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ジャンル別日間ランキングで10位以内に入ってるのみて信じられず四度見くらいしました。


ブックマークや評価をつけてくださった皆様ありがとうございました。

 あの日から約三か月が過ぎた。アリィ様は律儀に約束を守ってくれている。


 そして現在、アリィ様とお茶を楽しんでおります。


 

 私はやっとマナーの先生に合格点をいただき侍女の勉強を開始し始めている。もちろん、マナーの教育も怠らない。毎日交互に勉強している。


 朝は朝食を食べる前に軽い運動。朝食後には一般教養や専門分野を習い、その後マナー又は侍女の勉強、昼食後護身術を習い、終わった後は軽く体を清めアリィ様とお茶をし夕食まで自室で本を読み、夕食を食べ就寝。

 ここ三か月でずいぶん今の生活に慣れてきた。


 前の家では考えられないくら忙しい日常だ…前は病弱と偽り隠されて、ただ淡々と日々を過ごしていた。会う人といえば数人の侍女とマナーの先生に父くらいだった。しかも侍女達は私に聞こえるくらいの声で陰口を言い蔑んだ目で見ていたし、先生も父の知り合いだったのか適当に教えて我関せず、父に至ってはいきなり来て暴言と暴力だ。


  ――――今思えばよく泣かずに堪えていたな私…


(というか、侍女のあの態度、勉強している身になってみると本当ダメダメよね。よくクビにならなかったものだわ…ああ、クビ寸前の無能さん達を私につけてたってことかしらね…?)


 

 「…ティア?どうかちちゃの?」


 私がそんなことをぼーっと考えているとアリィ様が心配そうに声をかけてきた。


 ―――いけない。アリィ様との至福な時間に考え事するなんて私としたことが…


「…なんでもありませんよ。こうしてアリィ様とお茶が飲める時間は幸せだなあとしみじみ思っていただけです。」


 微笑んでそう言えばアリィ様は顔赤くしてそっぽをむく。


「…と、とうぜんりょ!このわたちがじかんをさいてあげてりゅんですもの!」

 

「はい。毎日アリィ様の貴重なお時間を共に過ごせて幸せです。」


「ふんっ!!!かんちゃしなさいよ!!!」


 恥ずかしいのためか私の顔を見ず大声で言うアリィ様は大変愛らしい。アリィ様は前世で言うとことの「ツンデレ」「チョロイン」だろう。…ぜひこのまま育っていただきたい。そうすればきっと、今後攻略対象達と出会ったとしても「悪役令嬢」にはならないはずだ…

 まあ、ゲームとかなり変わっているし攻略対象達とは深くかかわらない可能性もあるだろう。そこはアリィ様次第…アリィ様が幸せだと感じられる未来ならば、私はどんな道に行かれようとアリィ様の身を守りながらついていくだけだ。

 

アリィ様の将来を考えつつ紅茶を飲む。


 ―――将来といえば……


「そういえば、アリィ様はお勉強の方はどうですか?この間マナーの先生が頭を抱えてらっしゃいましたが…?」


「ふぐっ…!! ま、まじめに!!や、やってりゅはよ!?」


 お菓子に手を伸ばしていた手を止め、目が泳ぎながらもこたえる。


「…アリィ様…嘘つきましたね?嘘をつく方にはお菓子はあげません。没収です。」


 お菓子を手が届かないようにお菓子を持ち上げる。ちなみに今日のお菓子はアリィ様の大好物のチョコ味のクッキーである。


「な、なんれ!? ティア!!ひどい!!!よこちなしゃい!!わたちのゆうこときけないの!?」


「聞けません。私はアリィ様のものでありあなたの望みは全て叶えたいと思っていますが、お世話係兼姉です。こういうことは厳しくいきます。」


「う、ううう…ティアのばかぁ……」


 泣きそうな顔でクッキーをみるアリィ様…ちょっとかわいそうになってきた…


「……正直に答えてくださればクッキーはお渡ししますし、明日もアリィ様が好きなチョコ味のお菓子を出すようお願いしますよ?」


「おべんきょいやでにげてりゅわ!!!ごめんなちゃい!!おかちちょうだい!!!」


  ―――即答である。


……こういう素直な所はアリィ様の魅力の一つだが、あまりに素直すぎて心配になってくる。知らない人にでも「お菓子上げるからおいで」と言われればついていきそうだ…


「アリィ様…、決して知らない方からお菓子や物をあげるからと言われてもついて行ってはだめですよ。」


「…?わかっちゃわ。はやく!おかち!」


 きっと分かっていない。私がお菓子を元の位置に戻せばものすごい速さでお菓子を食べていく。


(ま、まぁ…私がアリィ様から目を離さいようにすればいいわよ…ね…?)



「正直に答えてくださってありがとうございます。…で?お勉強から逃げていると…?」

  (これは由々しき問題だわ…アリィ様の将来的にもちゃんとしないと…)


 「だ、だって…たいくちゅなんじゃもん…」


  私から何か感じどったのか若干顔を青くしつつ、目線を落とし小声で言う。本人もいけないことだとは思っているらしい。


 「アリィ様、貴方は公爵家のお嬢様なのです。例え退屈で嫌でもちゃんとお勉強しないと、将来困るのは貴方ですよ?」


 ため息をしつつそう言えば、アリィ様はまた泣きそうな顔をする。


 「わ、わかってるけりょ…でも…でも…」


(心を鬼にするのよ私…これもアリィ様のためなのだから…何かいい案はないかしら?アリィ様にやる気をださせるような……あっ!!)


 「アリィ様は確かお茶の時間の後お勉強でしたわよね?」


「うん。そうりょ…それがなんにゃの?」


「楽しい時間の後は余計につまらなく感じるものです。逆に、楽しみな時間がこの後来ると思えば頑張れることもありますでしょう?」


「う、うん?」


「お勉強の時間をお茶会の前にしてもらって、ちゃんとお勉強できたらお菓子は毎日アリィ様の好きなものを、もし怠けてしまったらお菓子は没収というようにしましょう!!」


「ふへっ!?」


 アリィ様は戸惑っている。真面目にすれば毎日好きなものが食べられ、怠ければ目の前に好きなものがあっても食べられないという事態に…

さっきのやり取りがこんなところで役立つとは…


「そうと決まればさっそく養父様にお伝えしなくてなりませんね。」


「ちょっ!?まっ…!!」


アリィ様の止める声をスルーし、「失礼します。」と部屋を出ていく。その後、私の意見は取り入れられ、アリィ様のお勉強時間が変更された。

 

―――アリィ様が真面目にお勉強するようになったのは言うまでもないだろう。


次こそ新キャラだします。


【軽い人物紹介】

・レイティア・アディンゼル

タレ目で菫色の瞳に、くせのない長い銀髪の美少女。(髪は魔道具で茶髪に)

アリィ様至上主義者



・アリアーヌ・アディンゼル

つり目気味の大きな赤い瞳に、軽くウェーブがかった金髪美少女。

ゲーム内では王道悪役令嬢。現実はちょっとお転婆で我儘なチョロイン。



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