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タイムリープ前の回想シーン
其の②
真実の佳代を想う気持ちは日に日に増していくのであった。いつ告白しようか、どのように言おうかと考えていた。今回は親友3人には相談し辛く自分一人で考えなければいけないと思い悩んでいた。そんな悩みを持って数日経ったある日の夜、いつものように5人は遠隔で繋がりグループを組んでイベントミッションを進めていた。真実は今日も佳代と一緒にミッションを進めている事に幸せを感じていた。イベントミッションを終えてチャットで皆が労いの言葉を掛け合う。
真『みんな、おつありしたー 』
智『おつおつー 』
浩『おっつー 』
(あれ? 憲一と佳代から返答ないな、どうしたんだ?)
そう思っていると佳代の言葉がグループチャットに流れた。
佳『憲一ありがと、大好きだよ❤️』
真実はグループチャットを見て固まった。(はっ? なに? 憲一? 好き? えっ? なに? なにが起きてるんだ?)真実はパニック状態である。しばらくすると先程の佳代の言葉がグループチャットから削除された。
佳『ごめん、コチャと間違えた、おつでしたー 』
憲『うぃー おつー 」
真実のパニック状態は未だに継続中である。そんな混乱中に真実は浩太に個別チャットを送った。
真『佳代と憲一はできてるのか?』
浩『みたいだな、びっくりしたわ』
真『いつからだ?』
浩『オレもわかんねーよ』
そんなやりとりをしている時にグループチャットに言葉が流れる。
智『憲一と佳代は付き合ってるのか?』
真実は智大の勇気を心の中で讃えた。(とも、やっぱすげー、ブッ込んできたー 。さて、2人の返答を待つか・・・・ )しかし、なかなか返答はなかった。佳代と憲一が個別チャットで相談しているのであろうと思い返答を待っていたのだが、その待ち時間の体感はとても長かった。待っている間色々な思いが崩れていくのがわかった。佳代が好きだった、一緒にストーリーを進めた記憶、教室で騒ぎながらスマホを握っていた記憶、佳代と笑顔で話をしていた記憶。様々な思いがガラガラと音を立てて崩れていた。
憲『黙っててゴメン、付き合ってる』
真実は憲一のチャットを見て愕然とした。崩れていく記憶の中で、心の何処かで嘘であってくれと願っていた想いも跡形もなく崩れ落ちていく。もう、どうしようもできないのである。
智『いつからだ?』(うわー、とも、突っ込んでいくなー )真実はただ見ていることしかできなかった。チャットは続く。
憲『1週間前から』
智『なんで黙ってたんだ?』
憲『ゴメン、言い出せなかった』
智『俺たち小学生からの親友だよな? こんな形じゃなく憲一からちゃんと言って欲しかったよ』
憲『ゴメン、言ったらこの5人で遊べなくなると思って』
智『んなわけねーだろ! そんな細い絆じゃねーだろ、俺たち』
憲『そうだった、すまん』
智『憲一、佳代、おめでと、おまえらが付き合ってようが、なかろうがGTO続けていくぞ』
憲『とも、ありがとう』
佳「智大くん、ありがとう』
浩『2人共知らないところでイチャイチャしやがってーw おめでとさん』
憲『こうた、ありがとう』
佳『ありがとう』
真実は祝福を贈る気持ちになれなかった。好きな人を先に取られて悔しい気持ちでいっぱいだ。こんな状態でおめでとうなんて言えない・・・・でもここで祝福しないと、この5人の関係も崩れてしまう・・・・崩れてしまうのはオレの佳代に対する気持ちだけでいい。ここは祝福の言葉を贈ろうと決心するがなかなか文章が打てない。指に重しが乗っているのかと思うほどの感覚である。
真『2人共おめでと』(短い文章だがなんとか打てた・・・・ )
憲『まこと、ありがとうな』
佳『ありがとう、みんな優しいね、ほんとうれしいよ』
真『オレそろそろ落ちるわ、おつん』
真実はその後、皆の返答を待たずにそそくさとゲームを切り、ベッドに横になって何も考えずそのまま天井を見つめていた。その日は眠ることも出来ず只々天井の1点を見つめ続けるのであった。




