澪巴少女の名解読
とある北西地方のリゾート深緑地区。『ディープグリーン・ビレッジ』と名の木造ロッジが並んだリゾート空間。
謎の仮面人物が、深緑地区の土地を拝借して魔の館を建造させたらしい。
そして、月日は流れ――。
澪巴琴祢が通う霜倉正大高校。
彼女は昼休みに校長室に呼び出された。
「失礼します」
「入りなさい」
女性校長の声だ。名は時島すばるという。
芸名らしいが、それが本名の校長先生は、澪巴琴祢にある手紙を差し出した。
「澪巴さん、これはあなた宛の招待状です。これが学校まで届けられたか、あなたはご存知でしょうか?」
「いえ、存じません」
「あなたに相談します。これを開封しても構いませんか?」
「わたしには心当たりがありません。ですので、どうぞ開封なさってください」
「では、開封しますよ」
「待ってください。私にはよく判らないことがあります」
「はい?」
「いつも絆された感じのえくぼが目立つ校長先生は、そんなに厳しく対応はしません。あなた……一体誰よ。白状しなさい!!」
琴祢の勘による見事な神眼で、その対象は正体を現した。
「ククク……よくぞ校長の身振りを見破るとはな……私は、その手紙の差出人。それでは、さらばだ。その手紙文に記された指定場所にて待つ。楽しみにしてるぞ、澪巴琴祢!!」
校長に扮装した皮を自ら剥がしだし、その仮面人物は、部屋の窓から飛び降りた。即座にその影は手品のように消失しだしたのだ。
手紙に書かれた書面。
“拝啓、澪巴琴祢様。
校長先生は、今日は欠席してます。 ご安心ください。
それから、あなたには緑と自然の豊 かなリゾート空間、ディープグリー ン・ビレッジをご招待しましょう。 特別に2、3名まで無料でもてなし ます。交通費もろともサービスいた します。
それでは、×月××日の西霜倉駅前 に午前11時に集合してください。
○月○○日 SEAL OFF”