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魔族の力

やっと二話目に突入です^o^


この話でマリアさんの色々な一面が見えちゃいます^ ^





「よくもよくも、低級種族のゴブリンの分際でよくもレン様のお身体に傷を!絶対にお前を許さない!!」


先程までとはまるで別人のマリアを見た俺は、驚きと恐怖で冷や汗を流す


「レン様、どうか此処はお下がりください」


『わ、わかった』


驚きを隠せないまま俺は一歩二歩と後ろに下がったのは束の間、マリアの爪が黒く長く伸びたと思った次の瞬間にはマリアが消え、緑色の体をした生物は木っ端微塵に身体が引き裂かれていた


『えっ?』


一瞬の出来事で理解が追いつかない


「身分を分前なさい、この低級種族(ゴブリン)が」


粉々に引き裂かれた生物にマリアは言葉を吐きかけ


くるりとこちらを向いた


「申し訳ございませんレン様、あの様な低級種族のモンスターからの攻撃を気付かず、更にはレン様のお身体に傷を……」


振り向いたマリアからは黒く長い爪は無くなり、先程の怒りの表情からは一変、とても悲しそうな顔をして、愛嬌のある少し垂れた目元には涙が溜まっていた


「この度の失態はどの様な罰でも受け入れます!どうかマリアに罰をお与え下さい!」


潤んだ瞳でこちらに話しかけるマリアはとても可愛く思えるが、先程の一連の行動を見た俺は未だに唖然としている


『……』


「レン様?はっ、先程の攻撃でお身体に異変が!?大丈夫ですかレン様』


マリアが目と鼻の距離まで近づき、心配そうな顔でこちらに話しかける事で、ようやく我に帰る


『だ、大丈夫、ちょっと驚いただけだよ!身体も何も問題無いよ』


ちょっとどころでは無いと頭で思いながらマリアに話しかける


「良かった……本当に良かったです。もしもレン様のお身体に何かあったら、マリアはいくら悔やんでも悔やみきれません!」


俺の身体に異常が無い事を知ったマリアは、安堵していつもの穏やかな表情を浮かべこう続ける


「改めましてレン様!この度失態をしたマリアにどうか罰をお与え下さいませ。」


表情は穏やかだが、目は真剣そのものだった


『マリアは俺を助けてくれたじゃないか!罰なんて与えられないよ』

(さっきのマリアの行動を見た後に罰なんて恐ろしくて与えられるか!)


助けられた事で罰を与えないと言うのは本当だが、本心は恐くて言えないのが正解だろう


『だから気にしなくて大丈夫!もしまた敵が来たらその時またよろしく頼むよ』


俺はマリアを説得しようとする


たが……



「寛大なお心をお持ちのレン様に仕える事が出来るマリアはとても嬉しく思います」


『良かった、わかってくれ…』


「ですが!此度の失態はこの私、マリア自身の不注意が招いた結果でございます!眷属であるマリアがレン様をお助けすることは至極当然の事で、レン様がお気にされる事は無いのです。どうかマリアに此度の罰をお与え下さいませ」


マリアの真剣な眼差しと熱意のある言葉で、俺は有無も言えない状態になった


(困った、どうしよう。ここで簡単な罰なんて言っても納得しないだろうし、かと言って厳しい罰なんて恐ろしくて言えないぞ、どうするか)


『うーん……そうだ!今回の罰は保留って事でどうだい?』


「保留……ですか?」


『ああそうだ!今考えられる罰なんて簡単な物しか浮かばないし、きっと簡単な罰じゃマリアは納得しないだろ?』


「勿論です!」


『だから時間を掛けてマリアが納得する様な罰を考えるからそれまで少し待って欲しいんだ!その為の保留さ』


言い終えた後、マリアは考え込んでいる


(頼む!どうかこれで納得してくれ!!)


この沈黙の中、俺のこめかみから一滴の汗が流れ落ちる


「……かしこまりました、此度の罰は保留という事で承ります」


マリアはもどかしそうな顔をしながら、今回の件を納得してくれた


『納得してくれて助かるよ』

(セ〜〜フ!どうやらこの場は乗り切れた!)


