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3.双子だけど正反対

夢を見た。


それは8歳の誕生日だった。

下の階では、双子の姉リリアンナの誕生日会を開いているのだろう。

賑やかな声や音楽が聞こえてくる。

時折、使用人らが忙しそうにパタパタと部屋の前を過ぎる。

でも私は一人。

同じ日に生まれたのに、誕生日のお祝いも、お見舞いも、何もない。

たった一人で、部屋の天井を見つめ、高熱に耐えていた。


もっと小さかった頃は両親も心配して、何度も部屋に足を運んでくれていた。

しかし一向に元気にならない私に、両親も諦めてしまったのだろう。

毎日だったお見舞いも次第に足が遠のき、3日に1回が7日に1回、そのうち月に1回になり、やがて1年に1回会うか会わないかになってしまった。

私の世話は使用人に任せきり。

それが後ろめたいのか、私の我儘はかなり聞いてくれた。

と言っても、花を飾りたいとか、読みたい本を買ってほしいとか、そんなたわいもないことばかりだけれど…。


一方、双子の姉リリアンナは元気に育った。

私たちの顔はそっくりだったけど、痩せて青白い顔をした私と違い、リリアンナは生命力にあふれていた。言動もハキハキしていて、結構ズケズケ言うし、性格もきつい。

たまに私と会えば「あら、まだ生きていたの?」とか「誰だったかしら。ああ、ユリアだったわね」なんて言ってくる。

しかし外面は完璧だし、能力も高いのだろう。

勉強やダンスなど令嬢に相応しい教育をどんどんこなし、パーティーにも積極的に参加して、人脈も広げていった。

そう、リリアンナは両親の期待通りの自慢の娘になった。

そんな彼女がアルフレッドと婚約したのも、確か8歳の時。

両親はこれを契機に、さらにリリアンナの教育に熱が入った。

婚約者として恥ずかしくないよう、ドレスや装飾品にもお金がかけられた。


親の愛情すべてを注がれた姉と、親から見向きもされない私。

外見はそっくりの姉妹でも、その扱いは正反対だ。

家族を恨んではないけれど、寂しい気持ちはいつも胸にあった。


家族って何だっけ。

姉妹って何だっけ。


寂しくて枕を涙で濡らした夜も多かったけど、いつしか私の心は乾いてしまった。

ないものねだりをしても仕方がない。

私は病気がちだけど、貴族だったおかげで治療が受けられるし、使用人が最低限の面倒を見てくれる。

もし庶民だったら今頃はもう死んでいるだろう。

そう考えたら、私は恵まれている。


それなら私は私のできることをしよう。

変な気遣いや遠慮はせずに、言いたいことを言って、やりたいことをやろう。

本をいっぱい読もう。

ドレスや宝石は身に着けられなくても、本で知識は身につけられるし、邪魔にもならない。

領地で引きこもるしかないのなら、領地のことをいっぱい勉強して何か役に立てれば、生きる意味を見出せるはずだ。

外は走り回れなくても、私の心は自由に羽ばたけるのだから。

そう決意したのが、8歳の誕生日。


(そんなこともあったわね)

あの時感じた、ほろ苦い気持ちを思い出し、私は目を覚ました。

誤字報告をいただきましたので、訂正しました。

ご指摘、ありがとうございました。

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