〜 from another perspective 〜 [古屋裕子の視点]其の①
墨田麻耶視点の次は古屋裕子視点です。
こちらも真実がタイムリープする前の世界観での話です。
私の名前は古屋裕子です。
私は小学生の時から野元真実くんのことが大好きだったけど、なかなか彼に好きって言えないでいました。小学生の時から全然同じクラスになれなくて、野元くんは私のこと全然知らないだろうなーってずっと思ってました。でも遠くから見ているだけでも良かったんです。たまに廊下ですれ違った時に挨拶した事とかがあるんだけど、その時の優しい笑顔が本当に素敵で引き込まれる感覚を感じて惹かれ、好きになっていきました。中学1年の時も同じクラスになれなかったんだけど、親友の墨田麻耶ちゃんが野元くんと同じクラスになったので、色々と野元くんの状況を聞くことができました。今までは遠くからでも良いと思ってたんだけど、麻耶ちゃんの報告を聞くうちにもっと野元くんに近づきたいって思うようになってきました。
野元くんは1年生で生徒会役員になって活動していて、その姿を見ていると私も来年生徒会役員になって、野元くんと一緒に活動をして、そして、そして、学校の問題を二人で協力して解決をしていく内にお互い惹かれ合い、ラブラブな関係になっていって、ついに私は野元くんから告白されるの、「裕子、オレ、お前と一緒に生徒会活動やってて気づいたんだ、好きだ、俺と付き合ってくれ」「真実くん、わたしもあなたのことが好きです。よろしくお願いします」そう言い合って見つめ合う二人、そして手をギュッと握り合い、わたしと真実くんは熱いキスを・・・・
「ゆうこ? ねえ、ゆうこ? 聞いてる?」
私は麻耶の呼び掛けによって現実に引き戻された。
「あっ、えっ、なに?」慌てて赤らめる顔を隠しながら麻耶ちゃんの呼び掛けに応える。
麻耶ちゃんはそんな私の姿を見て顔を横にフルフルと振って溜め息をついた。
「今日の野元くんはそんな感じ、報告はこれでいい?」麻耶ちゃんは呆れた顔をしながら冷めたカフェラテをグッと飲み干した。
私と麻耶ちゃんは学校が終わると行きつけのカフェでお茶をしながら野元くんの今日の出来事報告会を開いているのである。行きつけのカフェは幾つかあるんだけど、今日はカフェラテの美味しいお店『喫茶モンブラン』でお茶をしていた。野元くん報告会だけじゃないよ、麻耶ちゃんとは読書仲間でお互いのオススメ本を交換し合って、その本の評論会をしたりなんかもしてるんだよ。私は今のこの生活が凄く充実していて本当に幸せです。
これに野元くんと付き合えたらもっと幸せなんだけどなー・・・・
そう想いながらテーブルに頬杖をついて上目遣いで天井から垂れ下がるシャンデリアを眺めていた。
「もう、またすぐ妄想モードに入る!」
呆れた麻耶ちゃんが妄想モードに没入させないよう呼び止めてきた。
「あっ、ああ、ごめん、ごめん、そろそろ帰る? 最近寒くなってきて日が落ちるのが早くなったよねー 、もうあっと言う間に1月になっちゃうんだろうなー 」
私は冷めたカフェラテをすべて飲み切って帰り仕度を始めた。
「そうね・・・・1年は早いね、2年になったら野元くんと一緒のクラスになれるといいわね」
既に帰り仕度を済ませていた麻耶ちゃんは澄ませた顔で私を見つめて言うのであった。
そうなのだ、来年、2年生こそは野元くんと同じクラスになってみせる! しかし、こればかりは私の力ではどうにも出来ないしなー・・・・神頼みするしかないなと心の中でお祈りをしていた。




