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日常で世界を変える(定本編)  作者: mei


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8月6日 開花(淮南高校戦)

 勉強を始め出した俺だが、今のままたど難しいな。もっと勉強量を増やしていかないと。


 ー7月29日ー

 

 0対3。8回表。打席には、6番の早川が立った。俺たちにとって3点はあまりにも大きかった。4番川中、5番佐伯が打ち取られ、俺たちのベンチは、もう静まりかえっていた。俺たちは、もう終わりなのだろうか?どちらにしろ、俺にはまだ打席は回ってくる。手袋をつけながら、早川が塁に出るのを期待する。早川の親友である山田はベンチの最前列から大きな声を出していた!!"打てよ!!ここからだぞ!!"。俺と健太郎と同じように中学校から同じ二人には、何か通じるものがある。俺は、そう信じていた。ここで、一点でも返せばまだチャンスはある。頼む、塁に出てくれ。

 左打席に入った早川は、一回、二回とバットをスイングしながら何かを考えているようだった。早川は、今大会2試合目ののスタメン出場。これまでは、なかなか日の目を見ることはなかったが、最後の大会で一気にその才能を開花させたような感じだった。昨日の千里第二高校戦のホームランはカッコよかったな。あれは、打った瞬間だった。高校に入った時は、橋本と同じくらいセンスがあったんだけどな。野球のセンスだけ見れば、下級生から試合に出てもおかしくなかった。

 キャプテンの川中や橘が大きな声を出し、再び盛り上げる。ボール!!初球は、アウトコースに外れたみたいだ。俺は、ヘルメットをかぶりネクストバッターサークルに行く準備を整える。なんとか、打て。俺は、心の中で祈り続けていた。ツーアウトということもあってか、淮南高校にも余裕が溢れているように感じる。チャンスを作るなら、今しかない。セットポジションに入った湯浅は、第二球目を投げ込んだ。あれは、カーブだろうか?ストレートの速さはなかった。まるで、スローモーションのようにゆっくり見えた。早川は、低めのカーブを思いっきり振り抜いた。大きな金属音が聞こえ、打球はライトへと上がる。打球は、ライトの頭上へと飛んでいく。ライトは、必死に追いかけるが打球の速さに見上げるしかなかった。外野の審判は、くるくる腕を回す。スタンド、ベンチからは、一斉に声が上がった。よっしゃー!!みんな、大きな声を出して喜んでいる。俺は、大きな興奮を抑えながら、ネクストバッターサークルへと向かう。


 安田「ヤバいっすね」 

 俺 「そうだな」


 安田が差し出したのは、早川が打ったバットだった。


 安田「ようやく待望の1点ですね」

 俺 「お前も続けよ」

 安田「そうなるといいですけどね」


 早川が打ったバットを持ちながら、ホームベースへと返ってくるのを待った。まさかのホームラン。みんな想定していなかったんじゃないか?打った早川は、軽快に二塁を回ったところで、左手を大きく突き上げていた。


 俺 「あそこで打てるのがアイツの凄さだな」

 安田「ホントですよ」


 打たれた湯浅は、審判からボールを受け取り、少し俯いていた。三塁を回った早川がもうじき返ってくる。このバットはそのまま早川に返すかぁ。ネクストバッターサークルに入ると、安田とハイタッチを交わし俺の方に来るのがわかった。


 俺 「ナイスバッティン!!」

 早川「センキュー」


 控えめな早川に、安田から受け取ったバットを差し出したのだった。

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