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「おい、まこと、おいってばー、起きろよ、まことー・・・・」
(ん・・? 誰か呼んでる? なんか、ガヤガヤしてるな・・・・)
真実は目を覚ますとそこには知っている顔が3つこちらを見ていた。小学校からずっと仲の良かった幼馴染み、西園寺浩太、川崎智大、豊川憲一 その3人だ。
(懐かしいなー・・・・でも、こいつら若返った?めちゃくちゃ幼くなってんだけど)
真実はボーっとして3人の顔を見ていた。
「まことー、やっと起きたよ、もう授業終わってるぜ、昼メシ食おうぜー」
(ん? 授業? 昼メシ? 何言ってるんだ?)
状況が掴めない真実であったが、目も覚めてきて次第に周りが見えるようになってきた。
ここは学校だ・・しかも見た事のある教室の風景と見た事のある制服。自分の身体を見ても同じ制服を着ている。「これは・・・・」真実はパニックと放心状態が入り混ざった状態で机に座りながら自分の手、腕を見ていた。
(あれ? オレ学生に戻ってる? でもオレ、仕事してて・・帰ってきて・・寝て・・早く起きて・・風呂入ろう思って・・頭痛くなって・・倒れて・・・・えっ?)
真実は慌てて両手で頭を触る。痛かった部分は全体的?激痛でどこが痛かったかわからないほどの感覚はスッカリなくなっている。そんな頭を抱えているような素振りをしている真実に浩太は溜息をつくのだった。
「まことー、なーに頭抱えてんだよ、まだ寝ボケてるのか? 大丈夫か? もう、腹減ったから早よメシ食おうや」
「お? おお・・・・」
真実はまだ現状を理解できていなかったがとりあえず返事をしてカバンから弁当を取り出して蓋を開けて中を確認した」
弁当の中身は母がいつも作ってくれていたおかずが入っていた。
(うわー、懐かしい・・オカンの弁当だ・・・・)
学生時代は母が毎日弁当を作ってくれていたのを思い出し、数十年振りに母の手作り弁当を食べる真実。その味は感動と美味しさと懐かしさで自然と涙が出てくるのであった。
弁当を食べながら涙を流している姿に一緒に昼ごはんを食べている3人はドン引きしていた。
「まこと? 泣いてるのか?」
「えっ? マジで? おまえヤバくね?」
「まこと、まだ寝ボケてるのか?」
3人からのツッコミに真実は涙を流していた事に気付き袖で涙を拭う。
「あっ、いやっ、目にゴミが入ったんだって・・・・」
真実は誤魔化すが3人には通用しない。
「まことー、そんなに母ちゃんが作った弁当が美味かったのか? 今度おまえの母ちゃんに会ったら言っといてやるよ『まこと泣きながら弁当たべてましたよー』ってな、おまえの母ちゃん喜ぶぞー」
浩太は少し茶化しを入れながら真実に箸を指しながら言った。
真実は恥ずかしさを堪えながら俯向きながらニヤニヤとしていた。(なんか、このやり取りも懐かしい・・・・おれ、なんか解らないけど昔に戻ってきたんだな、夢? いや、夢にしてはリアル過ぎる・・・・まぁ、なんでもいいや、懐かしいし、楽しいから・・・・)
智大はニヤニヤしている真実の顔を覗きながら不安な表情を浮かべる。
「おい、こうた、まことニヤついてるぞ・・なんかいつものまことと違うぞ? おい、まこと、大丈夫か? なにかあったのか?」
智大の言葉を聞いて真実は我に返り平静を装った。
「あ、ああ、すまん、大丈夫だ」
そう言って黙々と弁当を食べ進める真実を見て智大と憲一は顔を見合わせて首を傾け、浩太は肩を竦めるのであった。




