君と僕
処女作です。
読んだ方は感想等お願いしますm(_ _)m
「僕と…僕と付き合って下さい!」
「…別に。好きにすれば。」
―これが1ヶ月前の話
―そして1ヶ月後
「ねぇ!ねえってば!」
「…何?今雲見てるんだけど」
「えぇ?僕より雲?」
いきなり僕に対してこんな酷い事を言うのは僕の恋人の天達奈々(なな)です。
簡単に彼女の事を紹介するとかなりの美少女で肩まで伸びた流れるような美しい黒髪をもつ女の子です。正直僕もその容姿に一目惚れしました。
ですが彼女はとんでもなく無愛想なのです。容姿は良いから笑顔を見せればもっと皆に好かれると思うのですがそうした時の事を考えると嬉しいような寂しいような複雑な心境です。
…とまぁ説明はこのくらいにして置いて今日は僕と奈々さんの生活を紹介したいと思います。
「おはよう奈々さん」
「…今昼だぞ」
「いやいや違うよ!今は朝だよ!小説だと冗談に聞こえないから止めてよ!」
「早く行かないと遅刻する。」
「流さないで!」
朝から全力でツッコミ…これが僕の毎日です。
でもこの会話は奈々さんを近くに感じる事が出来るので結構楽しみにしています。
「あ…」
「どうしたの奈々さん?」
「綾崎ハ○テ」
「何故いきなりハ○テのごとく!?」
「言ってみただけ。早く行こう。」
そう言って彼女は僕の手を握ります
「えっ…うん…」
彼女が時折見せる微笑みは本当に綺麗で思わず見とれてしまう…
「…今Hな事考えてた」
「ち…違うよ!」
のは無理です。
「学校に着いたよ奈々さん。」
「見れば分かる。…じゃあ昼休みに屋上で」
「分かってる。じゃあね。」
そして昼休みです。友達と一緒に食べる人、外でサッカーする人など人それぞれの行動をとることの出来る学校という場所で唯一の安息の時間なのです。…その頃僕は屋上で奈々さんのお弁当を美味しく頂いています。
彼女は料理が上手く2日に一回の割合でお弁当を作ってくれます。
「奈々さんの料理は毎日食べても飽きないくらいだなぁ…」
「…それ、プロポーズ?」
「ち…違うよ!てか何で顔赤いの!?」
不覚にも可愛いと思ったのは内緒です。
「べ…別に可愛いとか言われても何とも思わないんだからね!」
「え?心読まれてる?しかも何故ツンデレ?」
そして放課後
今日も奈々さんと一緒に帰ります。
「ねぇ…」
「何?奈々さん」
「どんなタイプの女の子に萌える?」
「いきなり何!?」
「一応参考に」
「な…奈々さんみたいな娘…かな」
「何処が良いの?」
「その溢れる美貌と完璧なまでのスタイルが…もう…たまらんw
「このセリフ明らか僕じゃないよね!?てか奈々さん自分で言って恥ずかしくないの?」
「…少しだけ」
そう言って顔を赤くしてそっぽを向く奈々さんをに可愛いと思ってしまい…
「べ…別に可愛いとか言われても何とも思わないからね!」
「何故ツンデレ?てか2度目だよこのツッコミ!」…正直今でも彼女の性格に関しては分からない事だらけで僕を困らせるような質問を沢山…沢山してきますがそれでも僕は彼女が好きだと断言できます。
ですが…未だに気になる事が1つ残っています。
「ねぇ奈々さん」
「何?ハイヒールで踏む事で異様に興奮する事なら昨日聞いた」
「言ってない言ってない!しかも僕が踏むの!?それにどちらかと言えば踏まれる方が…って何言わせるの!?」
「…」
「何でメモしてるの!?やめて!、僕の信用が…」
「で、用件は何?」
「再び流された!
用件はさ…あのさ、どうして奈々さんは僕と付き合ったの?」
そう、これが僕が疑問に思っている点です。確かに奈々さんと一緒にいると疲れるけど楽しい。
けれども果たして彼女と僕は釣り合っているのだろうか?
答えはNOだ。
周りの視線はいつも『何でこんな奴が… 』という憧れ…いや、憎悪をいつもひしひしと感じている。
中には聞こえるように陰口を言ったりもされる。最初の頃はちょっと優越感を感じていたけど、 最近では別れた方が…とか一瞬でも考え、そんな自分に自己嫌悪したりしています。そんな自分に対してけじめをつける意味で彼女に聞いたのです。「…君と付き合った理由?
簡単だよ。君が『俺と付き合わないとストーカーするぜぇ。ヘッヘッヘッ』って顔してたから。」「えぇ!?そんな理由?てか僕そんな顔してたの!?」
「…嘘」
「え?」
「君といると安心できたから」
「…それだけ?」
「それだけ。でも大事だと思うよ」
…そうか。僕は彼女に相応しいのか、と考えていたけどそれ以前に『一緒にいて楽しいか、心が安らぐか』を忘れていたのか。
「奈々さん…」
「何?」
「ありがとう!」
「どういたしまして」
「これからも宜しく」
「…」
「何で黙るの!?うんって言ってよ!」
「…」
「一人で帰らないで!待って!」」「…こちらこそよろしく」
「え?何か言った?」
「いや、悪霊が君の…おっと」
「え!?何!?悪霊憑いてるの!?」
「…嘘だけど」
こんな毎日です。