、島原さんの4人が固まって話しをしていた。

私も4人の輪に合流すると島原さんが私の手を掴んで胸元にやりギュッと握りしめた。

「古屋さん、頑張って、応援してるよ!」

「うん、ありがと、頑張る」

(野元くんを含めてこの5人は本当に仲が良いんだな・・羨ましい・・・・私も野元くんと付き合ってこのグループに入りたい!)私は島原さんの顔を見ながらそう思った。

「浩太と佳代がクラスのみんなにまことへサプライズプレゼントをしたいから出来るだけ早く教室を出てまことを教室に1人にしてくれってお願いしてもらっといたからもうすぐしたら行けると思うよ」

川崎くんが腕を組みながらそう言うと西園寺くんと島原さんが私に向けてグッと親指を立ててニコリとした。私はこの時点で既に泣きそうになるのを堪えてお礼を言った。

「みんな、何から何までありがとう」

10分ほどして豊川くんが様子を見に行っていて戻ってきた。

「教室にはまこと1人だ、あいつ、窓側で外を眺めてる。いけるよ!」

緊張が走る。私は川崎くんと西園寺くんの顔を見て無言で頷いた。2人も合わせて頷いてくれた。島原さんは小声で「がんばれー」っと言って両拳を握りしめていた。

私は踵を返して教室の扉へと向かい廊下に出る。1組の教室の前で立ち止まり深呼吸をする。川崎くんが私の後に付いてきて肩をポンポンと叩いてきた。

私は顔だけ川崎くんに向けると「当たって砕けてこいっ」と小声で笑顔を見せながら言葉を掛けてくれた。私はその言葉を聞いて(砕けてこいって・・・・)と思いながらニコリと笑った。

(よしっ! いくぞ!)私は扉をガラガラっと開けて教室へと入って行った。


教室に入ると野元くんが窓側に立って外を眺めている姿が視界に入った。野元くんは私の方を向いて何かを言おうとして止めて固まっていた。そして少し間を空けてから野元くんが話しかけてきた。

「古屋さん、どうしたの? なんか忘れ物でもした?」

私は緊張のあまり野元くんが何を言ったのかわからなかった、緊張した面持ちで無我夢中でツカツカと歩いて野元くんの前で立ち止まった。野元くんの顔を見てしまうと完全に石化しそうだったので下を向いてしまった。野元くんは何が起きているか理解出来ていないのかそのまま立ち尽くしていた。2人が向かい合って暫く時間が経過する。暫くして野元くんが何かを発しようと息を吸ったのが分かった。(野元くんが話しかける前にこちらから話さないと)そう思ったが先に話しかけたのは野元くんだった。

「あの・・ふる」ここまで話した瞬間、私はバッと顔を上げて「野元くん!」と名前を呼んで野元くんの言葉を遮った。野元くんはドキッと驚きながら私の顔を見て「はい・・・・」と呼び掛けに返事した。私は意を決して野元くんの目をしっかり見て告白した。

「わたし・・・・わたし・・小学生の時からずっと・・あなたのことが・・・・好きでした・・・・」

私がそう言うと野元くんは戸惑いの表情を見せたのがわかった。

(やっぱりそうなるよねー、だけどまだ野元くんに伝えたいことがある!)

私は再度意を決して拳をギュッと握りしめて告白を続ける。

「たぶん、わたしのこと、好きでもないだろうし、気にもかけてなかったかもしれない・・・・けど、わたし野元くんと付き合いたい! 野元くん、最近元気ないから、わたし、前の野元くんの優しい笑顔が見れるよう側にいて元気付けたい! 野元くん、わたしと付き合ってくれませんか?」

(言い切った。私の想いは伝えた。後は野元くんの返答を聞くだけだ)そう思い野元くんの発する言葉を聞き逃すまいとジッと目を見た。

野元くんはとても困った顔をしていた。迷っているんだろうなと表情を見て分かった。暫くして野元くんは話し始める。

「古屋さん・・オレ・・古屋さんのこと・・恋愛対象として見てなかった・・・・だから、付き合うのは・・・・ちょっと・・・・」

苦しそうな声色で話しているのを聞いて(ヤッパリダメだった・・・・私じゃダメなのかな? 私と付き合うの嫌なのかな? )そんなことを考えていたら涙が溢れてきてこぼれ落ちそうになっていた。その時、後ろから声が聞こえてきた。

「まことー 、なに堅苦しいこと言ってんだよ、付き合っちゃえよ」

西園寺くんがそう言って教室に入ってきてその後ろに川崎くんも続いて教室に入って来た。

野元くんは2人を見て驚きの顔をみせた。

真「えっ?」

浩「えっ? じゃねーよ、まことさー 、古屋さんのこと嫌いなの?」

真「嫌い? 嫌いじゃねーよ」

浩「じゃあ付き合えばいい、今好きじゃないかもしれねーけど、付き合ってたら好きになるかもしんないし、嫌になったんならその時は別れればいい。だってさー お前、古屋さん見てみろよー 、お前のことメッチャ好きなんだぞ、その気持ち受け止めてあげれねーのか?」

西園寺くんの言葉を聞いて野元くんがゆっくりと私の方への顔を向けて見る。私は今にも涙がこぼれ落ちそうなのを必死に耐えながら野元くんの顔を見上げていた。

続いて川崎くんが野元くんに言葉を告げる。

「まことー 、古屋さん、お前と一緒に生徒会活動やりたかったから今回立候補したらしいぞー 、なのにさー 、お前生徒会辞めるってなってさー 、古屋さんショックだったらしいぞー 。これは責任とって付き合うしかないだろー?」

私は少し恥ずかしくなった(あーっ、もぅ、川崎くん、それ内緒にしておいてって言ったのにー、本人に言っちゃったよー・・・・) 私は違った意味で泣きそうになった。

川崎くんのことを見ていた野元くんがまた私に顔を向けた。その顔は何か決心した顔であった。

「古屋さん、オレ、さっき言った通り、恋愛対象に見てなかった。好きだって言ったらウソになる。だけど、古屋さんと付き合ってみたい。いいかな・・・・ 」

野元くんから付き合ってみたいというの言葉を聞いた瞬間、私は嬉しさで溢れる涙を抑え切ることが出来ず涙がボロボロとこぼれ落ちた。

「うん、野元くんと付き合いたいです」

私はそう言って野元くんに抱きついて胸に顔を埋めた。


ああ、小学生から大好きだった野元くんと遂に付き合うことができたんだ、でもこれは私だけの力じゃない、私の為に毎日野元くんの事を話してくれた麻耶ちゃん、今回の告白の後押しをしてくれた西園寺くん、川崎くん、励まし協力してくれた島原さん、豊川くん、みんな、みんなのおかげだよ。みんな、ありがとう。そして私は幸せ者だよー。

2人の別視点話にお付き合い頂きありがとうございました。

次からは新しい話に入ります。

『親友のために編』

お楽しみに。

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