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満開の桜の木を眺めながら思い出す真実。
(思い出しただけでも辛いわー、ないわー、ヘコむわー )
そんなことを思いながらトボトボと歩きだす。
学年が変わる春の始業式の日って結構みんなドキドキ、ワクワクで登校する者が多い中、一際負のオーラを漂わせながら歩く真実の姿に周りは少しヒキ気味で見ながら歩いて追い越して行くのであった。
「おーい、まことー、おはー! 」
憲一は真実を見つけて走り寄ってきた。このタイミングで一番会いたくない奴が来たのである。真実は複雑な心境となんともいえない顔して憲一を見る。
「まこと? どうした? 体調悪いのか?」
「ああ、ちょっと嫌なこと思い出して憂鬱なんだわ」
「2年生の初っ端からなに暗くなってんだよー、クラス替えどうなってるかなー?2年も同じクラスだといいよなー 」
憲一はワクワクしながら話しかけているが真実はまったく真逆のドンヨリ感を醸し出しながら受け答えする。
「ああ、クラスは離れるぞ、オレは1組でケンイチは3組だ」
ボソリと呟いた言葉に憲一は驚いて反応する。
「えっ? まこと、もうクラス替え知ってるのか? まだ学校着いてないのになんで判るんだ?」
憲一の言葉に真実は我に返ってギョッとした。
(しまった・・思わず口に出してしまった・・・・どうやって誤魔化そう・・・・)
「ん? ああ、あの、あれだ、生徒会で春休みも学校行ってたからその時に見たんだよ・・口外しないように言われてたんだが、思わず呟いてしまった」
「なーんだ、そうだったのかー、生徒会って役得だよなー」
咄嗟についた嘘の言い訳を憲一は信じてくれたようで真実はホッと胸を撫で下ろした。
学校に着いて下駄箱前の壁にはクラス分けの張り紙が大きく垂れ下がっていた。
途中で合流した浩太と智大と4人でクラス分けの張り紙を眺めている。
「まことと、オレは1組、ともひろとケンイチは3組かー、GTOはどっちでやる?」
浩太は真実の肩を組みながらそう言って智大と憲一を見る。
「オレらが1組に行くよ、ギルマスのこうた様に3組に来いと命令なんて恐れ多いからな」
智大と憲一は肩を組み合いながらへへ〜と頭を下げるのだった。
浩太はご機嫌で2人を見下ろし真実の顔を見ると真実はまだ張り紙を眺めている事に気付いた。
「ん?まこと、まだクラス分け見てどうしたんだ? 」
「ああ、転校生が2人いるな、と思ってさ」
「えっ、まじか、ホントだ、石本真子、島原佳代、2人共オンナだな」
真実は(やっぱり居たかー・・ですよねー)と思いながら憲一の顔を見た。
憲一は智大と肩を組みながらジャレあっている。
(佳代と憲一は応援してやらないといけないな、問題は石本だな、さて・・どうしたものか・・・・)そんな事を考えながら真実は新しいクラスの教室へ向かうのであった。




