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ギルディスでの日常

読んでくださっている皆様に感謝。


ゆっくり書いていきます。

マティ兄様から渡されたリストを開いてみると、カレーのようなスパイスから作らなきゃいけない料理とか、スイーツ系の名前が多く載せられていた。


後は、時を経ていつのまにか名前が変わってしまったであろうものもある。


シュクリーン

とか、


ソヒィトグラン?とか。


シュクリーンはわかる。

多分シュークリームだ。


ソヒィトグランってなんだろう?


真剣にリストを見ている私にマティ兄様が、

「どうだ?わかるか?作れそうか?」

とそわそわしながら聞いてきて、ライラ義姉様に呆れた顔をされている。

スイーツ系は材料さえあればほぼ作れそうかな。

お姉ちゃんと一緒によく作ってたから。


でも、料理によっては私は市販のルーやソースにお世話になってたから、ソースから作れと言われたら作り方がわからない。

その辺がどこまで伝わってるかも確認しないとね。



マティ兄様の期待に満ち満ちた視線が痛いので、とりあえず厨房に行って手に入る食材を聞いてみることにした。

歩き出した私の後ろをコガモのようについてこようとした兄様はライラ義姉様が止めてくれたので、2人には部屋で待っていてもらう。


焼きおにぎりを作った時。

私が失われたレシピを知っていることを不審に思われないように、私の素性にニシノさんを匂わせるような内容を盛り込んだらしい。

あくまでも匂わせるだけ。

それも、侯爵家のことに関して緘口令が敷かれてるはずの使用人向けに流す情報だというんだからどれだけだよって話だよね。


一体私の母親とやらはどういう人物像なのか……。

なんとも言えない顔をしていた私にトリィ兄様が教えようか?と言ってきたけど、いらない。

誰かに何か聞かれたら、母は父の名前以外何も語らずに死んだって言っちゃった方が嘘がバレないと思うし。

後はルード家に丸投げする。

それがいい、絶対。



……で。…厨房での聞き込みの結果。

レシピの食材でこの世界にあるものとないものが半々。それといくつかのソースもどきはレシピだけは残ってるんだって。

ソースの味だけを頼りにレシピを完成させた当時の料理人さんたちのニシノ料理に対する血の滲むような努力と執念が見える気がする。

プロの凄さよ…。



ただ、そのソースを今貴族に雇われている料理人がレシピ通りに作っても、匂いを嗅いだら独特すぎて成功か失敗かの区別がつかないうえに、そもそも貴族相手に出す料理には味が濃すぎて使いづらいからと2度目は作らなくなってしまうらしい。


それでも、庶民の味として残ったのが中濃ソース系で、独特すぎて消えたのがオイスターソースとかみたい。

じゃあ平民の間では?となると、当時の平民の識字率は低かったし、今でも高いってほどでもないからレシピも資料もほとんど残ってないらしくて。

現在も残っているソースは口伝えで広まっていく間に、料理人さんたちの好みで改変されていき、食べる地域によって全く別物のソースになっていて。しかもどの地域に行っても、自分のソースこそニシノ様直伝の味!

と言い張るのでみんなどれが本物かわからないらしい。

レシピを持っている貴族は、地方の特色が現れたような味の差を楽しむ旅行者たちもいるので基本放置。

という状態なんだって。





そういうことも教えてくれた侯爵家の料理長さんたちには、失われたレシピで料理をする際にはぜひ自分たちにも教えて欲しいと頭を下げられ、リストの中から比較的簡単で材料が侯爵家に揃っているものをいくつか提供した。

こっちが引くくらい感謝された。


料理長さんたちに作り方を伝えておけば、私も食事時に食べられるので、どっちもwin-winなんだよね。

地球の食事が食べられるの、本当にありがたいです。感謝!


そんな毎日を過ごしてるうちに、外に出ても良いと許可が出た。

まだ街の中だけだけど。

でも黒目黒髪は目立つので、髪と目の色を茶色に変えました。

幻影魔法でそういうのがある、と魔法の授業で教わったので、やってみたら出来たんだよね。


魔法について講義をしてくれてた騎士団魔導部隊の副隊長さんが興奮して、あれは?これは?と彼が知る珍しい魔法を次から次へとやらせてきたので一通りやったんだけど、見事に全部発動した。


それなりにイケおじな人だったのにあまりにもテンション高くてどん引いた。


でも、その結果私はやっぱり全属性持ちだとわかったからまぁいいか。




ところで。初心者の冒険者は1ヶ月に1回以上のペースで街中での雑用依頼を完遂しないと資格が失効する。

それは、彼らにどんな依頼でも真摯(しんし)に向き合う覚悟があるかを問うためのものであるらしい。

ここでいい加減な仕事をする者はランクを上げてもらえず、上がってもDランク止まりか、例えそれ以上に上がることができても護衛依頼は回してもらえない。

冒険者ギルドが依頼を回さない冒険者がどういう人種かみんなも知っているので、そういう人には指名依頼は来ない。

それに気づいて心を入れ替える者もいれば、逆の人もいて。

盗賊に落ちたり犯罪者になったりするのはそんな人なんだって。


そんな話を教えてくれたのはフロスさんの次男スパーダと、ガードナーさんとこの長男シュヴェールト。

今日はいないけど、メリンダさんの娘さんのミーシュが3人交代で私と一緒にFランクの依頼を受けてくれている。


ちなみに、私の冒険者登録は失効してたのでもう一度作り直し。

相変わらず?自分では怖くて出来ずにシュヴェールトにプスッとやってもらいました。

2度とは嫌だからこまめに依頼を受けよ…。



シュヴェールトは騎士見習いで、今は騎士団の仕事として私の護衛についてるんだって。

騎士団公認で冒険者も出来るのが嬉しいって喜んでる。

スパーダとミーシュは半年前にパーティを組んで冒険者になったらしくて、先輩として色々教えてくれるのでありがたい。

街に出る時は3人以外にも影からこっそりルードの騎士が護衛をしてくれているらしい。



そうやって、Fランクとして誰かの家の草引きをしたり、溝掃除を手伝ったり。

街の雑用をしながらギルジェスの領都の地図も少しは頭に入った頃、執事さんからレイ兄様が帰ってくると伝えられた。


いいね!やブックマークが励みになっております。


ありがとうございます!

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