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プロローグ2

読んで頂いてる方へ

本編はもう少しお待ち下さいませσ^_^;

俺は病院を出るとすっかり日が暮れ、そして雨が降っているのに気付く



(やっぱり降ったかぁ、まぁまだ小降りだし今日は買い物を止めて早く帰るか)



そこで先ほど母から預かった銀行のキャッシュカードを思い出し、ポケットから財布にしまい直した



(何はともあれ母さん元気そうで良かった良かった、癌の可能性って!あの先生も少し大袈裟なんじゃないか?)



先ほどの母の様子を見て俺は癌の可能性は無いと感じてしまう



(この調子なら直ぐにでも退院も出来るかもしれないなぁ)



俺は先ほどの書類の中の入院代や薬代の費用を思い出し、できる限り預かったお金を使わないようにすると決めた




・・・・・・



無事に俺は家に着いた

家は2LDKのアパートで、自分の部屋もある

いつもは母と住んでいたこの家も、一人になると広く感じてしまう


『ただいまー』


誰もいないと知りつつ習慣でつい発してしまう


時計を見ると19時になろうとしていた

何時もならこの時間には母が料理をしている時間だ、だが今日からしばらくは俺一人



(取り敢えずは〜、風呂だ!)



鞄と携帯を自分の部屋にある机の上に無造作に置いて俺はお風呂に入る準備をした



(先に風呂のお湯を溜めてっと)



お湯を溜めてる間自分の部屋から着替えを取り出し

濡れた制服をハンガーにかける


支度を終えた時にはお湯が半分弱ぐらい溜まっていた



(まぁ一人だしこのぐらいでいいか)



浴槽に半分弱溜まったお湯を止めて俺はお風呂に入った


パタン……


その時


ブーブー、ブーブー、


俺の携帯に着信が入った……




・・・




俺は浴槽の中で今日の出来事を思い返していた



(お医者さん…えーと、遠藤先生だ!先生も少し大袈裟だよなぁ……けど仮に万が一癌でも今は手術しないで治る様になってきてるって言ってたし、母さんも元気そうだったから大丈夫そうかなぁー)



俺は遠藤先生の話と、母と話してから癌と言う危険性を楽観的に考えてた



(入院中持ってきて欲しいのが確か、歯ブラシとコップとー、あとスリッパもあったな)



俺は明日病院に持って来るものを思い出しながら

お風呂から出た



(ふー、さっぱりさっぱりー)



洗面台で髪をドライヤーで乾かし、用意していたチーターのシルエットがついた黒の上下ジャージを着る



(取り敢えず今日は冷凍食品で済ませるかな、確かレンジで出来るチャーハンまだあった気がするなぁ)



台所まで来た俺は冷凍庫を開けてお目当ての物を探す



(あったあった!えっと500wで五分か、結構好きなんだよなぁー、これ)



俺は冷凍食品のチャーハンを袋からお皿に移してレンジに入れる

母が仕事で帰りが遅い時などに俺はこの冷凍チャーハンを食べていた



……チン!



(出来た出来た)



テーブルにチャーハンとお茶を置いてテレビをつけて


『いただきます!』




・・・・・・




『ふぅー、ごちそうさまでした』



俺はお皿とコップを台所の流しに持っていき、時計を見ると20時42分



(取り敢えず明日病院に持って行くものの準備でもするかな、あっ!その前に一応じいちゃんとばあちゃんにもこの事連絡しとかなきゃ)



俺は今日病院の書類に緊急連絡先の中に祖父と祖母の連絡先も入れといた



(もし急に病院から連絡来たらびっくりするしな、早く伝えよう)



俺はリビングから出て自分の部屋に向かう


ブーブー、プツ


丁度俺が自分の部屋に入った後に着信が切れた



(誰だろ?)



俺は携帯の画面を見た


着信履歴8件


『えっ!』


俺は着信数に驚きながら、着信者を確認する



(じいちゃんと誰だ?この知らない番号は?)



携帯の画面には知らない番号から5件着信と祖父からの着信が3件あった


俺は取り敢えず祖父の方から電話を掛ける


プルルルループッ



「もしもし、レンかい?」


『そうだよ、どうしたの?じいちゃん』


「今S病院って所から電話がきてねぇ、ハナが危険な状態だからすぐ来てくれって言われたんだよ」


『母さんが危険な状態!?』


「ああ、詳しい話は病院に来てから話すからって言われたから、だから今ばあさんとタクシーで向かってるんだ、ハナが危険な状態って言うのはどういう事なんだい?レン」



俺は母が危険な状態と言う言葉を聞いた瞬間パニックになった



『か、母さんは今日仕事中倒れて、それで病院に運ばれて、だけど母さんは元気で問題無かったはずなんだ』



問題無い、なんでこんな言葉が出たのだろう


母は今日倒れて病院に運ばれ、その原因が癌かもしれないと言われたのに……


俺は心の何処かで今日の事を受け止め切れてはいなかった


だが癌と言われてすぐ受け止める事が出来るだろうか



「レン、落ち着いて話してくれ、ハナは今日入院したんだね?倒れた原因はなんだい?」



俺は一呼吸して自分を落ち着かせようとする

だけど心臓はドクンドクンと鼓動が速くなる


『先生からは膵臓に腫瘍があるって言って、それが癌の可能性が高いって言われたんだ……けどさっきまでは凄い元気だったし、先生も今は薬でも治るって言ってたんだ!それがなんで……』


「そうか、取り敢えずレンは先に病院に言ってハナの事を見守ってやってはくれないか?じいちゃん達はまだ着くのに時間が掛かるから」



この時の俺は内心とても怖かった

もう母には会えないんじゃないかと


だがそんな事を考えてる時間は俺には無かった


『わかった、すぐ向かう!』


「ああ、じゃあ何か有ったらすぐに連絡をしてな」



その後電話が切れ、そして俺はもう一つの番号は病院からだと確信して急いで掛けた



「もしもし、こちらS病院です」


『すいません、今日入院した山田 ハナの息子の山田 レンですが、先ほど連絡が来てたんで折り返したんです』


「山田 ハナさんの息子さんですね、少々お待ち下さい」



そう言ってから保留音が鳴る

保留音が鳴っていたのは一分も無かったはず

だが今の俺にはとても長く感じた



(速く、速く)



「もしもし、私は医者の遠藤です。山田 レン君だね?」


『そうです!母が危険な状態って聞いて!母は大丈夫なんですか!?』



「君のお母さんは君が帰った後容態が悪化してねぇ、もう一度お母さんの状態を調べたんだ、そしたら他にも腫瘍が発見されてしまったんだよ」



『そんな!!』


「今はできる限りの処置を終えた所なんだがとても危険な状態なんだ、今から病院には来れるかな?」


『はい、もちろんですっ!』


「後こんな事は言いたくないが、最悪の事態は想定しておいて欲しい」



………




最悪の事態、それを聞いた俺は大雨の中家を飛び出した

次でプロローグは最後になります


自分でも、こんなにプロローグが長くなるとは思いませんでした^^;

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