表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/54

「わたくしは、あの子を殺します」

「待ってください!」

 叫ぶ声はモネのもの。彼女は焦りと動揺を含んだ声でジャン・ジャックに待ったをかける。

「そんな、クロがわたくしの弟がどうして……!」

「どうして? 答えは明確ですよ、青騎士殿。状況が、それしかないと告げている」

 ジャン・ジャックは待つつもりはないようだった。彼はモネに一瞥をくれるとすぐさまアルフレッドに向き直り、挙手と共に言葉を作る。

「一番隊副隊長、ジャン・ジャックがオードラン国王に進言いたします!」

 その眼に迷いはない。躊躇いもない。ただ非情に近い決意だけが浮かんでいた。

「アルマ=カルマの現契約者であるクロード・ルルーを、この場で処刑すべきです!」

 処刑。殺される。クロードの心が恐怖を訴える。会議室は騒然となり、円卓を囲う人物たちはみなそれぞれの反応を返す。

「ジャン……お前の言っていることは正しいかもしれない」

 アルフレッドはいつになく難しい顔をしている。いつもの軽薄さはどこにも見られない。

「だけどよ、ちょっと性急すぎるぜ。事を急ぎ過ぎている。いくらなんでも、今すぐに処刑だなんて……」

「性急などではございません」

 ジャン・ジャックが臆することなく否定する。

「国家の非常事態です。急いですぎるようなことなどありません。彼は国に盾つく罪人であります。処刑は当然の処置であるかと」

「当然、ですって?」

 モネの声は明らかに憤っていた。焦りを含んだ怒りは静かにジャン・ジャックへと向けられる。

「わたくしの弟が死ぬのが、当然だと……」

「どうか気を鎮め、冷静に判断していただきたい」

「わたくしは冷静です!」

 モネが机を叩く。その姿は誰が見ても冷静とは言いがたかったが、ジャン・ジャックもこれ以上刺激することはなく、話を続けた。

「この状況。あなたの弟が罪人である確かな証拠ではないのですか? よく考えてください。彼が許可しなければ、アルマ=カルマは自らの術式を発動できない。浮遊城が現れた以上、クロード・ルルーが発動の許可をだしたことは明確だ」

「そ、それは……何かの間違いということが!」

 言い淀むモネ。彼女は助けを求めるように円卓を見わたし、そしてその表情を絶望に染める。誰もが、クロードへと疑いの視線を向けていた。王だけは難しい顔のまま口に手を当てて黙っていたが、反論をする気配はない。誰もかれもが、クロードがアルマ=カルマの協力者であるという可能性を疑い、またそれ以外の可能性を示せずにいるのだ。ジャン・ジャックの言う通り、状況が全てを物語る。

 クロード・ルルーはアルマ=カルマと共にオードランを貶めようとしている。

「しかし、動機が……クロードが国を裏切る動機はなんだっていうんですの!?」

 ただモネだけがクロードを全面的に信じていた。自分の弟がそんなことをするはずないと信じて、なんとか反論の材料を探して口にする。だが、

「動機? それを言うのならば、アルマ=カルマの動機も未だ不明瞭ですが…………しかしそう難しいことではないでしょう。アルマ=カルマは三百年間己を閉じ込めた国への復讐。そしてクロード・ルルーに関しても似たようなものだ」

 落ちこぼれ。

 そんなクロードが良く聞く言葉がジャン・ジャックの口から吐き出された。

「《世界から見放された者》。彼はそんな不名誉な称号を持っている。優秀な姉とあまりにも落ちこぼれた自分との実力差に苦しみ、周囲の学生も、教壇に立つ教師からさえも煙たがられ、馬鹿にされてきたと聞きます。そのこと自体は非常に許しがたいことだ。だからこそ、彼はアルマ=カルマを手に入れて〝いい気になった〟はずです」

 いい気になった。調子に乗った。力を手に入れたことを喜んだ。そんな気持ちが、自身の中に生まれなかったはずがないと、クロードもわかっていた。確かに自分はアルマ=カルマの契約者になって、喜んでいたはずだ。決して見ないようにしていた。意識しないようにしていた。だが今となってようやくわかる。自分は彼女と契約を交わした時、震えるような喜びを感じていたはずだ。それと同時に、乾くような渇望もだ。

 その醜い感情を言い当てられ、クロードは内心で酷く狼狽した。

「そして彼は考えた。アルマ=カルマと同じく復讐を。アルマ=カルマと比べてしまえば小さな理由だが、しかし目的は一致している。彼らは同盟し、この国を滅ぼそうとしている!」

「馬鹿なことを……」

 馬鹿なことを、とモネは呟く。絞り出すようなその声は次の瞬間円卓を揺るがす大音量へと変わった。

「あなたが一体何を知っている! クロの、わたくしの弟がどれほどの思いで騎士を目指してきたのか……それを今更、無に帰すことなどするはずがありませんわ! それを、それをよくも」

 侮辱したな、とモネが激昂を見せるよりも前。今にも爆発しそうな彼女の気配を察したのか、リリィが少しだけ、張るような声で語った。

「ちょっと待ちな。モネ、あんたもだよ。まずは落ち着くんだ。怒ったところで、あんたの弟は救えない」

「な、あなただって!」

 あなただって、クロを疑っていたんでしょう?

