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昼休み。
弁当を誰と食べるか、購買部へ行くか、教室のあちこちで小さな移動が起き始める。
「マコッちゃん、パン買いに行く?」
「おう、行くわ」
気づけば、西と並んで歩いていた。
廊下に出ると、知らない顔も多い。
でも、さっきまでいた教室の空気を思い出すと、胸の奥が少しだけ軽くなる。
購買部は案の定混んでいた。
列に並びながら、西がぼそっと言う。
「そういえばさー、俺らのクラス、良い感じじゃね?」
「・・・・そうかもな」
即答できたことに、自分でも少し驚いた。
そうこうしている内に順番が回ってくる。
「ニッシー、お前、このカシューナッツフランスだろ?」
「おっ?、おお・・よくわかったな、サンキュー」
(あっ、油断してあだ名で呼んでしまった)
(・・・・もう、いいか)
教室に戻ると、女子4人はまだ一緒だった。
今度はテストの話をしているらしい。
「やばい、数学無理」
「まだ始まってもないでしょ」
「でも無理なものは無理」
笑い声が弾む。
(・・・・この感じ、微笑ましいな)
懐かしさに心が温まる。
放課後が近づき、担任の新谷が明日の予定を伝える。
特別なことは何もない、ごく普通の1日だ。
帰り支度をしながら、俺はもう一度、教室を見渡した。
(・・・・今回は、大丈夫かもしれない)
そんな考えが、頭をよぎる。
前の世界線とは違う。
そう、信じたくなった。
校舎を出ると、夕方の風が少しだけ強く、冷たかった。桜の花びらはその風がほとんど奪い去っていた。
今日一日を思い返しながら、校庭の木にそっと手をかざす。
そこに残る温もりが、この日常を大切にしたいと思わせた。
執筆が予想以上に順調で、
ストックが増え過ぎてしまいました。
ということで
この1ヶ月間は毎日投稿で、ストックを少し、
減らしていきたいと思ってます。
仕事の兼ね合いで抜けることがあるかも、、
ですが、ガンバって毎日投稿していきますね。




