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真実は上の空状態でボーっとしながら教室に戻ってきた。教室には浩太と智大がスマホを両手で握りしめGTOをしていた。真実がフラフラと戻ってきて、椅子にドサっと座ったのをスマホから目が離せなかった為、真実の顔を見ることができず、気配で感じた。スマホから目を逸らさず必死に操作をしながら智大が口を開く。

「まこと、おかえり、どうだった?」

「・・・・・・」

「まこと? どうした?」

「・・・・・・」

智大は返答のない真実に違和感を感じで真実に顔を向けた。真実はボーっとして天井を眺めていたのだった。智大はスマホ操作を止めて真実に身体を向けて肩を掴んで揺すった。

「おい、まこと、大丈夫か? 屋上で何があった?」

智大の慌てた言葉に浩太も異常を感じ取りスマホの操作を止めて真実を見る。

浩太は真実の姿にビックリして問いかける。

「おい、おい、まこと、どうしたんだ?」

2人の声の大きさに真実はふと気付き、上を眺めていた顔を下に向けて浩太て智大を見た。

「あっ、ああ、大丈夫だ、大丈夫、なんでもない」

この時、浩太と智大は心の中でまったく同じことを呟いた。

(いやいや、全然大丈夫じゃねーし・・・・)

智大は真実の肩を掴んだまま問いかける。

「屋上には誰が待っていたんだ?」

真実はまだ気の抜けた状態で力なく返答する。

「ん?ああ、墨田だ、2組の墨田麻耶・・・・」

浩太と智大はゆっくりとお互い顔を向き合ってボソリと呟いた。

「すみだ?まや?・・・・」

2人は数秒その状態で固まった。そして真実の方に顔を向けて驚いた。

「えーーーーーーっ!」

2人の声は他に誰も居ない教室に響き渡る。そのまま3人は数分無言で固まるのであった。


しばらくして真実が落ち着きを見せてきたのでようやく屋上での出来事を話せる雰囲気になっていた。真実はペットボトルに入っている水をグイッと飲みフーッと深く溜め息をついた。そして屋上でのやり取りの一部始終を浩太と智大に話しをしたのだった。

智「まさか、墨田が告白してきたなんて、まこと、羨まし過ぎるぞ」

浩「ほんとだよなー、ってか1年の時にラブレター渡してたらもっと早く付き合えたんじゃないのか?」

智「そうだなー、まこと、1年遅れたな、でも墨田からよく告白してきたよな・・・・墨田のイメージからしたら告白なんてして来なさそうだけどなー」

浩「たしかに・・まこと、ついてるよなー・・石本にも告白されて、今回は墨田・・羨まし過ぎだろー」

真実は2人の会話を聞きながら神妙な面持ちをしていた。

(こいつら好き勝手言いやがって・・あの時ラブレターを渡していたらオレは完全にフラれていたのは間違いない。おそらくラブレターを渡さなかった事と真子と付き合ってオレの家であの話しをした事で別のルートが生まれた可能性がある。嬉しい誤算なんだが付き合ってしまうと、タイムリープ前のオレの記憶が今後まったく参考にならなくなる可能性がある。いや、もう変わってしまってるから墨田から告白を受けた? もしかすると裕子からの告白が無いルートになってしまっているかもしれない・・・・あーっ、もうほんとわけわからないや)

真実は顎に手を当てながら必死に考え込んでいた。

浩太と智大は会話にまったく入って来ずに考え込んでいる姿を見て2人とも顔を合わせて溜め息をついた。そして智大が先陣を切って話し出した。

「まこと、で? どうするんだ? 付き合うのか?」

真実は神妙な面持ちは変えずに智大を見ながら答える。

「わかんねーよ・・・・少し考えてから決めるよ・・・・」

真実の返答に納得がいかず、浩太が机を両手でバンと叩いて立ち上がり真実に顔を近づけた。

「まことさー、何を悩んでるんだよ、好きだった墨田が告白してくれたんだぞ、石本とも別れたし、ここは迷う事なく付き合う1択だろうが」

真実は困った顔をして何も言えず顔を近づけてきた浩太を見上げていた。

(そうだよな、この事だけ見ればOK1択だ、だが浩太よ、お前には分からない悩みがオレにはあるんだよ・・・・でも言えねぇ・・・・これから裕子からの告白があるなんて・・・・」

浩太は真実が困った顔から苦しい顔に変わったのを見て智大の方に顔を向けた。智大も真実の苦しい顔を見てから浩太に顔を向けて目があったタイミングで肩を竦めて思いを伝えた。

「こうた、まことも色々と考えていることあるみたいだし、オレたちは見守るしかなさそうだな」

そう言って今度はまことに顔を向けて思いを伝えた。

「まこと、オレらがあーだ、こーだ言っても混乱させるだけだからなんも言わないようにするわ、でもなんか相談したいことがあったら相談してくれ、力になるから。あと、決心できたら墨田に話しに行く前に必ずオレたちにどうするか教えてくれ。たのむな」

「ああ、わかった、2人ともすまないな」

真実は2人に浅く頭を下げた。

浩太は立ったまま大きく息を吸ってフーッと吐き出して気持ちを切り替えた。

「よしっ!そしたらもう帰ろうぜ!」

その言葉で場が軽くなり、真実と智大も立ち上がり帰り仕度をして帰路につくのだった。

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