5月12日 八幡修也
13日間による大型GWが終了し、今日から、学校が始まった。俺は、自転車をとめて、教室に行く前、部室によった。部室には、朝練をしていた八幡と橘が話をしていた。
俺 「おはよう」
橘 「うぃーす」
橘は、いつものノリで挨拶をしてきた。八幡は、グラブを磨いていた。
俺 「朝練?」
橘 「ティーバッティングしてたわ」
部室は、汗の匂いがした。
俺 「そうなんや」
橘 「何しに来た?」
俺 「あぁ。グラブ取りに来てん」
橘 「これ?」
橘は、着替えをしながら、俺のグラブを指さした。俺は、部室にあるグラブとボールを取りに来ていた。
俺 「頑張っとるな」
橘 「当たり前や」
俺 「じゃあ、先行くわ」
八幡は、いつもより元気がなさそうな気がしていた。遠山のことだろうか?俺は、八幡のことを気にしながら、クラスに向かった。教室のドアを開けた。約1週間ぶりということもあり、クラスのみんなの表情も明るかった。今日は、部活動が休みだったので、野球道具を持って行かなくてよかった。席に着いた俺は、リュックを下ろして、単語帳を開いていた。
金曜日は、ホームルームの時に、単語テストがあるからだ。現在の席は、教室の一番右にある窓側の席だった。横に林さん、前に高田さん、後ろに沢田といいメンバーに囲まれていたのだった。
単語テストは、18問中16問は見た問題だった。おそらく書いた問題は、全部あっているだろう。今日は、どの授業もGWに出された課題提出があった。しかし、3年生ということもあり、学習スピードが遅くなることはなかった。授業には、なんとか食らいついて、聞いていた。ただ、授業自体は、どの教科も半分程度しか理解できていないだろうと感じていた。
休み時間は、沢田や辰巳たちと、GWの休みの話をしていた。サッカー部は、4泊3日の合宿があったらしい。また、沢田は、東京に遊びにも行ったらしい。みんな、いろいろなGWを過ごしていた。
久しぶりに、クラスのみんなが楽しそうにしているのを見て、俺は、遠山のことを思い出した。今ごろは、東京の学校に通っているんだろうと思っていた。アイツは、新しい学校で野球をするのか?引っ越す前に、野球を続けることは聞かなかったので、もしかしたら、あの日が最後の試合だったのかもしれない。ただ、アイツのためにも俺は頑張らないと思いながら、窓から空を見上げていた。