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ラスト・コンチェルト  作者: 樹 鈴
プロローグ
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プロローグ

2010年 首都圏近郊・三原市



夏の始まったある日の夕方、俺・・・河野義之は小学校で知り合った友達を遊んで家に帰るところだった。


高慢ちきだけど友達思いな城戸春樹きど はるき、元気で明るい小牧みなせ、物静かで勉強ができる天枷灯華あまかさとうか


俺たちはいつも一緒だった、何をするのにも。


その日も俺たちは学校が終わった後に学校の近くの公園で遊んで帰るところだった。


いつもと変らない、そのはずだったけど・・・俺たちは何の前触れもなくハルファスに襲われた。


実体を持ったこの世界の生き物じゃない怪物、ニュースでよく出てきて人を殺したり建物を壊したりする。


俺たちの日常に潜む「災害」に遭っちゃったんだ。


赤い三つの目の大きな熊みたいな怪物が突然俺たちの目の前に現れたんだ。


突然のことだったけど、俺はみなせと灯華を引っ張って元来た道を走って逃げた。


春樹も俺たちの後を追って逃げた、角を曲がったりしてなんとか逃げようとしたけどどんどん追いつかれて・・・


ハルファスの手が俺たちを掴もうと伸びてきて、捕まえ損ねて地面に殴りかかる体勢になった。


地面が割れてコンクリートが辺りに飛びそれに足をとられて俺は転んだ。


葵も須美も一緒に転んで、後ろから付いて来ていた春樹が俺たちを起こそうとするけど・・・


ハルファスの拳が俺たちに向かってくる・・・もう駄目だ・・・


そう思った時、俺たちの前に男の人が割り込んで手に持ってた刀でハルファスの攻撃を防御したんだ。


「ごめん、遅くなった。怪我はないか?」


俺たちは目の前の光景にわけがわからなくなって・・・でも怪我はしてなかったからうなづいた。


「良かった、今助ける」


そう言うとその男の人が持ってた刀が黄色く光って・・・


その後のことは覚えてない、気が付くと病院に入院してた。


後で聞いた話なんだけどあの時助けてくれた男の人は「討伐員」というハルファス退治の専門家だった。


退院した後、俺はあの男の人みたいにハルファスからみんなを守りたいって思った。




だから俺は討伐員になろうと決めた。







中世から存在していた秘術、魔法。


魔力を糧に儀式を行い様々な現象を引き起こす現象のこと。


1990年初頭、地球温暖化等の様々な環境問題が深刻化し、さらに石油燃料の枯渇により人類は滅亡へのカウントダウンを始めていた。


この事態に日本の科学者である朝倉忠則博士はそれまで非主流科学フリンジ・サイエンス、形のない荒唐無稽な科学とされていた魔法、魔術をエネルギーに変換するということに着目した。


研究の末、朝倉博士は魔力エネルギーを生活エネルギーに変える理論、動力機関、発電機関の開発に成功する。


数年で地球の環境問題は改善され、またそれまでの科学では不可能であったことも魔法が加わったことで実現可能な技術が増え地球の科学水準は急速に進化を遂げた。


しかしそれから数年後、世界各地で正体不明の生物に人が襲われるという事件が頻発する。


不可視で物理的な攻撃の効かない異形の生命体群・・・


人間をただ残虐に殺す「それ」はソロモン72柱に登場する死と破滅の悪魔の名前を取って、"ハルファス"と呼ばれた。


そして、世界的にハルファスに対しての防衛措置が取られ日本では1999年に"魔法防衛関連法案"が可決。


2000年、当時の防衛庁内に「魔法関連防衛対策室」が置かれ日本の対ハルファスの中枢となる。


エネルギー体に近いハルファスには唯一魔法が大きな効果を上げた。


2005年、関東圏にある市川市で朝倉博士が"魔力を使い続けることで世界はハルファスに埋め尽くされる"としてクーデターが勃発、当時高校生だった9人の暫定国定討伐員(当時)により鎮圧され、朝倉博士はクーデターの首謀者として逮捕された。


そして魔力の研究が続けられた結果、ハルファスは魔力の流れを追ってこの世界にやってきた異次元の生命体であるということが判明した。


この研究結果により、世界はさらなるハルファス対策が求められ、日本でもハルファスやそれに付随する異能生命体、通称"魔徒"駆逐を専門とする"討伐員"養成の専門機関が急増した。


2015年、市川市の隣町の三原市にある三原魔導学園、ここに入学した1人の男子高校生を主人公に物語は始まる。


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