 モネはそう続けるつもりだったのだろう。クロードにはそれが手に取るようにわかった。だがすんでのところでモネはその言葉を飲み込む。リリィの言うことが、正しいのだと気付いたのだろう。気持ちの所在はどうであれ、叫ぶだけでは状況は変わらない。

「副隊長さん。確かにあんたの言う通り、状況はクロ坊が共犯だと告げている。でもあたしも王様と同じ意見だ。ちょいとばかし急ぎ過ぎだ。何より今のあんたはモネほどじゃないが冷静には見えないさ。まずは落ち着きなよ」

 リリィのどこかおどけるような言い方が気に食わなかったのか、ジャン・ジャックは彼女へ鋭い視線を向ける。

「海賊風情が、黙っていろ!」

「ありゃりゃ、こいつは聞く耳なさそうだねぇ」

 苦笑するリリィ。彼女に続いて、兵士団長が声をあげる。

「クロード・ルルーがアルマ=カルマと共犯関係にあることは、私としても推したい可能性ですな。しかし性急に過ぎるという王の意見も尤もでしょう。まずは拘束して尋問というのが、定石ではないですかな」

「しかしその間も、民草は避難を余儀なくされ、浮遊城は空に居座り続ける。あれが存在する時間が長ければ長いほど、他国に与える影響も強くなる。事は一刻を争うのです!」

 その時だ。モネが何かに気づいたかのように「あっ」と短く言葉を作った。視線が集まることも気にせず、彼女は小さく呟いた。

「そうだ。これなら、クロの無実を証明できる」

 クロードには直感的に彼女が何を言おうとしているのか理解できた。だが、

 それは駄目だ。それだけじゃあ、駄目なんだ姉さん。

 そんなことはクロードが最初に気づいたことだった。

「ジャン・ジャックさん。わたくしの弟はオルタナの反逆とは無関係です」

「……そう、断言できるだけの証拠があるというのですか?」

「ええ、勿論」

 得意げに頷くモネは語った。

「わたくしもクロも知っています。そして、きっと国王様も。アルマ=カルマが契約者の意志によって術式の発動権限を得られるのはアルマ=カルマと契約者との距離が五メートル以内の時だけですのよ。それ以上離れてしまえば、アルマ=カルマにも契約者にも術式発動の術は名失われる。オルタナが魔術を行使した時間、クロはわたくしと一緒にオーランド城の前門の前にいたはずです。当時そこにいた警備のものに聞けば確証も取れるでしょう。城の外から、獅子王の間まで、どう考えても五メートル以上はあるはずですわ」

 それはまさしく、クロードの無実の証明に他ならなかった。クロードがオルタナの協力者であることを疑っていた者たちは軒並み反応を変え、再び先程までの困惑を表情に浮かべた。

 ただ一人、ジャン・ジャックを除いては。

 狼狽する円卓の中、彼だけはまだ確たる覚悟を持ってクロードを睨みつけていた。

「それでも、私はクロード・ルルーを処刑する意義はあると思っています」

「何故ですの!? クロが共犯者でなければ、そんな必要は……」

「そうすることで、全てが解決するからですよ」

 クロード・ルルーの共犯者疑惑など、ジャン・ジャックがやろうとしていることのための理由作りにしか過ぎないのだ。彼の目的は最初から一つだけ。だからクロードは自らの疑惑を取り払う方法を見つけても口にはしなかった。

 その言葉は逆に自分自身――――クロード自身を追い詰める結果につながりかねなかったのだ。

「三百年前、かの英雄はどうやってあの黄金の城を打ち破ってみせたのでしょうか」

 語りかけるようなジャン・ジャックの口調に誰もが耳を傾ける。

「例え英雄であろうと、城そのものを破壊することはできなかった。あの巨大な城はそんな次元をとうに超えている。ならば、どうしたのか。悩むことはないでしょう。歴史がそれを証明している」

「それがどうして、私の弟を殺す意義に繋がるというんですの!?」

 いや、繋がってしまう。クロードは心の中で呟く。

 歴史は確かに、クロードの死が全ての解決に繋がることを証明していたのだ。

「英雄は城主を殺した。その結果、城は崩壊し、その姿を消した。アルマ=カルマは契約者がいなければ自らの術式を発動できない。ならばアルマ=カルマの現在の契約者であるクロード・ルルーが死ねば、我が国を脅かす浮遊城も消えてなくなるということ! 勿論、竜の軍勢も一緒にです!」

