5月14日 絶対絶命ゲーム
今日は、朝から瀬戸がいる病院に向かっていた。というのも、昨日、下田から連絡があったからだ。下田がいる部屋は、前回と違った様だ。
下田「ごめんね、急に呼び出して」
俺 「なんか、あった?」
以前、来た時にいた瀬戸の姿か見当たらない。恥ずかしそうに、髪をかきあげながら話してくれた。
下田「そんなことないよ」
俺 「そっかぁ」
下田「明日花は、昨日手術やったから、手術部屋行ってて、二日間戻ってこないよ」
俺は、荷物を下ろした。
俺 「そうやったんや」
下田「明日花とは、連絡とってないん?」
俺 「あの日、会ってからは、とってないかな。瀬戸は、俺以外も友だち多いから。わざわざ俺が連絡する必要ないよ」
瀬戸の多さにビックリした様子だった。
下田「明日花って友だち多いねんな。知らんかった」
俺 「話してないん?」
下田「明日花は、自分の話あんまりせんから」
自分の話とか割と好きそうだと思っていただけに、瀬戸の印象を聞いて驚いた。
俺 「そうなんだ」
下田「今日来てもらったんは、絶対絶滅ゲームするために来てもらってん」
俺 「え?それだけのために呼んだん?」
下田「ふふ」
不気味に笑っていた。
俺 「笑ってる場合じゃないよ」
下田「じゃあ、さっそくやけどやっていい?
俺 「ほんまに、さっそくやな。来た理由とか、聞いても教えてくれへんねやろ?」
下田「勝てばなんでも聞くよ」
俺 「はいはい、わかりました」
下田は、前回同様、画用紙の紙と黒色のペンを渡した。
下田「じゃあ、いくよ。先攻か後攻かどっちがいい?」
俺 「今回は、先攻で」
下田「お題は?」
俺 「じゃあ‥」
『今日呼んだのは、入院が長引くから?』
下田「攻めるねぇ。書いた?」
俺 「書いたよ。じゃあ、いくよ。せーの‥‥」
お互いの紙には違うことが書かれていた。俺の聞きたいことは、聞けなかった。俺は、『はい』と書いたが、下田さんの紙には『いいえ』と書かれていた。下田さんは、俺のお題にふれずにいた。
下田「今度は、俺の番」
俺 「はいはい」
下田「じゃあ、いくよー」
『楓の連絡先聞いた?』
俺 「書いた?」
下田「書いたよ」
俺 「いくで。せーの‥‥」
俺は、『はい』。下田さんは、『いいえ』。二人の答えは違った。下田さんが、外したことで俺は、少し落ち着いた。