第8話
黒煙が何本も上がっていたし、寄生者も居たことから町が酷い有様であろうことは予想していたが予想以上だった。
割れていない窓ガラスの方が少ない。道路は乗り捨てられた車が溢れている。賑わっていたはずの大通りは寄生者に埋め尽くされている。たった半日でここまで荒廃したとは信じがたいほどだった。
寄生者に見つからない内に裏路地に入る。普段から人の居ない路地は寄生者も少ないだろう。
「ここから先は鉄男が先頭、俺が殿、間に麻由美で行こう。それと麻由美は寄生者を殺さず足止めに徹してくれ」
「なんで? 3人で戦った方が良いんじゃないの」
「スポーツが得意な普通の女の子に人……じゃあないけど殺しはやらせらんねぇよ」
何時までそんなことを言っていられるか分からないが、いきなり殺しなんかさせたら麻由美は間違いなく壊れる。幼馴染に壊れて欲しくはない。
隊列を組んで辺りを警戒しつつ裏路地を進む。入り組んでいたし行き止まりも多かったからかなり時間はかかったが。
「そろそろ昼時か。どっかで昼飯食って今夜の拠点探しに移った方がいいな」
丁度少し開けた行き止まりに出たので昼飯にした。
菓子パンやクッキーを少し食べてから雨風を防げて安全な場所を探すことにした。
しかし、この辺りは店が大半で民家はもう少し進まないと無い。
なのでもう少しだけ進んで適当な民家を占領することにする。
道路の状態からして無傷の民家も多そうだ。
「だがそのためには寄生者が少なからず居る通りを抜けなければいけないわけで」
「寄生者が8体も居るぞどうする?」
「他に通れそうな場所も無いしね」
何か使えそうな物は無いかと辺りを見回すと欠けたマグカップが目に付いた。
ものは試しとマグカップを離れた所に投げる。
するとうまい具合にマグカップの割れた音につられて寄生者が離れていった。
この隙に通りを抜け、どうにか住宅街までやってくる事が出来た。




