7月7日 監督
テスト前なのに。凄いな、コイツらは。グラウンドから聞こえる大きな声に向って歩いていた。俺は、16時まで残って勉強してからグラウンドにきた。今日もグラウンドには、当たり前のように金属音が響き渡っていた。俺は、グローブを置き走り始めた。グラウンドを走りなが辺りを見渡す。しかし、他の部活動の生徒は一人もいない。なんか、そう考えると損している気分にしかならない。今日は、15.6人くらいだろうか?グラウンドにいるのは。
3年生は、橘や橋本や川中などを中心にバッティングを行っている。15人しかいなため、バッティングしている打球が次々と選手の間を抜けていく。2年の向井や1年の田中がボールをとりに行っていた。特に、橋本や川中はパワーがあり、打球が飛んでいく。凄いな、こんなに飛ばして。俺のもとに転がってきたボールを野球部の方に返した。明日から期末テストが始まるが、俺たちの練習は終わる気配はない。17時上がりなので、後1時間くらいしかないので、早くあのバッティングゲージに入りたい。
走り終えた俺は体操を始めた。俺たちの監督は、今年の4月から赴任してきた。前任の監督は、橘や橋本から人気があったこともあり、新しい監督をすぐに受け入れる者は少なかった。俺もそのうちの一人だ。特に、監督は俺のお姉ちゃんも知っていることもあり、俺に対しても優しく接してくれた。全然、レギュラーでもなんでもなかった俺をたくさん練習していたからといって、試合に何度も使ってくれた。その度に結果が出ず申し訳なかった。監督は、なんとか俺をレギュラーで使いたかったんだろうなということを日に日に感じていた。
新しい監督を来ることがわかったあの日、俺たちは全員驚いたのだった。あれから俺たちは、戸惑いや迷いもあったけどそれでも負けずに毎日練習をしていた。俺たちの代は、前の監督をすごく崇拝している生徒も多かっただけに今の監督はやりにくいったと思う。俺は体操を終え、バットを握り始めた。マシンでボールを打つ前に何度か振る。俺は、マシンから出てくるボールを確かめるように、タイミングを合わせていた。今日は、一段とボールが速く設定している。おそらく、橘か橋本の仕業だろうな。俺は、ゆっくりとバッティングゲージに入っていく。センターを守っている田中や向井の方に向かってバッティングをすることにした。金属音とともに、俺が振り抜いたボールは、ちょうど田中が待っていたのだ。




