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プロローグ
拙い作品ですが読んでいただけると幸いです。
ーーあぁ、やってしまった。
「ここで何をしている。」
ーーこんなところで選択ミスをするなんて...。
いつもと様子が違う婚約者に不可解に思いながらも少年は声をかけ続ける。
「ヴィオラ嬢。今日、貴方とは会う約束をしていないはずだが。」
ーーまた最初っから始めなければ。
少年の問いには、答えることなく、ヴィオラと呼ばれていた少女は、足に取り付けてある隠しナイフを取り出し、首元に当てた。考えもしなかったヴィオラの奇行に少年の思考は追いつかず、その場にいる全員はただ見ていることしかできなかった。
ーー今度こそ、このループを終わらすために。
ヴィオラの首から真っ赤な液体が弾けた。