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次の日になっても真実は答えを出せないでいた。選挙当日だが真実にとっては二の次で候補者の演説は一切耳に入って来ない。裕子の演説さえも耳に入って来ず、まったくの上の空状態で1日を過ごしてしまっていた。

真実は学校を終え家に帰ってきて自室のベッドに仰向けになり天井を見つめていた。

今は考えても答えが出ないことに嫌気を感じて何も考えずにボーっと天井を見つめることしかできないでいた。静けさに酔いしれるように目を瞑るが何か下の階が賑やかになり真実は気持ちをドンヨリさせた。

(もーぅ、オカン、なに騒いでんだよ・・・・静かにしてくれよ・・・・)

その願いが通じたのか暫くすると静けさが戻ってきて真実は再び目を閉じて無の状態に入っりかけたその時、部屋の扉がカチャリと小さな音を立ててゆっくりと開き始めた。

(ん? 扉が開いた? 階段を上がってくる音は聞こえなかった、誰?)

真実はゆっくりと目を開けて仰向けで寝そべったまま顔だけを扉に向けた。そこには飲み物とお菓子を乗せたお盆を両手で持って立っている真子の姿があった。

真実は予想外の来客に固まってしまいそのままの状態でジッと真子を見ていた。

「あなたー、お茶がはいりましてよー」

真子はからかい気味にそう言って歩き出し、テーブルにお盆を置いてその場にチョコンと座りお菓子を手に取って口に入れた。

「あら、このお菓子美味しい、どこのかしら・・・・」

そう言ってお菓子の袋をマジマジと見ていた。

真実は身体を起こし、ベッドに腰掛け直して真子をジッと見て溜め息をついた。

「真子・・インターホンも鳴らさずに勝手に入って来てなにやってんだよ」

「勝手って失礼ね、インターホン鳴らそうとしたらあなたのお母さんが庭に居たからそのまま入れてくれたのよ、相変わらず面白いお母さんね、すぐにお茶菓子持ってきて渡してくれるし、私が来るの分かってたんじゃないかってくらい手際よかったわよ」

真子は気に入ったお菓子を口に入れてモグモグさせながら言った。

真実は下で騒いでいた母真弓と元彼の部屋に平然と上がってお菓子を頬張っている真子の両方に対して、先程より大きな溜め息をついた。

「まこと、溜め息つくと、幸せが逃げちゃうよ」

「誰のせいで溜め息ついてると思ってるんだよ」

「わたし?あら、それは失礼」

真子はまったく反省のしていない弁をふるった。

真実は諦めて今の現状を受け入れた。

「で、何しに来たんだ?」

真子は頬張ったお菓子をお茶で流し込んだ。

「あら、このお茶も美味しいわ、何茶かしら?」

真実は寸劇をしている真子をジッと睨んだ。

「ああ、ごめんなさい。麻耶ちゃんの告白を保留にしてどうしたのかなと思って様子を見にきたの」

「敵情視察って言うやつか」

「敵情って、私はあなたと麻耶ちゃんが上手くいって欲しくて様子を見に来てるのよ、天使のキューピットちゃんと呼んでほしいわ」

(真子って最初に会った時からだいぶん変わったな・・・・これが素の真子なのか?)

そんな事を思いながら真子を見る。

「そうか・・・・敵視して悪かったなキューピットちゃん、じゃあ、助けてくれぃキューピットちゃん、オレは今どうしたらいいのかわからないんだよ」

真実は投げやりに言葉を放ち、そのまま後ろへバタンと倒れ込んだ。

真子はそんな真実に対して無反応でお茶をズズッと飲んでいた。

暫く無言状態となってから真子がゆっくりと口を開いた。

「私はね・・今、まことが何に悩んでいるのかよくわからない・・・・だって私と別れてフリーな状態で告白した麻耶ちゃんは1年の時に好きだった人なんでしょ?」

真実はバッと起き上がって真子を見た。

(なぜそれを知っている? ・・・・ ああ、墨田から聞いたのか・・・・)

真子は起き上がった真実の顔を見て話しを続ける。

「他に気になってる人がいるのか、なんなのか分からないけど、麻耶ちゃんの想い・・・・私の知る麻耶ちゃんの想いは伝えておいた方が良いかなって思ってここに来たの」

真子はそう言ってゆっくり下を向いて目を瞑った。

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