5月18日 二塁手
久しぶりに、昨日の試合に出場したので、まだ高揚感が残っていた。今日休みで、また明日から練習が再開する。
ー5月17日ー
俺と永谷は、ベンチに戻り、バットをとりだした。そして、飯田の近くでバットを振ることにした。
飯田「代打?」
俺 「回って来たらな」
飯田「いいね」
俺は、右足を軽くあげ、スイングした。スイングしたバットを置いて、手袋を締め直した。
俺 「お前は?」
飯田「たぶん、2試合目出るから、この試合出んかな」
今日は、午後からも試合がある。飯田がセカンドで先発出場となると、俺はスタメンで出場することはほとんどない。
俺 「お前、2試合目スタメンかよ」
飯田「悪いな、ハハハ」
俺 「マジで困るわ」
飯田「誰のところでいく?」
2番手で登板した竹田が三振をとって、8回表もツーアウトになった。
俺 「うーん。さっき、誰まで打順回ってた?」
飯田「さっきは、1番の侑大で終わったよ」
ってことは、2番の優聖からか。次の橋本、川中、佐伯の3人のところで代打はありえない。そうなれば、最初。ここで、打ったかないと、ヤバいな。
俺 「じゃあ、優聖だな」
飯田「だな。今日3本打ってるから、代えづらいけど」
俺 「たしかに。でも、ここで打たないとな」
2度目のスイングは、力を入れて振った。
飯田「健太郎って、優聖の姉ちゃんと仲良かったんじゃないの?」
俺 「あぁ、仲良いと思う。この前も電話かかってたし」
飯田「モテるねぇ」
取手高校の宇川の打球は、ショートの頭上に上がる。ショート八幡が手を上げる。
俺 「いやいや、アイツは興味ねぇよ」
飯田「そうなの?俺、あの子いいと思うんだけどな」
俺 「そうなんだ。まぁ、いいヤツだけど」
飯田「八代南?」
俺 「うん。お前は、喋るの?」
飯田「まぁ、ちょくちょくかな」
俺 「アイツ、クラスでどんな感じなの?」
飯田「うーん。なんか浮いてるかな」
俺 「そんな感じなんだ」
アイツがそんな感じなんて知らなかった。高く上がったボールは、ショートの八幡がとり、スリーアウトチェンジとなった。守っていた聖徳高校の選手が一斉に戻ってくる。
飯田「パッと打ってこいよ」
俺 「あぁ。見といて」
飯田の激励とともに俺は、スイッチを入れた。手元に置いていたヘルメットを被り、バットを持って打席へ向かった。




