プロローグ
これは、謎の仮面人物シールオフから受けた挑戦状に立ち向かう少女、澪巴琴祢の解読且つ脱出劇を描いた物語である。
シールオフとは何者か?
また、どんなことでも屈しない推理力と洞察力を備えた天才脱出少女が、どうして解読不能の難関を突破できたのか?
パズルミステリーの事件の数々。すべての難関は琴祢の神眼に、委ねられた。
澪巴琴祢7歳の頃。
横殴りの酷い大雨に被られた琴祢。雨宿りに適切な建物があったので、その中のとある空き部屋に身を隠して雨が止むのを待っていた。
無人の部屋だと勘違いした部屋管理者によって鍵を掛けられてしまった。こうして少女は部屋に閉じ込められた。
しかし、そのたった数分後に管理者以外の者によって解錠され、無事に部屋を抜け出られた。
謎の者がどうやってその部屋のある施設に入り、無人だったかもしれない部屋を解錠したのか……。
その救命の恩人がヒントを教えただけで、ヒントを元に解き明かしたわずか7歳の少女、琴祢。
見事にその難関の脱出劇を解明した幼い少女の神眼は、まさに脱出探偵のそのものであった。
後日……その彼女の救命人物は、交通事故死してしまい、琴祢と再会することはなかった。
それから、10年の月日が流れた――。