ひとりぼっち
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空飛ぶトカゲが丸焦げになって落ちていった。
唖然としてたら、後ろからクククっとほくそ笑むような声が聞こえてくる。
それも1つじゃなく。
まさかね。
……振り向かないでおこう。
怖すぎる。
火の玉が私の頭上に現れた理由はわからないけど、犬たちの仕業かな?と思う。
何度も使ってたし。
トカゲは想像以上に大きくどうやら遠近法がおかしくなってるみたいで、落ちた場所まで犬たちに半ば無理やり連れて行かれたけどそこそこ遠かった。
ていうか、また背中に放り上げられた。
2度目なのに鼻をぶつける。
…もふもふだったから痛くはなかったけど。
焼けこげたトカゲにはすでに魔物たちが群がっていたけど、犬を見た途端逃げ去っていった。
その中の何匹かが、私に襲いかかろうとして1番大きな犬に瞬殺される。
「ありがとう」
お礼を言うと、フンッと鼻息で返された。
犬たちの目的地はトカゲではなかったらしく、ついでだったようだ。
そのまま通り過ぎていく。
ちなみに間近で見るトカゲは恐ろしくデカかった。
しばらく走っていると視界の前の方が光って見え出したので
あぁ、もしかしたら、と思ったらやはり湖だった。
太陽の光が反射してキラキラ眩い。
湖に到着し、その背中から降りるよう促された。
地面に足を下ろしておずおずと見上げると、3頭ともそのままスッと身を翻して去っていくところだった。
「待って!!」
焦った私の声を無視することなく彼らが頭だけこっちを向く。
ジワリと目が潤む。出会ってからはまだ半日も経っていない。でも温かい背中を知ってしまった。ため息をつきながら守ってくれた。………もう1人には戻れない。
「置いてかないで〜」
一度、潤んでしまうと止まらなくなった。
「うわぁぁぁぁぁん!1人にしないで〜」
そこからはもう自分でも何を言っているのかわからなくなった。
ただ、寂しいのは嫌だとかどうしたらいいかわからないといった恨み言を泣きながら叫んでいた気がする。
呆れたような大きな顔が2つ、こっちを見ている。
子犬が近寄ってきて私の前に座ったので、その首にしがみついて落ち着くまでずっと声を上げて泣き続けた。
泣くだけ泣いてしゃくりあげる声だけが響く中、子犬の首筋に埋めていた顔を上げると、目の前に大きな犬の顔。
行ってしまうのだろうか。
ここに置き去りにされてしまうのだろうか。
ううう、と情けない声が漏れる。
犬はそんな私の顔を見つめていたが、
その額を小さく光らせて私の頭に顔を寄せた。
そして額同士が触れあった瞬間、その光が大きくなって弾ける。
「繋がったな」
凛とした声。
周りを見回しても声の主はおらず。
顔を戻すと、犬と目が合った。
「娘、とりあえずその手を離せ。我が子のふわふわ自慢の毛がそなたの涙と鼻水で大変なことになっておるわ」
「っ!ごめんなさい!」
慌てて犬に抱きついていた手を離す。
ポケットに入れてあったハンカチを取り出すとゴシゴシと子犬の首筋を拭った。
それをじっと見ながら
「ふむ。なんぞ訳がありそうだの。
聞いてやるから話してみよ」
そう言って1頭が伏せのポーズで寛ぐと、残りの2頭も真似るように伏せのポーズを取る。
「犬がしゃべってる…。」
思わず呟いた途端、
「誰が犬か!」
と巨大な肉球で踏み倒された。
「すみません!ごめんなさいごめんなさい!」
必死で謝ってやっと足を退けてもらう。
ホッとしながら手をついて起き上がり、
残りの1頭を見て
「お父さんですか?」
と愛想のつもりで尋ねると、全員が、なんとも言えない微妙な顔になってこちらを見た。




