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第6話

 学校から町までは歩いて30分ほどだ。周りは田畑ばかりなので見晴らしが良く、危険も少ない。

 だが、麻由美が妙に(あた)りを、と言うよりは背後に有る学校を気にしている。

 「矢野間、どうかしたか?」

 鉄男も麻由美が気になっていたようだ。

 「大した事じゃないんだけど、なんだか学校の皆が気になって」

 学校が危険だから出て行く。それは自分たちだけが安全な場所に行く、とも言い換えられるからな。裏切りとも言える行為に罪悪感を感じているのだろう。

 「あまり気にするなよ。全員死ぬよりは少しでも生き延びた方が良い。そうだろう?」

 「そう、だけど……」

 「全員助けるなんて事は不可能だ。自分たちの身の安全すら(さだ)かで無いんだ。気にするなら近くに寄生者(ゾンビ)が居ないか気にするべきだ。今はそこまで気にする必要は無いが、町に着いたら物陰から急に寄生者(ゾンビ)が! なんて事になりかねないからな」

 一度に色々言い過ぎたがこれからは精神を強く持たないとやっていけないからな。

 「武田、矢野間、どうやらお出ましだ」

 鉄男の視線の先にはいかにも農夫といった格好のお爺さんが居た。それだけなら農作業に精を出すお爺さんなのだが、肩から出血しているのに何もせずにフラフラと辺りを歩き回っているお爺さんは居ないだろう。

 「まだ距離も有るし、こちらにも気付いていないようだ。避けて行く事も出来るが……どうする?」

 確かに寄生者(ゾンビ)はなるべく避けて行きたいが、寄生者(ゾンビ)がどういう物なのか経験しておきたいな。

 「道からそう離れていない場所に居るし、1人、いや1体だけだ。寄生者(ゾンビ)はどうすれば倒せるのかとか知りたい事も有る。倒して行こう」

 「分かった。なら一番強い俺がいこう」

 得物を抜きながら鉄男が答える。

 「寺瓦君、気をつけてね」

 鉄男はゆっくりと寄生者(ゾンビ)に近づいていくと、寄生者(ゾンビ)も鉄男に気付いたようだ。

 寄生者(ゾンビ)が間合いに入るなり鉄男は得物を大上段から振り下ろした。強烈な一撃は寄生者(ゾンビ)の頭に吸い込まれるようにめり込み、頭蓋を叩き割った。

 寄生者(ゾンビ)は膝を突き、倒れ、そのまま動かなくなった。

 「とりあえず頭を潰せば死ぬ。一応生物ではあるらしい。ん? 2人ともどうした」

 「あまりにも躊躇(ちゅうちょ)無く殺るから驚いてんだよ」

 麻由美なんか目を丸くして固まってるぞ。

 「出来れば様子を見つつ戦って情報を集めて欲しかったんだがな」

 「殺せる。それで十分だろう」

 「どのレベルのダメージで死ぬかとかいろいろあるだろ」

 町に着くまでにもう1体見つかる事を期待するしかないか。

 

 

土日は祖父母の家に行って脱穀ともみすり手伝ってきたので更新ギリギリでした。

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