 ジャン=ジャックの言うことは正しい。その証拠にモネは何も言い返せずに黙ってしまった。彼の言うとおり、クロードが死ぬことで、わざわざ兵を割いて浮遊城へ行かなくとも全てが解決するのだ。浮遊城は竜の軍勢とともに消えさる。魔法が使えない限り、オルタナはただの少女でしかないのだ。契約者を失って、力を使えなくなった彼女を騎士団はあとでゆっくり捕まえればいい。そして何よりも、今この場でクロード・ルルーを処刑することは簡単なことだった。

 クロードがいくら抵抗しても、騎士団隊長たちに敵うはずがない。今、この場にいる戦力の全てがこちらへ向けば、そもそも抵抗などする前に殺されるだろう。逃げる暇さえ、ないはずだ。

 死は確実な速度を持って、クロードへと近づいてきていた。目前へと迫ろうとする死を回避するために、クロードは最大限の速度を持って思考する。ジャン・ジャックの言い分は殆ど完璧だ。この場の全員がすぐに賛同してしまいかねないほどに。それだけの説得力を持った言葉を覆すだけの何かを探さなければならない。そうしなければ、自分はきっと死んでしまう。こちらを見つめるジャン・ジャックの瞳は、明確な敵意を殺意へと変えている。

 ――――だというのに、どうして僕は……。

 クロードは両手で頭を抱えて俯く。その行動はしかし、諦めたわけでも絶望したわけでもない。ただ、自分の頭の中にある〝消えない何か〟の存在を知ってしまったのだ。

 ――――どうして、僕は彼女のことばかり考えているんだ!

 思考するクロードの頭の隅に浮かぶのは色だった。それはあの金の色。彼女と初めて会った時。オルタナと初めて会った朝、真っ先に視界に飛び込んだ色。そのまま、目を奪われた色。そして今になってまだ、頭の中から決して消えてくれない色だった。

 あの鮮やかな黄金の色がクロードの頭の中でちらついて、その度に集中は散漫となり自分のための思考は速度を得ない。

 考えろ。生きるための選択肢をだ。そうしなければ、お前は死んでしまうんだぞ!?

 自らに言い聞かせるように心は叫ぶ。だがその内にそんな意識すら、きらめく色に塗りつぶされていく。空に鎮座するあの城に彼女がいる。それを意識した時から、クロードの頭は侵されていたのだ。自分ですら気づけない、自分の気持ちに。

「国王様! 処刑の許可をいただきたい……。この男、罪人クロード・ルルーの処刑の許可を!」

 黄金に染まった意識の中で、ジャン・ジャックがクロードの処刑を急ぐように叫ぶ。その声も今のクロードには遠い出来事のようにしか感じれなかった。

「しかしそうなると、まずは十三番隊隊長をかりだす必要がありますでしょう。今この状態でこれ以上もめごとを増やすのは……」

「必要ありません。国のためならば、死刑執行人の役など私が名乗り出ましょう」

 あくまでも穏便な様子の声は兵士団長のものだ。ジャン・ジャックは彼の言葉に強い声で返す。だがそこに王が静かな低い声で言葉を挟んだ。

「駄目だ。ジャック、そいつは許可できない。死刑の執行は十三番隊隊長の役目だ。それをお前が代わりになるってのは明らかな規律違反だ。それに何より、さっきも言ったが性急に過ぎる。命には価値がある。軽々しくは扱えない」

「この非常時に規律を守っている場合ですか!? それに、私は彼の命を軽く見ているわけではないのです!」

「ならどうして、そんな簡単に殺すなどと言えるんですの!?」

 ジャン・ジャックとモネの怒声に円卓は混沌さを増す。モネはしばらく、何か言い訳めいたことを叫んでいたが誰一人その言葉に正当性を見出すことができなかった。ジャン・ジャックは冷たくそれをあしらうと、今度は怖いくらいに落ち着いた声で再び王へと向き直る。

「国王様、私は国の忠臣であります。副隊長の身でありながら、王都の守護を一身に任され、この円卓の場に招かれることを誇りに思わなかった日はありません…………しかし、だからこそ憂うのです。王よ、あなたは甘すぎる。その甘さは決して国を守らない」

「仕えるべき王に向かって、なんてことを……!」

 モネの言葉を歯牙にもかけず、彼は続けた。

「あなたに誓ったこの忠誠は本物です。それだけはどうか信じていただきたい。だが、私には私の正義があり、忠義がある! 王都を……国を守るために剣を振るうべきは今この時だ!」

