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プロローグ
4作目
私は幼いころから誰よりも頭がよかった。
10歳でハーバード大学を卒業、なんてアニメみたいなことは無かったが、周囲の大人からは天才だの神童だのいわれていた。裏では気味悪がっているのに。
学校では当然のごとくいじめにあったが、誰にも気づかれずにやり返すことくらい造作もなかった。
中学を卒業すると特殊な教育機関に入った。私みたいなやつがたくさんいるらしい。
そこなら私と肩を並べることの出来るやつがいるかもしれないと少し期待していた。
期待、していたのに。
そこにいたのは確かに頭のいい、天才と呼ばれる人間ばかりだった。しかし私から見れば他よりはマシといった程度だった。
退屈な人生に嫌気が差した。
私には生態系を乱し、環境を破壊する人間が無駄な存在に思えた。
だから軍事関連の研究機関を騙してあれを作り――――
世界を、人間を滅ぼすことにした。
次話から本編です。