〜 from another perspective 〜 [墨田 麻耶の視点]其の①
ちょっとココで一息入れます。
本作を作っている時に、別目線のキャラクターのストーリーも作ってましたので
それを視点にして書いてみました。
これは真実がタイムリープする前の世界観での別キャラクター視点話です。
2人のキャラクター話を作りましたのでしばらくお付き合いください。
まずは墨田麻耶視点です。
私は墨田麻耶、中学1年生。あまり人と話すのが得意ではなく、1人でいる事が多い。
小学生の時に10人くらいの仲のいいクラス内グループに入っていたのだが、話すことはくだらない内容ばかりだった。あの女は性格が悪いだの、調子に乗ってるだの、顔がブサイクだの・・・・挙げ句の果てにあの父親の勤め先が底辺で貧乏だの、毎日毎日飽きないなと思わせるほどの話をみんなでしているのだ。本当にもう毎日がうんざりだった。
ある日、別のクラスの古屋裕子という子と口論になったとかで10人グループの中の三上亜紀が怒りをブチまけていたのだった。なんでも図書館で読みたい本があったらしいのだが、人気のある本でなかなか借りる事ができなかったらしい。その本が戻ってくる日だったようで、休み時間、急いで図書館へお目当ての本を借りに行くと丁度裕子が借りていたところを発見したらしい。亜紀は裕子に対して1週間前から戻ってくるのを待っていたから私が借りる順番だと言ったらしい。
(いやいや、図書館の本は予約制度なんてないから・・・・早いもの順だから・・・・)そんな突っ込みを心に入れながら話を聞いていた。
亜紀は無理やり裕子が持っているその本を奪おうとしたそうだが、裕子も楽しみにしていた本らしく「私が先に借りたんだから私が読む順番でしょ」と言い返して離そうとせず、引っ張り合いをしたそうだ。
図書館内で大騒ぎになっているのを誰かが先生に言ったらしく、慌てて先生が走ってきて仲裁に入り、結局裕子が借りることになって亜紀は怒り心頭で教室に戻って来たのだった。
「あの古屋ってなんなの、ほんとムカつく! 私が借りるハズだったのに、ブサイクのクセに調子に乗りやがって、あんな奴古本屋にある古本でも読んでればいいのに!」
よくわからない言葉を発している亜紀に私はドン引きをしていたのだが、グループ内の他の子たちはそうではなかった。
皆が亜紀の肩を持ち裕子の悪口を言っているのであった。しかも放課後待ち伏せをして本を奪い返そうなんて言っている。ほんとうにくだらない・・・・私は反論すれば間違いなくこのグループから抜けることになるだろう、最悪イジメられるかもしれないと思ったが(どうでもいいや、こんな人たちに同調してグループに残るのも嫌だし・・・・あーっほんと人付き合いって嫌だ、相手に合わせるのほんと疲れるし・・・・本と向き合ってるほうが楽でいいや・・・・ )そう考えた瞬間、亜紀に向けて言葉の刃を振りかざしていた。
「いやいや、どう考えても亜紀が悪いでしょう、早い者順なんだから後から渡せって奪いとるとか人としておかしいから、あと亜紀が悪いのに一緒になって奪いとろうとか言ってるあなた達も意味わからないんだけど、あなた達おかしい事言ってるってわかってる?」
淡々と冷めた目で言ってしまった。刃を振りかざした後に(あーっ、言ってしまったー )と思ったが後悔はない。
亜紀は顔を真っ赤にして私の両肩を掴んで押し出してきた。押し出した力はかなり強く、私は教室を突き抜けて廊下まで押し出されたのであった。(扉空いてて良かったよ、空いてなかったら扉ごと廊下に押し出されて大変な事になっていたかも・・・・)と冷静に考えているうちに他の8人に囲まれる。そして私は亜紀にまだ両肩を掴まれた状態になっていた。
亜紀は何か意味のわからない事を言って捲し立てていたが私はまったく聞き取れなかった。そう、外国人が日本に着て直ぐに日本語をペラペラと喋られてサッパリ分からないと肩を竦めるような状況であった。そんな亜紀の言葉を消化せずに囲んでいる8人の顔を見渡しても明らかに私を助けようと思っている者は1人もいなかった。逆に亜紀に加担するように一緒になって喚いている。
(私、終わったなー・・・・この人たちに何されるんだろう・・・・殴られるか? まあ、私が悪いわけじゃないからいいや、痛いの嫌だけど我慢して遣り過すしかないわねー )
そう覚悟した時に声が聞こえた。
「おまえら何やってるんだ?」
そう言って近づいてくるのは山のような大きな体の男だった。あまりの威圧感でその場で私を囲んでいた9人は血の気が引いたような顔をして山を見上げていた。
亜紀は顔を強張らせながら「なんでもないわよ」と言って掴んでいた両肩から手を離してそそくさと教室に戻って行いき、残った8人も亜紀の後を追うように教室に入っていった。私は廊下に取り残され難を逃れたのであった。
山は私を見て「大丈夫か?」と尋ねてきた。私は言葉を発することが出来ず頷く事しかできなかった。ちょうどそのあと先生が走ってきて事情を聞き、私を職員室に連行していった。
あのまま教室に私を戻すとまた亜紀に絡まれるのではと先生は心配したのか次の授業も受けずに職員室で先生とお喋りをしていた。その次の授業は教室に戻ったが、今度は亜紀を含めた9人が職員室に呼ばれてお説教という授業を受けたようである。
その後、私はグループから抜けて教室に1人でいる事がほとんどであった。たまにネチネチと嫌がらせを受けていたが私は全く気にせず本を読み続けていたら向こうから諦めてくれた。また、同じクラス内で話し掛けてくる女子もあまりいなかった。話し掛けるとあのグループから嫌がらせを受けるのを避けたかったのだろう。
他のクラスの女子とは仲が良かったよ。その中でも裕子とはかなり親密な仲になった。
私が亜紀のグループから追い出されてイジメられていると、その原因が裕子の図書館でのイザコザだったと聞いたようで私に謝りに来たのがキッカケであった。あと、裕子も本が大好きで意気投合したこともあって、よく本の貸し借りをしてお互い感想を言い合って評論しあっていく内に仲が深まった。