 言って、ジャン・ジャックはクロードを見た。その視線にはもはや殺意すらない。ただ確かな覚悟だけが彼の瞳を強いものとしている。乖離していく意識の中でも、クロードははっきりとした寒気を背中に感じた。

「我が王よ! これが私の忠義です! 私は例え反逆者になり下がろうと、私の正義を貫き通す!」

 そして円卓に一瞬の風が吹く。最初にクロードが目にしたのはジャン・ジャックが円卓の上に乗り、そのままクロードの眼の前へと駆けてきた動き。そしてその動きと連動するように彼の腕は腰の刺突剣を抜き、罪人を刺し殺さんとクロードへと切っ先を突き立てた。だが、次の瞬間、クロードの視界は黒色に埋め尽くされる。目をつむったわけでもまばたきをしたわけでもなかった。そんな暇がないほどにジャン・ジャックの動きは素早かったし、〝彼〟もまたその動きへとついて行ったのだから。

 クロードの視界を埋め尽くした黒は執事服だった。王の後ろで言葉も交わさずに控えていた初老の執事。まさに老兵と思しき力強い雰囲気と社交界に現れる紳士のようなすました雰囲気。二つの異なった空気を併せ持つ不思議な男は目にもとまらぬスピードで駆け抜けたはずのジャン・ジャックの疾走に割り込んだのだ。そして、クロードの眼の前に執事が現れたのとほぼ同時、会議室中に空気を震わす波が響いた。

 一瞬の衝撃はクロードの意識をなんとか思考のできるレベルにまで引きもどした。驚愕を顔に浮かべなら、クロードは咄嗟に身を引いて状況を確認する。そして確認した状況に再び驚愕。円卓の上ではジャン・ジャックの刺突剣を執事が右のたった二本の指で受け止めていたのだ。

 未だ、ジャン・ジャックは剣に力を込めているのだろう。それとも、剣を引こうと引っ張っているのか。いずれにせよ苦悶を浮かべながら腕を震わす彼とは対照的に執事は変わらぬ表情で体も全く動かす様子はない。ただ静かな声で告げるのだ。

「ジャン・ジャック様、どうかお納めください。王の御前ですぞ」

「……バトラー執事長。どうか、通していただきたい。これは国のため、王のためでもあるのです」

「しかし、私は執事ですからな」

 その言葉は何よりの拒絶だったのだろう。それ以上、ジャン・ジャックも何か言葉を続けようとはしなかった。

「待て!」

 そして、円卓に響くのは国王アルフレッドの必死の叫び。クロードはてっきりそれがジャン・ジャックに向けられたものだと思ったのだが、しかし違った。アルフレッドの眼は別の方向を見ていたのだ。

「大丈夫だから――――――落ち着け、モネ!」

 瞬間、クロードはようやく気付く。その場の視線がジャン・ジャックでもなく、モネに集まっていることに。本能的に、経験的に何かを察したクロードは急いで姉のいた隣へと目を向けた。

 モネは床に這いつくばっていた。王国最強の騎士が、その美しき銀髪を扇状に床に垂らして伏している。彼女の上に覆いかぶさる人影。それは執事と同じく王の後ろに待機していた眼鏡のメイドだった。彼女の手足にはそれぞれ魔法陣が浮かんでおり、術式的な力でモネを抑え込んでいることがすぐにわかった。

「大丈夫だ! お前の弟は無事だ。だから、まずは落ち着け……モネ!」

 王は叫ぶ。大丈夫だから、と必死に。その行動も当たり前だった。倒れ伏したモネ。しかし彼女の周囲にはいくつものルーンの発行体が浮遊していたのだ。その大きさや色の濃度は、誰がどう見てもモネにしか生み出せない優れた発行体だった。一言術式を呟けば、その瞬間に魔法が発動する。モネの状態はそんな寸前だった。

 そう、何より驚くべきは眼鏡のメイドが執事がジャン・ジャックに対してそうしたように、力や技術でモネを押さえつけるのではなく、魔法を使ったこと。咄嗟の判断でも、そうしなければ危険だったからに違いない。それはモネ自身の視線が語っていることでもある。

 彼女の視線はまっすぐに、ジャン・ジャックがクロードへと突き立てようとしていた刺突剣の切っ先を見ていたのだ。ただその一点だけを彼女は凝視している。感情を、感じさせない瞳で。

 クロードと同じく、遅れてモネの様子を見たジャン・ジャックは少しだけ顔を青くした様子で剣を納めた。執事は剣を捕まえていた右手を後ろに回すと、演技がかった咳払いを一つして一言告げる。

