7月20日 トーナメント表
なんだこれ?部室に入った俺は、カバンを置くとそこには、長野県予選のトーナメント表が貼られているいることに気がついた。
俺 「これ、なんなの?」
侑大「なんか、橘たちが書いてたやつらしいよ」
俺 「そうなんだ、すげーな」
侑大「だよな」
思いの外、トーナメント表が大きくて、俺は驚いていた。俺たちの初戦の相手である取手高校、その横にある海美高校の名前がある。取手高校に勝てば、海美高校とすることになる。海美高校に勝てば、どことやるのだろうか?ゆっくりと左右を見渡すと、そこには淮南高校の名前があった。ここにきて、同じ地区の高校とやるなんて考えたことすらなかったな。その淮南高校の近くには、守田工業高校の名前もあり、向こうは向こうで潰しあいをする。こりゃあ、どうなっても仕方がないな。海美高校には春風がいて、淮南高校には湯浅がいる。どちらとも、最後の夏だから、本気でくるだろうな。
俺 「今日は、投げる準備できたぜ?」
侑大「たぶん、今日はバッティングの時間ないぜ」
俺 「まじかよ」
侑大「ああ。なんか、守備練習でサインプレーを確認したいらしいぞ」
まじかよ。せっかく、肩の準備整えて今日をむかえたのに。昨日は、雨だったしなかなか思い通りにいかないな。
侑大「大丈夫、まだ時間はあると思うよ」
俺 「ホントかよ?」
侑大「まぁ、信じようぜ」
思わず、ため息が出てしまった。気持ちは理解できるけど、引退する時に、一つでも思いこすことがないようにしていかたった。
侑大「まだまだチャンスあると思うからさ」
俺 「わかったよ、信じるよ」
これまでも、侑大の励ましに何度も支えられてきた。自分がしんどい時やムカつく時、侑大は必ず声をかけてくれた。これは、当たり前のようで当たり前ではない。そんな毎日が俺にとっては、とても大事だった。
侑大「じゃあ、俺は先行くぜ」
俺 「おお。じゃあ、また後でな」
侑大「はーい」
侑大は、グローブを持って先に部室を出たのだった。侑大が出た後の部室は、とても静かだ。俺は、制服を脱ぎ、アンダーシャツに腕を通す。すると、再び長野県予選のトーナメント戦が俺の視界に入る。もし、淮南高校まで勝ったら、その後はあの白峰工業高校だ。白峰工業高校とやれたら、少しは後悔のない夏になるのかな?俺の頭の中には、みんなと一日でも長くいることだけを考えていた。




