5月8日 病気
GW10日目。祖母の家では、朝からお墓参りの掃除が行われていた。俺も眠たい目をこすりながら、起きてきた。
ー5月6日ー
瀬戸は、下田が出て行ったのを確認してから、私に話しかけてきた。
瀬戸「那奈いて、ビックリした?」
俺は、あることに気がついた。
俺 「もしかして、下田さんいたから田中さんとか呼ばんかったん?」
瀬戸「相変わらず、勘がするどいねぇ。そういうの普段からできたら、もっとモテるのに」
俺 「なんやねん、それ」
瀬戸は、笑いながら、コッチを見ていた。
瀬戸「優衣とか真波どんな感じやった?」
俺 「めっちゃ心配してたよ。会ってくれへんから、瀬戸が相当落ち込んでるとちゃうかって言ってたし」
瀬戸「それは、困るね」
私 「ぶっちゃけ、体調は、大丈夫なん?手術とかはないの?」
瀬戸「うーん‥‥」
瀬戸は、窓の外を見ていた。そして、いつもとは違う表情で私に語ってくれた。
瀬戸「この3年間、様子見てきたけど、なかなか状況がよくならへんから移植の手術することに決めたの」
俺は、何も言えずにいた。
瀬戸「移植は、相当お金がかかるから、この3年間悩んだんやけど、やっぱり手術するの。それが、今年のGW明けに決まってん。別にみんなに言いたくないとかは、なかってんけど。入院の準備しに来た時に、那奈に偶然出会って。優衣とか真波呼んだらバレるかなって思って呼ばんかってん」
重い口をそっと開いた。
俺 「そっか。でも、その手術でよくなるかもしれんねやろ?お金かかるのは、よくないことやけど個人的には、嬉しいな」
瀬戸「必ずよくなるかはわからんけど、よくなる可能性が高いかな。健太郎、GW時間あるやろ?」
俺 「?」
瀬戸「この本、読み。私の病気がよくわかるわ」
そういって、瀬戸は意地悪そうな表情をしながら、俺のカバンに分厚い本をカバンの中にいれた。
俺 「重い、重い。かばんに、入らへんのちゃう?」
瀬戸「入る、入る。持ってかえりなさい」
俺 「じゃあ、俺もこれあげるわ」
そう言って、俺は、カバンの中から荷物を取り出した。そして、取り出した小さな箱を瀬戸のベットの近くに置いた。
瀬戸「何これ?」
俺「宝物にしとき」
瀬戸「あとで見て」
瀬戸の様子が気になったので、まだ話したいことはあったが、帰ることにした。
俺「じゃあ、俺帰るわ」
瀬戸「来てくれて、ありがとう。ちょっと、頑張れそう」
俺「よかった。下田さんが退院したら、田中さんとか高田さん呼んであげてくれへん?」
瀬戸「わかった。約束する。明日までには、優衣とか真波にLINEするから」
俺 「うん。じゃあ、また」
瀬戸「うん、また」
寂しそうにする瀬戸の表情を見ながら、私は、病室を後にした。病室の近くにある、エレベーターに乗り込んだ。1階について、エレベーターが開くと、ちょうど下田さんが待っていた。