「ジャン・ジャック様。机の上に乗るのは、マナー違反ですぞ」

 毒気を抜かれた。というより、血の気の引いた顔でジャン・ジャックは大人しく机を降りた。執事も気付けば机の上にはおらず、王の後ろで待機している。

 そうして、ようやく、モネはルーンの収集をやめた。彼女の周りを漂っていた発行体が徐々にその色を薄め数を減らしていく。完全に発行体が消えきったところで、メイドは息を吐きながらモネの上からどく。彼女の手足の魔法陣もそれと同時に姿を消した。モネは体を起こし、立ち上がろうとしたが、体の力が抜けてしまっているのかそれができず、床に腰を下ろしたまま自分の体を弱々しく抱きしめた。

「申し訳ありませんわ……体が、思わず」

 その声は小さく震えていた。まるで、自分がしようとしていたことに怯えているかのようだった。そして実際、そうだったのだろう。殆ど反射的に、彼女はこの場で本気の魔法を放とうとしたのだ。彼女の魔法の威力を知るものからすれば、それは冗談ではすまない話だろう。

「いや、いい。大丈夫だ」

 だが王は先程からと同じように、大丈夫だと繰り返した。

「危なかったのも事実だが、最後にお前を律したのはお前自身だ。そこを責めるつもりはないぜ」

 アルフレッドはそれだけ言うと、モネから視線をジャン・ジャックに移す。

「なあ、ジャン。これでもまだ、お前はクロードを殺すべきだと言うのか?」

 その声に怒りはない。ただ純粋な事実だけを告げていた。

「クロードを殺せば、俺様の国の最強の力が敵に回る。下手打てばここにいる全員が殺されたっておかしくはないんだぜ」

 アルフレッドの言葉にモネは何も言わない。まるで逃げるように視線を伏せるだけのその反応は、この場合肯定に他ならないだろう。

 もしも自分が死んでいたら、姉さんはどうしただろうか。

 そのことを考えて、確かにアルフレッドの言った通りの光景が目に浮かんだ。さっきまで床に伏していたモネの視線や行動が、それを連想させたのだ。彼女は本気だった。

 ジャン・ジャックもわかっていた。自分の剣に向けられていた彼女の視線の、その意味を。アルフレッドの言葉にジャン・ジャックは強く返すことはなかった。おさめた剣の鞘を強く握りしめ、絞り出すような声で呟く。

「なら、我々は一体どうやって、この国を守ればよいのですか……誰もが目にしたはずだ! あの城の力を! そして理解したはずだ! あの城には勝てないということを」

 目の前で見たのだと、ジャン・ジャックは言った。その姿に先程までの勢いはなく、まるで憔悴してしまっている。突きつけられた恐怖を思い出したかのように。

「私は、どうすればよいのですか…………」

 どうすればいいか。それはクロードが考えていることと同じだ。どうしたらいい。何をしたらいい。そんな漠然とした指標すら定まっていないこの状況で、クロードは必死に答えを掴もうとした。

 そうだ。考えろ。何かが、おかしいんだ。ずっと頭に引っかかっている。どうしてこんなに、繋がらない。

 一連の出来事であるはずの今朝からの動き。それが一つの流れとして、クロードの中では繋がってくれていなかった。それらは未だまとまらないパーツのようにふわふわと漂うだけで、一つ一つが独立してしまっている。

 ああ、またあの色がちらついてしまう。

 この期に及んで、まだ危機感の足りない自分の心に、いい加減嫌気がさしてきた。その時だ。

「方法は、ありますわ」

 モネが立ち上がる。自分の体を弱々しく抱きしめていたその両腕は、今はだらりと下げられ、力が入っているともいないともいえない姿勢で、彼女は円卓の中心へと視線を落としていた。

 方法なら、ある。

 その言葉は確か、ほんの少し前に彼女自身の口から語られたことでもあった。

「それは先程の、打つ手はないわけじゃない、というあなたの言葉の続きと考えてよろしいのですな?」

 不意の言葉に真っ先に反応を返したのはネルバだった。背中の曲がった老婆のしゃがれた声は、しかし確かな響きを持って耳に届く。

「わしとしてはのう、はなからジャン・ジャックの提案には反対でありましたよ。クロード・ルルーの立場は罪人ではなく、あくまで巻き込まれただけの一般人だというのがわしの見解です。当然、彼の行動にはアルマ=カルマを秘匿してしたわしら王政府の責任もある。なにより、国を代表する騎士の弟を処刑するなど、それこそ大問題。民衆の反感は、今日の浮遊城騒ぎも相まって暴動へ発展してもおかしくはないでしょう」