「レン様ありがとうございます、 其処まで考えて頂けるなんて流石は偉大なご主人様です。レン様の考え抜いた罰を受けられる日を心よりお待ちしております」


そう言い終えるとマリアは最後ニコっと笑った

どうやら俺の思惑に気づいてるようだった


『ああ、任してくれ』


またしても俺のこめかみからは汗がなが落ちた


・・・


『マリア、さっきは急に緑色のモンスター?が襲って来て言えなかったんだけど、実は俺この世界の人間じゃ無いんだ!』


俺は今までの経緯を話した

本当は別の場所から来た自分の素性を明かすのは良く無いと思うが、マリアは自分と同じ世界に居たので、帰れる手段を何か知っているのではという思いと、またマリアがもし悪人だった場合わざわざ忠誠を誓う真似をしなくても、あの力があれば俺を脅すなりなんなりした方が早いのに、それをしないという事は忠誠は本物だと解釈したため、マリアには全てを話した


「そうでしたか、そんな事が……さぞかしお辛かってしょうに、ですが残念ながらマリアもレン様の世界に戻る方法は存じませんゆえ、お力及ばず申し訳ございません」


『いや、良いんだ。きっとマリアを俺の世界に連れてきたのはあの謎の声の男だろう』


「ええ、きっとそうかと思われます。先程も言いましたが、〈上級魔族〉を産まれさせる事が出来る偉大な力を持つ者はこの世界でレン様だけでしょう。その為その男はレン様をこの世界にお連れになったのではと考えられます」



(帰る方法は分からずじまいか。

それに偉大な力……本当に俺にそんな力があるのか?)


俺が考え込んでると


「レン様、帰る方法は分かりませんが、お母様の病気を治す方法はあるかも知れません!」


『!!その話は本当!?』


「ええ!この世界には〈シラナギの薬草〉と言うどんな種族の怪我や病気も治せる幻の薬草が有ります!」


『シラナギの薬草!?そんな凄い物が!!』


「はい!ですが非常に希少で珍しい物なので、何処に有るかまでは……」


『いや!この世界にまだ希望が残ってるって分かっただけでも充分だよ!ありがとう、マリア」


俺はお礼を言うとマリアは頬を赤らめた


「そ、そんなまたしてもお礼だなんて!マリアはレン様が喜んで頂くことが何よりの喜びなんです。今後もレン様が喜んで頂けるよう頑張ります」


『ああ、宜しく頼むよ!最初はマリアを見てビックリしたけど、今はマリアが居てくれて本当に良かったと思ってる』


「いっ、いえ、マ、マリアもレン様と一緒に居られて、こ、光栄でございます」


俺は純粋に感謝の言葉を伝えた、だが感謝の言葉を伝える度にマリアの額には汗がにじみ出て、少し苦しそうな顔をしている


だが俺は気付かずに感謝を続けた


『さっきのゴブリンだっけ?あの攻撃もマリアが俺を受け止めてくれたから軽傷ですんだし』



「レ、レン様、ハァハァ、も、もうマリアへの、ハァハァ、感謝の言葉は……」


『それにマリアが居なかったら、俺一人じゃあのゴブリンにもやられてたかも知れないしね!』


徐々にマリアの呼吸も乱れてくる


「レ、レン……さま、もう……」


『いやぁー本当にありがとう!マリア』


「もう……もう……あっあぁん!限界ですぅぅ!レン様ー!!そっそれ以上言われるとマリアの身体がおかしくなりそうです!」



マリアにとって俺の喜びや感謝の言葉はマリアにとてつもない〈快感〉と〈幸福感〉を与えるのだった

だが今の俺はそんな事は知る由もなかった


『マ、マリア?』


マリアの目はトロンと虚ろで、息をハァハァ言いながら小刻みに震えてる



俺は心配になってマリアの背中を摩ろうと背中に手を置いた瞬間


「ああぁぁあんん!!」


マリアは大きな声を上げて身体をビクンビクンと震わせた


『大丈夫?マリア!?』


俺は何が起きたか理解できないでいた


マリアは身体をビクビクとさせながら少しだけ放心状態になってから、我にかえった




「だ、大丈夫ですレン様、ハァハァ、ご心配お掛けして、申し訳ございません、ハァハァ」


マリアはトロンとした表情は変わらないが、呼吸は徐々に戻りつつあった


『いや、マリアが大丈夫なら良いんだ!』


「あ、ありがとうございます、もう大丈夫です」



そう言ってマリアが移動した後、俺はマリアの居た場所を不意に見ると、草がぐっしょりと濡れていた、だがその理由を知るのはもっと先のお話である……

マリアさんの足元はなんで濡れていたのか!(´・Д・)」

いやぁー不思議でしたねぇ〜ϵ( 'Θ' )϶(笑).


次回はスキル系のお話になります〜^o^

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