田舎から出てきた生娘をシャブ漬け牛丼でダメにした話。
親子丼食べたい。
−わぁ...これが都会かぁ...。すっごいなぁ〜
見渡す限りのビル、ビル、そしてビル。極め付けのとっても大きい東坂のシンボルである東坂クラウドツリー。
私、神崎結乃は地方「稲田市」から出て、この首都である東坂に出てきたのだ。
理由は、宗教研究について強い興味を抱いて聖パールヴァティ学園に通うことが決まったからだ。
とは言っても通うのは来月から。
とりあえずは一人暮らしをするので物件探しも兼ねて東坂へきたのだ。
そして、不動産屋へ来て物件を探しているところである。
よく見知った最大手不動産屋さんに入っていった。
店員A:いらっしゃいませ。
結乃:こんにちは!
この辺りでいい感じの部屋ありませんかね? 店員A:はい。少々お待ちください。
(パソコンを操作して)
結乃:(店員さんの方をちらっと見て)……あ、あのぉ……そのパソコン9999abcdってなんですか?
店員A:これは...ですね、ノートパソコンと言って様々な情報を管理できる機械です。
結乃:ほぇ〜……って知ってますよぉ。そうじゃなくて、9999abcdはなんですか?
店員A:サインインパスワードです。
えぇ...
クソザルなパスワードでもはや意味ないじゃんと思いながらぼけ〜っとしてたら店員が話し始めた。
店員A:こちらはいかがでしょうか?お客様の学園からも近くて、オートロック付きのいい感じの物件です!
ワンルームですが15畳ありますし、広々快適です!
家賃は........
と、私はそこの物件に決めたのであった。
………………
結乃:なんかお腹空いてきちゃったな〜。
日も暮れつつあり、街中にはスーツを来た会社員が多くいた。
結乃:(周りを見ながら)うーん……どこのお店に入ろうかなぁ。
ふと、ある看板を見つけた。
『牛丼専門店 里野屋』
結乃:あ、美味しそうな匂いがする……よし!入ろ!!
そう、結乃は牛丼が好きなのである。
そして、結乃の住んでいた地元の稲田市には里野屋がなく、話に聞くだけであったのだ。
(あの激ウマで病みつきになるとSNSで有名な....牛丼屋がついに!!!!)
ガラガラ。
結乃は店に吸い込まれていった。
店内に入ると、カウンター席しか無く、一人で座っているサラリーマンやOLがいた。
みんな忙しなく食べていた。
牛丼屋店員:いらっしゃいませ。ご注文はこちらのタブレットでお願いいたします。
結乃:ありがとうございます。
(タブレットのメニューを見て)
どれにしようか迷っちゃうなぁ……。
5分悩んで...
よし、これに決めた! はじめてさんおすすめ牛丼特盛りゲートウェイセットUltra(並盛×2)。
注文ボタンをポチッとタップした。
キッチンからの声:はい注文上がり〜へっへっへw
結乃:え?
キッチンから謎の声が聞こえて変だなと思った。
周りをよく見ると、一心不乱に食べている人が多い。
「おおおおおおおおおおkkkkっk代わりいいいいいいいいいいいいいん!!!!!」
わぁっ!?
謎のOLがヨダレを垂らしながら目をひん剥いておかわりを店員にダイレクトオーダー。
キッチンからきた店員:へいおかわりひゃ〜〜っはww
ボドっ。
おたまで掬ったおかわり牛丼を乱雑に入れ、再び食べ始めるOL。
私は少し不安になってきたが、食べるまでは帰れない。
なぜなら牛丼だからだ。
しばらくすると、店員さんが牛丼を持ってきてくれた。
店員A:お待たせしました。こちらが当店の「はじめてさんおすすめ牛丼特盛りゲートウェイセットUltra」になります。
結乃:あ、はい。
店員A:ではごゆっくりどうぞ。
さて、どんな味なのかな…… お箸で肉と米を一緒に口に運んだ瞬間、口の中に旨味が広がり、甘じょっぱいタレが染み込んでいく……!
さらに追い討ちをかけるように白飯と卵、玉ねぎが絡み合い、絶妙なるハーモニーを生み出す!
結乃:ん〜!!! 美味しいぃ〜! やっぱり牛丼は最高!