 ですから、とネルバはそこでいったん言葉を区切り、静かに息を吸いこんでから続けた。

「ですから、わしはずっと気になっていましたよ。モネ、あなたの手はあるという言葉。王国最強騎士の言う方法とやら、どうかこの老臣に聞かせてはもらえぬか」

 モネは頷き、ただ静かに口にした。

「オルタナを殺します」

 その短い言葉に円卓の面々が返した反応は様々だった。誰もが驚愕や、ポカンとした呆れ顔のようなものを見せる。それもそのはずだ。今ここで、円卓で語られていたことは竜の軍勢の対処法や、事態をどう収拾するかという、いわばオルタナのもとへたどり着くための議論だった。あの黄金の城に、いかにしてたどり着くか、それこそが議題であったはずだ。モネの口にしたことは、その答えの先に行ってしまっている。

 リリィが一足先に驚愕から持ち直し、同時に失笑のような表情を浮かべた。

「おいおい、モネ。あんた、ほんとに大丈夫か? クロ坊殺されそうになって、ちょっとおかしくなっちまったんじゃないの? アルマ=カルマを……そのオルタナって子をどうするにしたって、まずは浮遊城にたどり着かなきゃいけない。あの竜には勝てないって、さっきあんた自分で言ったじゃないか」

 遠慮のない言葉を発するリリィ。しかしクロードの意識は彼女の言葉には向けられない。

 どうして、姉さんが。

 生まれたのは新たな疑問。どうしてモネが、オルタナを殺すなどと言えるのか。それがクロードには理解できなかった。

 だって、二人は……。

「勝てはしませんわ。しかしこの場合、勝つ必要などないのですわ。わたくしたちはただ、オルタナのもとへたどり着けばいい。そのために必要なのは竜の軍勢の殲滅ではなく突破…………わたくしなら、それが可能だと言っていますの」

 そうしてモネは宣言する。どこか、感情を押さえつけたような声で。

「わたくしから提案させていただくのは、超少数精鋭による浮遊城への突破作戦。竜の軍勢と言う壁を突き破り、浮遊城へと侵入し、オルタナを打つ。ただそれだけの、非常にシンプルな作戦ですわ」

 モネの声はクロードの思考に割り込むように響いた。

「できるのか」

 神妙な面持ちでアルフレッドは呟く。モネは迷いなく小さな頷きを返してから、作戦のさらなる詳細を告げた。

「この作戦の参加者は二人だけですわ。まずはわたくしと、そしてリリィ。あなたですわよ」

「は? あたし? そいつはまたどうしてだい」

「竜は我々人間以上の高次生命体ですの。それに対抗するとなれば、隊長格以上の実力者でなければ」

「確かにあたしは隊長だな」

 そう言ってから、リリィはアルフレッドの方へ視線を向ける。正確にはアルフレッドの後に控える二人の人物へ注視した。

「そこのメイドの姉ちゃんと、執事のおっさんも、あたしと同じ騎士団隊長だろ? それなのにどうして、あたしが選ばれたんだ?」

 言って、すぐにリリィは頭をかきながら付け足した。

「いや、別に怖気付いているわけじゃねぇぞ? あたしだって隊長のはしくれだ。海賊風情だが、隊長としての責任とか、覚悟とか、そういうのは理解できているつもりだ。あたししかいねぇんなら、あたしがやる。だけど理由が知りたいね。あたしが選ばれた理由をさ」

「そこは本当に単純な話ですわ。ここにいる隊長格のなかで、わたくし以外に自由に空を飛ぶ術を持っているのはあなたしかいませんもの」

 言われ、リリィは合点がいったかのように手を合わせた。

「ああ、なるほど。確かに単純だ。空を飛ぶ竜を相手にするにはこっちも空を飛べねぇとってことかい。自分から足場を作って行動を制限しちまったらどうなるかは、立証済みだったな」

 それだけ言って、それ以上のことはリリィは口にしなかった。どうやら本当に自分が選ばれた理由を知りたいだけだったらしい。モネはそんな彼女の性格をわかっていたのか、別段不思議がることもなかった。

「あいや、少しよろしいかな」

 そう手を挙げるのは兵士団長だ。

「単純な疑問なのですが。アルマ=カルマを殺すために青騎士殿は浮遊城に潜入するのですかな? もし、そうだというのなら、アルマ=カルマはあの浮遊城の中にいることになる」

「ええ、その通りですわ。オルタナはあの城の中にいるはずですの」

「そう言えるだけの、根拠は?」

「わたくしはオルタナと契約したクロードと戦いました。その戦いの中で、何度かアルマ=カルマの術式発動を目にしましたが、いずれの時も彼女は人型を保ったままでした」

 アルマ=カルマは人型術式である。そして、その術式は人の形をしているからこそ意味がある。

「彼女たちが人であること、その事実そのものがあの浮遊城を作り出している術式に組み込まれているはずですの。それこそが人型術式。人の形をしていなければ、なしえない神秘。逆にいえば、あの城が健在である以上、オルタナもまた人の形をしてあそこにいるはずですわ」

