7月31日 後方(淮南高校戦)
そういえば、明日は決勝戦をかけて道和高校×純新学園高校、白峰工業高校×淮南高校の対戦カードが予定されていた。どうなるかはわからないけど、決勝戦をかけて、それぞれがぶつかることになる。俺も侑大も興味深々だった。
ー7月29日ー
4回裏を抑えた俺たちは、ベンチに戻ってきていた。この5回は、6番早川がヒットで塁に出た後、7番安田のファーボールでノーアウト1.2塁という最高のチャンスを迎えていた。しかし、一瞬の隙をつかれたのだった。俺が第二打席を今から迎えようとした瞬間、瞬時にセカンドベースへボールを投げ、牽制球で刺されたのだった。これで、ワンナウトランナー1塁。一気に雰囲気が変わる。ただ、ここで気にしてはいけない。俺は、先ほどの一打席目の左中間三塁打のいい記憶だけを頭に残していた。問題は、この打席だな。先ほどとは、配球をおそらく変えてくる。そうなってくると、やっぱり狙い球も変えないといけない気がしていた。この5回になんとか先制点を。俺は、そう思いながら打席に入った。俺が出れば、いいカタチで上位打線につながる。そのためには、どうやってつなぐかだな。湯浅は、セットポジションに入り、第一球目を投げ込んだ。第一打席とは異なり、狙い球をまったく定めてなかった。"ストライク"。審判のコールとともに、ワンストライクを取られてしまう。初球はカーブ。おそらく、次も変化球でくるだろう。俺は、変化球にヤマをはり、振ることに決めたのだった。
湯浅が投げた第二球目は、カーブではなかった。ただ、カーブだと思い俺は既にバットを振りにかかっていた。あっ、これはチェンジアップじゃないか?俺は、ボールが沈んでいく軌道を想定してバットを低く出す。このままスイングするばいける。俺が出したバットにボールは当たり、打球はショート後方へ。一打席目のような快進の当たりではなかったけど、フラフラと飛んでいく。淮南高校のショートである園山のグローブはわずかに届かず、ポトリと落ちたのだった。よっしゃぁ!!一塁ベースを回った俺は、返球とともに一塁ベースへ戻る。ベンチからは、再び大きな声が聞こえてくる。
頼むぞ、優聖。ここまで、1年生ながら無失点ピッチングで頑張る優聖には頭が上がらない。すると、初球をいとも簡単にレフト前ヒットを放つ。グラウンド内には、一気に盛り上がりを見せる。レフトは、打球をとるとすぐさまショートに返すと思いきや、サードベースに直接送球する。サードベースを回っていた安田は、すぐさまベースに戻ろうとする。サードのタッチとどちらが早いのか?審判の方を見つめると、腕を高く上げ曲げる。それは、アウトのポーズだったのだ。さっきまでの歓声は一気にため息へと変わってしまう。これが野球なのか。無死1.2塁というチャンスだったが、もうニ死1.2塁。このピンチで打席に入ったのは、1番の侑大だった。侑大の打球は、ショート正面。一塁に送球され、スリーアウトとなってしまった。




