6月11日 沢田亮二
朝一番の学校は、静かさが漂っていた。俺の席に近くにはいつものように沢田がいた。
俺 「おはよう」
沢田「うぃっすー」
俺 「おいーす」
沢田の拳に俺の右腕を合わせた。
沢田「今日も暑いな」
俺 「暑いな。脚の調子はどう?」
俺は、カバンを置きながら、中身を取り出した。
沢田「まぁ、ぼちぼちかな」
俺 「練習行ってるの?」
沢田は、ノートに何かを書きながら、俺の返事に答えた。
沢田「ああ。これ以上サボると怒られるからな」
俺 「そんなに?」
意外とサボることを気にしているみたいだった。
沢田「まぁ、中沢と辰巳いるしな」
俺 「お前らって仲いいの?」
まだ、7時50分ということもあり、生徒は俺たち合わせて4人しかいなかった。
沢田「さぁ、どうだろうな。練習も行ってなかったし、何も思わないってことはないんじゃないか」
たしかに、コイツが怪我をしている時は、クラスの片隅でいつも中沢、辰巳、唐沢たちが話をしているのを見ていた。
俺 「じゃあ、肩身狭くなるな」
沢田「それは、そうだな」
俺は、歴史のノートを開いた。
俺 「"聖淮戦"は、出るのか?」
沢田「一応、そのつもりだ。そろそろ本気出したとかねぇとな」
一応出るんだ。今年は、サッカーが午前中に行われるから余裕があれば見に行けないかと思っていた。
俺 「お前、キャプテンだしな」
沢田「まぁ、キャプテンもいろいろ大変なんだよ」
俺 「なんだよ、それ」
俺のツッコミをさらりとかわし、楽しく会話を続ける。
沢田「優しくしてやれよ。川中にも」
俺 「だから、俺はアイツ苦手なんだって言ってんだろ」
お互いを見合わせながら、大きな声で笑いあった。コイツのこういうところ、ホント俺は好きなんだよな。自分の中で思った。俺は、ノートにシャーペンで文字を書き出した。
沢田「健太郎は、試合に出るの?」
俺 「さぁ、それは監督が決めることやしな」
試合に出れるかどうかは常に不安ととなり合わせだった。
沢田「自信はあるのか?」
俺 「そんなにだよ」
沢田もがんばってるのに俺だけ頑張らないわけにはいかない。
沢田「俺たちも応援行くから頑張れよ」
俺 「それはオモロイな」
サッカー部が応援に来てくれるのはありがたかった。




