7月26日 理屈(取手高校戦)
結局、昨日は3打数1安打。1四球という結果となった。この夏、初ヒットを打てたことはとてもよかったけど、活躍までとはいかない。それでも、グラウンドに今日も立ていることに感謝しなければならなかった。
ー7月25日ー
安田「ヤバいっす、ばり緊張します」
俺 「大丈夫だよ、心配すんなよ」
安田「ここで打てなかったら、また流れとられますよ」
俺 「まぁ、それはあるな」
佐伯の犠牲フライで1点を先制し、なおもワンナウト1.3塁で安田という場面だった。しかし、取手高校は、流れを変えるためにピッチャーを変えてきた。
安田「でしょ?なんかアドバイスくださいよ」
俺 「初球はストレートだ。それしかない」
安田「なんでわかるんですか?」
俺 「そんなの勘だよ、勘」
なんでと言われても、勘以外何もなかった。
安田「勘で話をしないでくださいよ」
俺 「結局、こういう時は理屈じゃねぇんだよ。わかるか?」
安田「わかりませんよ」
先ほどまで投げていたのは、変則左腕の利根だ。利根は、緩急で打たせてとるピッチングだったが、この2番手の山田は、エース番号である「1」をつけているから、勝負にきたということだろうな。こっちに代打は出さないことを考えると、監督も安田に期待しているということだろうな。ベンチには、永谷や優聖もまだ控えている。
俺 「大丈夫だ、心配すんな」
安田「わかりましたよ。初球のストレート狙います」
俺 「そう、それでいい」
山田のピッチング練習がラスト1球とコールされた。
安田「絶対につなぎますね」
俺 「ああ、期待してるぞ」
安田「了解っす」
俺 「行ってこい!!」
安田は、バットに滑り止めのスプレーを振り、打席へと向かったのだった。さぁ、どうなる?次の1点は本当に大きいぞ。ワンナウト1.3塁で打席には
7番安田。本当に初球から振るのだろうか?ベンチからは、安田に向けて大きな声が鳴り響く。監督の方を見るが、サインは"打て"。スクイズはない。セットポジションに入った取手高校のピッチャー山田は、キャッチャーのサインに頷く。そして、足をあげる。同時に腕を振り下ろした。ストレートのような急速だ。振れ、安田!!安田は、ボールに合わせてスイングをする。金属音ともに、打球は、センターへと飛んでいく。センターの前へとワンバウンドする。三塁ランナーはホームへ。そして、二塁ランナーは一気に三塁へと向かっていったのだ。一塁ランナーを回った安田は、満面の笑みでベンチの方を見つめていた。




