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日常で世界を変える(定本編)  作者: mei


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6月6日 予想外

 PK戦は、予想だにしない形で終了してしまった。横にいた侑大は、練習にすら身が入っていなかったくたらいだ。けど、今日は、落ち着いてキャッチボールができているみたいだった。昨日は、PK戦終了後、宝来たちと20分ほど話をしていたみたいだった。俺は、途中で練習に戻っていたので、詳しいことはわからない。けど、みんなが話してくれていたのでなんとなくわかる。なんとなくで、侑大には話しかけることは難しかった。

 俺は、侑大のボールをグラブで受け取った。ショートの定位置くらいまで下がった俺は、後13日までに迫った"聖淮戦"のことを思い浮かべていた。昨日のPK戦でもそうだけど、なかなか想像通りに進まないものだと思っていた。

 おそらくだけど、淮南高校の先発ピッチャーは、湯浅、佐藤、直江の誰かが投げるのだろう。誰が来ても打てるように準備を始めていた。侑大が投げてくるボールを見つつどうやって打ち返すか考えていた。

 湯浅は、ストレート、スライダー、チェンジアップの球種を持ち合わせ、投げこむ本格派右腕。昨年の"聖淮戦"でも投げるなど、実績も含めた淮南高校のエースだった。しかし、春の大会では、背番号11で1試合も投げていなかったと思う。

 そんな湯浅に変わって投げていたのが佐藤。佐藤は、ストレートとカーブを軸にコントロールで勝負する技巧派左腕。春の大会では、エースナンバーを背負って2試合ほど投げていたのを見ていた。

 そんな佐藤の後を投げていたのが直江だ。直江は、ストレートとフォークで凡打の山を築く。直江のフォークは、中々打てないと有名だった。たしか、直江は、春季大会で毎試合ブルペンでボールを投げていた。まだ、2年ということもあり、登板数は少ないけど来年の次期エースという呼び声も高かった。

 俺の中では、湯浅と佐藤の両方が投げるんじゃないかと思っていた。聖徳高校のグラウンドでは、俺は強い。練習試合では、他校のグラウンドより明らかに打率がよかった。直近までの打率は、3割を超えていた。今年の"聖淮戦"は、聖徳高校のグラウンドで行われるから出場できれば活躍出来るんじゃないかと思っていた。

 遠投を投げ終えた俺は、少しずつ前に戻っていく。レフトまで来ていた俺は軽くボールを投げる。並行して下がっていた八幡や橋本たちも同じように前に歩いていく。

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