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プロローグ

野元真実(のもとまこと)45歳。営業サラリーマンとして勤めているものの、あまりパッとせず、出世と無縁な男である。仕事も恋愛も失敗ばかり、選択ミスを続けることでいつしか自信をなくしヤル気はとうの昔に何処かに置いてきたようで、ウダツの上がらない毎日の平凡で同じ事の繰り返しだ。もちろん妻はいない、バツ1で幸か不幸か子供ができる前に離婚したので自由な独り身である。


今日も残業で帰宅したのは日を跨いだ25時、ギリギリ終電に乗れて何とか自宅に帰ってくることができたが、帰って来ても誰が待っているわけでもなく、暗く冷たいワンルームの部屋に戻ってくるだけである。明日も朝7時に起きて出社しなければならない。真実は玄関扉を開けて電気もつけずに吸い込まれるようにベッドに向かい疲れた身体を鎮める。

暗い天井を見つめながら(オレは何をやってるんだろう・・・・いつからこうなった?ああ・・めんどくさい、考えるのもめんどくさい)後悔さえも投げ棄ててそのまま眠りにつくのであった。


深い眠りからふと目が覚める。スマホで時間を確認するとAM4時、真実はムクリと起き上がり頭をボリボリと掻きながら周りを見渡す。(嫌な時間に目が覚めてしまったな・・今から寝ても朝起きれなくなるのも困るしなー 風呂にでも入るか・・)疲れが溜まって重くなった身体を無理矢理起こすように立ち上がり風呂場へと向かう。脱衣所に入る扉のノブに手を掛けた時、真実の身体に異変が起きる。

全身血の気が引いたような冷えた感覚になった瞬間吐き気が襲い、目の前の視界がくすんできたと同時に頭が激痛に見舞われる。声も出すことが出来ずにそのまま通路にうずくまりパタリと倒れ込んでしまう。

(頭が・・ 痛い・・・・ ヤバいこれ死ぬかも・・・・もうちょっとマシな人生にならなかったのか?今更言っても戻れる訳ないけど・・ やり・・・ なお・・・・ した・・・・)

真実の意識はそこで途切れてしまった。享年45歳、くも膜下出血による死亡であった。



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