「城の外にいる可能性は?」

「極めて低い、と思われますわ。あれだけ巨大な魔法を外からコントロールするのは至難ですの。むしろ彼女は術式の中枢、城の中心部にいると思ってよいかと」

 ふむ、と兵士団長を頬に手を当てて一瞬だけ目を伏せる。

「アルマ=カルマが城の内部にいる。そしてその殺害、つまり人型の破壊こそが術式そのもの破壊となり、浮遊城を落とせると…………ならば、青騎士殿の作戦は確かに正鵠を射ていますな。成功すれば、の話ですが」

 成功させます、と兵士団長だけでなく円卓の全員に宣言するようにモネは言った。

「必ず、この国を守ると誓いますわ。ですから、我が王よ。すぐにでも許可を」

「…………だが、オルタナは――――」

「ええ、彼女は三百年もの間、オードランが隠し続けてきた神秘そのものですわ」

 何かを言い淀むアルフレッドの言葉を先回りするように、オルタナは言った。

「ですが、もうこれ以上彼女を抱え込むことで、この国に利益があるんですの?」

 モネの声は冷たく、どうしてかクロードはそれを聞くことに耐えられそうもなかった。しかし耳をふさぐわけにもいかず、彼女の言葉は音となってクロードを刺激する。

「この三百年。多くの研究者が、魔法使いが、彼女の体をいじくりまわし、天才魔法師ファウストの作り上げた至高の術式の秘密を探ろうとしてきましたわ。その結果わかったことは、天才の術式を凡人が理解することはできないという事実だけ。人型術式の構成やその仕組みについて、理解できたものはいませんでしたわ。以降、彼女はただ隠され、守られるだけの存在となった」

「だが、彼女にはまだ武力という使い道が……!」

「この三百年の間に、最もオルタナを上手く使えたのがクロードですわ。でも、クロードが外部から好きなだけルーン供給を受けられる状況になったとしても、わたくしの方が強い」

 王国最強の騎士の、身も蓋もない物言いに、アルフレッドは口を閉ざしてしまう。

 一国の王に対して、モネの態度は不遜ともいえるものだったが、それを咎める者はいなかった。彼女の言い分が正しかったからだ。そしてその正しさを証明するだけの力が彼女にはあった。だから、彼女にそれ以上意見するものはいなかった。王でさえも、口を閉ざしたのだから。

「約束しましょう。王国騎士として、今以上の活躍を。オルタナが紡ぐはずだったわずかな活躍すらも凌駕する働きを。…………ですから、どうか命令を。わたくしに、オルタナを殺してこいと、そう言ってください」

「…………」

 アルフレッドは何か思い悩むような表情を一瞬だけ見せたが、すぐにそれを隠すように俯いた。そしてしばらくの沈黙のあと、普段と変わらぬ調子で口を開く。

「そう、だな。お前がそう言うんなら、それで鎌わねぇよ。それでこの国の危機が脱せるのなら、俺様は一向に構わねぇぜ」

 深く、息を吐き出す。そしてその次の言葉を発しようと、したまさにその時だ。

「駄目だ……」

 円卓にアルフレッドのものではない、別の声がした。それは特別大きな声というわけではなかったが、全員が王の判決を見守っていたため、思ったよりも部屋の中では大きく響いたのだ。

 そして、その声が自分のものであるということにクロードは数瞬遅れて気付く。

 まるで意識していない自分の行動に驚きながらも、言葉は濁流のようにクロードの口から流れ出る。それはもはや、本人の意思すら関係なく。

「そんなの駄目だよ、姉さん!」

 大きな声だと、クロードはどこか他人事のようにそう思った。怯えるように無様に震えてはいるが、静寂ともいえるこの空気の中で発するには大きすぎるほどの声だった。

 体に妙に力が入っている。

 これが強張っているということなのだろうか。

「オルタナを殺すのは駄目だ……」

「――――」

 モネはゆっくりとした動作で、クロードの方へ視線を向けた。

「どうして? どうして、オルタナを殺してはいけないんですの?」

 モネの視線は冷たく、感情の冷えた目をしていた。その温度にますます震えながらも、しかし射とめられたようにクロードは重なった視線を動かすことができない。なんとか、絞り出すように声だけは発した。

「それは……オルタナは、ファウストの遺産だ。あの天才が残した神秘、なんだろ? それを殺してしまうのは…………」

「勿体ない、とでも? だけど、その問題の答えはちょうど今、わたくしが語ったはずですわ」

 ああ、そうだ。わかっている。だから、僕が言いたいのはそういうことじゃなくて……。

「姉さんは、それでいいの? オルタナを殺しても大丈夫なの?」

 少しだけ、ほんの少しだけモネの表情に変化が現れたような気が、クロードにはした。しかしその変化もすぐに無表情の後ろ側に隠されてしまい、それがなんなのかまではわからなかった。

