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パーティ名は「雷光」

いつも読んでくださる皆様、ありがとうございます!

森の中で出会った男性は、マットという名でCランク冒険者パーティ「雷光」のメンバーだと名乗った。

一緒に森に入ったのは同じパーティのメンバーでさっきの魔物から逃げているうちにはぐれてしまったらしい。


私が、小さな島国から来たばかりで地理も街の場所もわからないと告げると、逃げてきた方向へ歩き出しながら簡単に説明してくれた。

私が1人で森にいた理由は、パーティを組む必要がないほど強いからと勝手に納得してくれてたので黙っておく。


マットさんによると、私の実力はAかBランクに匹敵するだろうとのこと。


……そこまで強く育てられてたのか……



脳裏に、飛龍をはじめとしたシャレにならない強さやデカさの魔物たちと闘わされた記憶が()ぎる。。

森を出る少し前なんか、戦ってる最中に後ろからカラ様やロー様の魔法攻撃が飛んできた。

もちろん、かなり手加減はされているだろうけど、私の治癒能力が劇的に上がったのはつまりそういうことだ。




マットさんが保持しているCランクの実力だと、森の中層部辺りで狩りをするパーティが多いらしい。が、「雷光」は全員が家庭を持っているので無理はしないと決めていて、いつも外縁部から少し奥に入った辺り、私と出会った近辺で狩りをしているのだそうで。

でも今日に限って普段ならこんなところにはいないような深部の魔物が多数現れたのだ。


それでも頑張って何頭かは倒せたが、魔物たちは浮き足だっているというか興奮しているというか、そわそわと落ち着かない感じで。

仲間の1人が、もしかしたら最深部の魔物がなんらかの理由でこちらに向かって出てきたのではないかと言い始めた。

追い立てられた魔物が逃げてきた先に自分たちがいたのでは?

と。

とりあえず、ギルドに報告しようと帰り支度をしている時に二足歩行の(コボルトというらしい)に襲われてしまった。


コボルトは1体ずつならEランク相当の強さしかないのだが、司令塔と呼ばれる上位種が群れを率いて人を襲うので、問題なく殲滅(せんめつ)できるという意味ではCランクの扱いなのだとか。

いつもの彼らならここまで追い込まれる相手ではなかったコボルトだが、今日はすでに深部の魔物と何度か戦っており、全員が限界に近かったこともあって逃げ出すハメになったと悔しそうだ。


………最深部からこっちの方向に出てきた強い連中にめっちゃ心当たりがあるんですけど……。


みんな走るの早すぎるからあまり周りを見てなかったけど、魔物がカラ様たちを避けて逃げていくのは見た気がする……。


マットさんが周りを警戒しててこっちに意識を向けてなかったから助かった。原因に思い当たった瞬間にものすごい動揺してしまった。



「マット!!無事だったか!!」


前方から男性が2人と女性が1人現れて、ホッとしたような笑顔を浮かべた。


「ああ!俺は簡単には死なねえよ!お前らも無事でよかった!!」


私が隠れてしまいそうなくらい大きな盾を持った人が駆け寄ってきて嬉しそうにマットさんの背中をバンバン叩いている。


片手に杖を持った男性は足を引きずるようにして歩いていて、弓と矢筒を背負った女性がその体を支えていた。


「その子は?」


と女性が私を見た。


「お?おー、そうそう。この嬢ちゃんに助けられたんだよ。すげぇ強えの、この子」


マットさんの言葉を聞いて3人が(いぶか)しげな顔をする。


まぁ、気持ちはわかる。

この世界がそうなのか、4人とも背が高くて、体格も良く彫りが深い。一番小柄な女の人でさえ175はある。


私は160cmの身長だし、のっぺりした薄い顔、ただでさえ若く見られがちな私の外見では子供に見えていてもおかしくない。


「…強いったって、お前………」


盾の人の顔が困惑に変わる。


「いや、マジマジ。この嬢ちゃん、1人で司令塔倒してコボルトの群れを追い払っちまったの。」


マットさんの言葉に残りの3人が驚愕の表情でこっちを見た。


「嘘でしょ!?」


「ホント。」

マットさんが頷くと、杖を持った人が真剣な顔に変わった。


「剣や弓なんかの武器らしい武器も持ってないしその体格では近接戦闘が出来るとも思えない。君は魔法が得意なんだね。………杖はどうしたの?」


「杖?」


「フロス。……嬢ちゃんは杖は使わなかったぞ。ついでに言えば無詠唱だ。」


「「「はあぁぁー??」」」


3人の声がハモる。


「そんなわけないでしょ?」

「聞いたことないぞ」

と騒ぐ2人と、無表情になってこっちを見るフロスさん。


「……嫌でなければ君の魔法を見せてほしい。……とは言えまずはこの森を出ることが先決だね。」


そう言って3人を(うなが)すようにして歩き始めた。



そして。



……夕暮れ時。

街門を守っている衛士たちは、目からハイライトを消したままアルカイックスマイルを浮かべたフロスさんと、普段は見ないような魔物の素材にホクホク顔のアーチャー、メリンダさん。ひきつった顔のタンク役、ガードナーさんとニコニコ顔のマットさんが見慣れぬ少女を連れて街へ戻ってくるのを見た。




本来なら、一刻も早く森を抜けるところですが、

治癒による体力、魔力の回復で元気いっぱい。

そして、深部にしかいないはずのオーガの素材。


無視して帰るのは無理だったようです(笑)


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