もはや気分は最高潮である。
あまりの美味しさに、著しく気分は昂り、鼓動が早まり、体が暑くなってくる。
結乃:うううううう!おいひぃ....おいひいよぉぉぉぉwwwww結乃はご飯を口に運ぶ手を止めず、ずっと笑顔のまま。
結乃:えっへへへへへへへへへっへへへあぁ〜もう幸せぇ〜。
結乃は満面の笑みを浮かべながら、牛丼を食べ続ける。
あまりの嬉しさに笑いが止まらない。結乃:美味ひしゅぎてぇぇぇ〜〜脳が蕩けりゅうううううん♪
結乃は感じたことのない幸せな気持ちに包まれながら、牛丼を食べたのだった。
結乃:ふえぇぇへっ♡おいりかったはぁ〜〜〜
結乃は完全に里野屋の牛丼の虜になった。
結乃:(小声で)またくりゅふふふっふw
会計を済ませ、店を出る。
外は既に暗くなっていた。
なんとか家に帰って、お風呂に入っているときの話だ。
結乃:あっはっはっはww お腹痛いw
結乃はお腹を抱えて爆笑していた。
お腹が捩れるほど面白いことがあったからだ。
結乃:牛丼美味しかったよ〜〜〜!!!!!!!!!
牛丼美味しかったのが腹が捩れるほど面白いのだ。
思わず叫んでしまった。
そして寝る直前。
!?
急激に牛丼が食べたくなってきた。
結乃:はぁ...はぁ...はぁ...っぐっ!牛丼食べたい......
何かわからないが今まで感じたことのない衝動が体を突き抜ける。
あっ...ああぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
深夜2時。結乃は牛丼屋へと走り出した。ガラガラッ
結乃:牛丼...ください。
店員:はい。「牛丼」ですね。
店員:お待ちどうさまです。こちらが「牛丼」になります。
結乃:ありがとうございます。
結乃は牛丼を受け取り、店の前で食べ始めた。
美味ひぃ…れしゅぅ!美味ししゅぎるのぉおお!
美味ししゅぎて止まらにゃいぃもっと欲しいぃ!!!
ぁあああ あぉと百杯ぐらいぃ超特盛食べたいぃ!!!
もはや、薬物中毒だ...
>そっとしておこう。
***
一方、牛丼屋里野屋のバックグラウンドにて。
店員A:やりましたねぇ〜。一匹またできましたよw
店員B:えぇ。この戦略は実によく儲かりますね。
ーホワイトボードに書かれている販売戦略。
『田舎出の若い生娘をシャブ漬け戦略』
「初入店の若い女性客には裏メニュー"生娘シャブ漬け汁だく牛丼"を出すこと。」
「システムで初入店のお客様には注文用タブレットに写真を無効にするフラグをONにすること。」
そのように書かれている。
店員A:まぁ、これバレたらおしまいっすよねw
店員B:あとは、店内で食べてもらうことですかね。
店員A:確かに。牛丼が冷めたら苦い味バレちゃうもんねぇw
店員C:うまく隣のサラ金への誘導もできたらいいんだけどなぁ?
店員A:あぁ〜。そうですよね。
店員B:じゃあ、どうします?
店員A:別のメニューでさらに濃いめに??
店員B:テンション高いと扱いにくくね?
店員C:ダウナー系混ぜた新しいメニューとか?
一同:う〜〜む……。
店員B:俺さぁ、アレやってみようと思うんだわ。
店員C:なにそれ?
店員B:ほら、最近流行ってるじゃん。とろっとろの...
店員B:「親子丼」
店員A・C:草wwww
店員D:お前天才かよ!
店員B:いや、でも結構美味しいらしいぜ。
店員A:え〜そうなんですか?
店員B:うん。なんか、とろっとろの半熟卵に、甘じょっぱいタレかけて...
上から例の粉かけて...
店員A:判断力とか鈍るあれ?
店員B:そうそうw
店員C:逆に持ち帰りしやすく、駅弁的な感じの持って変えてもらうとかw
店員B:お前wやめとけwww
もはや悪の結社である。しかし、これはまだほんの始まりに過ぎない。
これからも牛丼屋は増え続けるだろう。
そして、牛丼屋はどんどん売り上げを伸ばしていく。
こうして、牛丼屋の勢いは留まることを知らず、どんどん広まっていった。
そして、遂には日本中、そして世界中をシャブ漬けにしたのであった。
***
ん?
「すっげ〜怖い夢見た。」
お腹すいた