「いい、とは? わたくしは国家の敵に対して、殺すことを躊躇うようなことはありませんの。ましてや彼女は王都を、国そのものを脅かしている。到底、許せるはずが……」

「そうじゃない!」

 また、思っていたよりも大きな声が出てしまった。しかしどんなに意識しようと、それを止めることはできなかった。殆ど感情的に、クロードは叫んだ。

「姉さんと、オルタナは友達だったんじゃないの!?」

「…………まさか、そんな」

「オルタナは言っていたよ。姉さんはよく、オルタナと話をしに来ていたって。用もないのに、ふらっと現れてはいろんな話をしたんだって。それにオルタナと話しているときの姉さんはなんだか、力が抜けていたよ」

 肩の力が抜けていた。いつも張り詰めているような騎士としての恰好が、家にいるときのようにオルタナの前では少しだけはがれてしまっていた。それは肉親だからこそわかる、明確な変化だった。

「それなのに、オルタナを殺すだなんて……それで姉さんはいいの!?」

 円卓が静まりかえる。モネは少しだけ黙った。しかし黙った状態でもクロードから視線を外すことはなく、すぐに返答を口にした。

「いいも悪いも、ありませんわ。彼女はオードランの敵となった。ならば、騎士であるわたくしは彼女を斬る。ただそれだけのことですの」

 それだけだと、モネは繰り返した。自分の姉が聞く耳を持たないことがわかると、クロードの中にくすぶっていた焦りははっきりとした炎になって心の内で爆発する。噴き出る嫌な汗をぬぐうこともせず、クロードは円卓に向かって叫んだ。

「でも、だって……こんなのおかしいじゃないですか! 散々話し合った結果が、彼女を殺せばいいだなんて、おかしい、ですよ。だって、だってあの子は…………三百年ですよ? 三百年も、この城に閉じ込められて、それで言うことをきかなくなったら用済みだって殺すなんて。それは酷いことでしょう!? 違うんですか!」

 口からあふれだすのは、まとまらない、感情任せのつたない言葉。感情を震わせながら、しかしどこか冷静な頭の中では自分がいかに滑稽なことをしているのか理解していた。誰もがクロードに冷ややかな視線を浴びせている。自分でも、馬鹿みたいだと思った。円卓の中に紛れ込んだ子供が、一体何を叫んでいるのかと。

 クロードと殆ど変らぬ子供であるはずのモネはこの国の中では王国を代表する騎士だった。それが証拠に彼女はほかの大人たちと同じように、いやそれ以上に一層冷ややかな……怒りすらも感じさせる視線でクロードを見つめていた。

「黙りなさい。クロード。ここは子供が駄々をこねていい場所ではないんですのよ」

「だけど、だけどさぁ!」

 なおも叫ぶクロードにモネの視線は怒りを通り越した。その先に待っていたのは呆れ。相手を自分よりも下だと確信したときに人が見せる目だった。クロードが、何度も見せられてきた目だ。

 モネに、自分の姉にそんな目を向けられたことが悲しくて、悔しくて。クロードはまた自分の中で何かが爆発するのを感じながら、無意識のままに叫ぶ。

「だって、こんなの姉さんだって嫌なはずじゃないか!」

 その時だ。モネが被っていた、騎士の仮面がはがれおちた。そこから見えたのはむき出しの感情。怒りを通り越し、呆れすらはがれおちた場所にあったのは何ともつかぬ激情だった。

「クロにはわかりませんわ…………彼女の気持ちも、わたくしのことも、何も知らない癖に! 知った風な口をきかないで!」

 激情のままに叫ぶ彼女の姿は、クロード以上に駄々をこねる子供ようだった。

「ここは円卓の間! 国に忠誠を誓う者たちの集う場! 覚悟も、力もないあなたがここにいる資格はありません!」

 瞬間、モネの周囲に発行体が出現する。魔法発動の徴候。いや、モネのスピードならば、すでに準備は整ったと言えるだろう。

「出て行きなさい。あなたは所詮、騎士ではないのですから」

 最後の言葉だけは囁くような響きだった。それを知覚した瞬間、クロードは自分の体が何かとんでもない力に引っ張られるように後方へ吹き飛ぶのを感じた。抵抗するすべも、その時間すらなく。クロードは自分がモネの魔法によって吹き飛ばされたのだということを理解すると同時に会議室の壁へと激突。壁を砕き、さらにその後ろの窓を割っても勢いは止まらず。そのまま誰もいなくなった王都へと飛んで行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