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第11話

 「――とまぁそんな事があってな。母方の祖父母に引き取られてこっちに来たんだが、大変なのはむしろその後だった。

 心が壊れてて学校に行かせることもままならなかったし、飯もろくに食べないような有様だったから」

 これでもオブラートに包んでいる。最初は本当にただ生きてるだけで、心が完全に止まっていた。

 「小学生が故意では無いにせよ人を、よりによって親を殺してしまったのなら当然なんだろうが……よく立ち直れたな」

 正直自分でもよく立ち直れたと思う。

 「じいちゃんとばあちゃんもよくしてくれたけど、やっぱり麻由美のお(かげ)かな」

 「私の?」

 「ああ、やっぱり同年代の存在は大きかった。あちこち引きずって連れていってくれたのも良い刺激になったんだと思う」

 文字通り引きずって行こうとしたのを見たじいちゃんが大慌てで精神科行く時の車椅子持ってきてたけど。

 「あの家にはたまに遊びに行ってたんだよねー。久しぶりに行ったらなんか半分死んだような子が居てびっくりしたよ」

 「麻由美が居なかったらまだ廃人だったかもしれないし、感謝してるよ」

 「武田の祖父母は助けに行かなくて良いのか?」

 「じいちゃんは小6の時、ばあちゃんは中2の時に死んだよ。遺産とか有ったから金には困らなかったんだが、家事が出来なくて全寮制の学校にした」

 掃除と洗濯は何とかやってたが炊事が全然駄目だった。スーパーの惣菜とかでもいいがやっぱり温かい飯が食べたかった。

 「そろそろ暗くなってきたし、昔話もやめにしよう。ランタンも有るけど電池がもったいない」

 「見張りはどうする?」

 「寄生者(ゾンビ)なら入ってこれないよ。門とドアはしっかり鍵かけたし、階段も塞いである」

 安全な場所を確保出来て気が緩んでいたんだろう。(かす)かな嫌な予感に気付けなかった。

 

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