8月1日 見事(淮南高校戦)
白峰工業高校と淮南高校の一戦。スマホで速報を見ていた俺は、5回終わって11対0というスコアにもどかしさを感じていたのだった。
ー7月29日ー
ここまで、運良く2打数2安打。まるで、今日のためにヒットを取っていたような印象すら受けてしまう。問題は、ここからだな。6回まで0対0。俺は、3度目の打席に見据えバットを握っていた。この7回は、7番安田から。一人でも出れば、上位打線に回ってくる。何としてでも、塁に出ないと。おそらく淮南高校のバッテリーもこの打順は嫌なはず。まずは、安田が塁に出てくれないとな。安田は、バットを肩にかけて打席に入る。もう、疲れているだろう湯浅も。俺の思いが当たったのか初球を見事、レフト前ヒットとしたのだった。聖徳高校は、再び大きな声が聞こえてくる。
よっしゃあ!!。ノーアウトランナー1塁。普通に考えればここでバントだよな。監督の方を見ると、ゆっくりサインを出していく。うん、バントだ。監督は、キーのあと、ベルトを触っていた。問題は、どのようにバントするかだな。サードは、かなりチャージしてきているな。やるなら、ファースト側か?ただ、投げたらファーストも走ってくるだろう。だったら、ピッチャーとファーストの間を狙うしかない。
ピッチャー湯浅は、セットポジションに入る。投球モーションに入り、マウンドから放たれる一球は、7回とは思えない唸りを上げて俺の方へやってくる。これまでやってきたことを続けるだけだ。俺は、バットを寝かせ、バットにボールを当てる。「ポンッ」と乾いた音が響き渡った瞬間走り出した。ボールは、無情にも、グラウンドの芝生の上を滑り始める。ピッチャーとファーストの間。これは、いけるんじゃないか?俺は打球を片目で追いながら1塁へと必死に走っていく。まるで採寸されたかのように、絶妙な地点でボールが転がっていく。ピッチャー、ファーストともにすぐにボールをとることができない。よし、いける。俺は、ベースを駆け抜けた後、ベンチの方を見つめたのだった。
飯田「ナイスバント!」
俺 「センキュー、危なかったわ」
飯田「いやー、いい選択だったぜ」
ランナーコーチの飯田は、喜んでくれているようだった。よし!これでノーアウト1.2塁。ここで再び、バントだろうな。優聖は、バントの構えを見せる。そして、想像通りバントをしてピッチャー前に。ピッチャーの湯浅は1塁ではなく、3塁に投げたのだった。




