表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

第7話

 しばらく歩き、町も目前と言った所で寄生者(ゾンビ)と出くわした。

 だが、2体居る。

 「鉄男と俺で1体ずつ相手しよう。鉄男、一撃で倒したりするなよ」

 「分かってる。様子を見つつ痛めつけて寄生者(ゾンビ)の事を調べればいいんだろう」

 鉄男は左の、俺は右の寄生者(ゾンビ)に近づく。

 まずは近くに落ちていた小枝を拾って半分に折り、寄生者(ゾンビ)の眼球に突き込む。

 少し離れると寄生者(ゾンビ)はこちらに向かってくるが、微妙に方向がずれている。

 音を立てないように背後へ回り込んでみたが寄生者(ゾンビ)は気付いていないようだ。

 寄生者(ゾンビ)を蹴り倒して太腿に鉈を振り下ろすと、大腿動脈を傷つけたらしく赤黒い水溜りが広がっていく。寄生者(ゾンビ)はしばらくもがいていたがやがて動かなくなった。

 鉄男の方はどうかと見てみると、四肢がひしゃげた寄生者(ゾンビ)を絞め殺していた。

 寄生者(ゾンビ)は鉄男に噛み付こうとしていたが、やがて力が抜け、数回喘ぐような声を上げた後糸が切れたように力尽きた。

 「寄生者(ゾンビ)って言っても主に視覚と聴覚で相手の位置を探ってるし、出血多量でも死ぬな。鉄男は何か分かったか?」

 「折れた手足はまともに動かない。窒息死する。見た目以上に力が強い。そんな所だな」

 「力が強いのか」

 「ああ、肘を踏んで折ろうとしたら凄い力で抵抗してきてな。苦労した」

 脳による筋肉のリミッターが外れていたのだろうか。半ば死んでいるような物なんだろうし。

 「悟、寺瓦君。寄生者(ゾンビ)の口から何か……」

 後ろで吐いていた麻由美がいつの間にか復活していた。1体目の寄生者(ゾンビ)を鉄男が叩き割った時平気だったのは驚きが勝っていたのだろうか。

 寄生者(ゾンビ)を見てみると、麻由美の言うとうり口からハリガネムシの様な細長い虫がウネウネと這い出していた。

 「これがEの言っていた寄生虫だろう。たぶんメスだ」

 「何でメスって分かるの?」

 「歯に卵が着いているからだ。噛まれるとこの卵が傷口から体内に入って寄生者(ゾンビ)になるんだろう」

 寄生者(ゾンビ)の目から小枝を引き抜いて口に突っ込み、開けさせると歯にビッシリくっついた卵が良く見えた。麻由美はもう一度吐きに行ったが。

 「麻由美、大丈夫かー」

 「大丈夫じゃない。なんで2人は平気なの?」

 「その辺は今夜にでも話してやるよ」

 麻由美が回復するのを待ってから町に入った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