第3部
~シンジsid~
町に入って少ししてからあいつらの内2人が俺をつけてきてる事がわかったが特になにも仕掛けてこないので放置することにする。
「なぁ、ドラゴン。俺達めちゃくちゃ目立ってね?」
ヤバイ、まじでヤバイ。
重要だから2回言った。
具体的に言うと目があった瞬間に即座に目を反らされて、建物の中に急ぎ足で逃げられる位ヤバイ。
原因は、やっぱり俺の服装とドラゴンを連れている事だよな。
このままだと不味いことになりそうだ。
仕方ない、一旦裏路地に入って目立たないように行動しよう・・・
~アナリsid~
あの人はどうやら裏路地に入るようね。
悪役は皆にたような行動をするものね。
フフフ裏路地ならブレイカーの力を使ってもあまり被害もなさそうだし、後ろからいきなり奇襲されたらあの人でも深手を負わせることは出来ると思うのよ。
私達の尾行にも気付いた様子はないし。
オルグ国 特殊討伐部隊の力を見せてあげるわっ!
と、言ってもとりあえずは監視するだけにしとかないとね。
~ムニタsid~
一緒に行動しているアナリが黒いオーラを出しながら笑っている・・・
何か恐ろしいことを考えているんだろう。感情を表に出しすぎている、少し釘を刺しておくか。
「アナリ、あまり不気味な笑いはするな。気付かれてしまう。」
「えぇ、分かってるわ。大丈夫よ」
・・・釘を刺しても意味がなかったか。
仕方ない、気にしないで諦めるか。
~ライsid~
僕は今ガスさんと一緒に市長に説明している最中と、言ってもガスさんだけで僕は隣に立っているだけ。
この市長はイロイロと黒い噂が絶えない人で、市民からも結構嫌われている。
僕達が討伐したドラゴンだって、市長にたいする嫌がらせで操られて暴れていたのだ。
どれくらい嫌われているか分かるってものだ
あ~ぁ、早く説明終わらないかな・・・
~ガスsid~
この狸爺、ドラゴン討伐の依頼の中にあの男の討伐も含むとか抜かしやがって冗談じゃねー!
あのドラゴン討伐だって普通の値段よりも格安で押し付けやがった癖に!!
我慢の限界を超えたために怒鳴りつけようとしたとき窓の外から異様な気配が漂ってきた。
「なん、だ?」
つい声が出てしまった。
狸爺とライが俺に視線を向けてくる
「どうしたんですか。ガスさん」
俺はライの質問に答えなかった。
否、答えられなかった。
「!伏せろっ」
そう言いつつ、狸とライを無理矢理押し倒した。
次の瞬間、ドゴッバリンッドーン!!!と派手な音がして、壁が吹き飛んだ。
ちなみに、ここは3階である。
~シンジsid~
裏路地に入ってから後ろから着いて来ている2人の内、1人の気配が微妙に変わった。
今にも襲いだしたいという感じだ。
巻いた方が良いかもしれないな。一応、ドラゴンを抱えとくか。
身体強化は、ドラゴンにじかに触れていないといけないのかもしれないからな。
何故なら、抱えていたドラゴンを肩に止まらせたら体の力が不意に弱くなった気がするからだ。
あれ?抱えても体に異変はない・・・何でだ?
ドラゴンに訪ねたくても返事は期待出来ないし、後ろのやつらに気付かれるかもしれない。
とりあえず、ここは異世界なんだからイメージでなんとかならないかなぁ
イメージ・・・俺は何者にも傷つけられない。遠くまで見通せる目、小さな音も拾える耳、敵を倒せる力。
おぉ?なんか体に力が湧いてきた。
聴覚も強化されたのか、さっきまで聞こえなかった音が聞こえるようになった。
「・で・・だから・ドラゴン・・・つれ・・・剥製・・・しろ!!」
っ!どこだ。ふざけたことを!
よくは聞き取れなかったが、ドラゴンを剥製にするとか、確実に潰す。
「っざけやがって!吹き飛べ」
声のした辺りを睨みそこが爆発するイメージをした。
ドゴッバリンッドーン!!!
狙った場所は瞬時に爆発した。
後ろの騎士2人は、呆然としていて隠れるのを忘れていた
「今、下らないざれごとをほざいた屑は誰だ?!」
会話の聞こえた部屋まで跳んで中にいたやつらにたずねた。
結構派手に吹き飛ばしたから、部屋の隅には瓦礫の山が・・・・
ヤリスギタカモ アハハハハハやべー。
ガタガタドコッ・・・ガッドーン
ぉ、いきてるっぽいな 良かったぁ。
殺しても良いと思うけど、ドラゴンに嫌われたくないからな
瓦礫の山を見ていると、1人が抜け出てきて他の埋まってる奴を助けようとしていた。
ガサガサ。
「よっと。」
どうやら、3人瓦礫に埋まっていたようだ。
あんなこと言った屑はどれだ・・・ん?
「お前らは、俺の前に現れなきゃ気が済まないのかっ!!」
俺の突然の叫びにその場にいた奴らは固まった。
ただ一人、KYな市長だけは驚愕から喜びの顔になり言ってはいけないことをいった。
「っ!ふ、はははははあーハッハッハッハッ!!おいガス。ドラゴンだ!生け採りにして剥製にしろ。探す手間が省けたわっ」
・・・・・よーし、落ち着け俺。
すーはーすーはー。
よし、大丈夫だ。やつをブチのめそう
「覚悟は良いな?部屋の隅で膝をかかえて発狂する準備はオーケィ?トイレに行く前に漏らす心の準備は?夜中に悪夢をみ続ける用意は?準備万端かぁ。大丈夫だからな?ドラゴンに嫌われたくないからな、精神崩壊するとこまでしかやらないから。」
にこやかな満面の笑みで言った。
「愚かな者に幻想を 見るは一時 憐獄の地獄 死より重き裁き 我が怒りよ 具現せよ」
頭に浮かんだフレーズを口ずさむ。
目線は愚かな市長からはずさない。
すると目の前の市長の周りに黒いオーラのようなものが集まってきた。
騎士達が使ってた蒼いオーラや黄色いオーラと同じ物にだと思われるものを。
「な、んだ。これは、お前いったい何をしたっ!?く、来るな!やめてくれっあ、あぁあ゛ぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ドサッ市長はあまりの恐怖に意識を手放したらしい。
口から泡吹いてるよ。ざまぁ!!
「クキュ~!?」
「大丈夫だって、一応 殺してはないから。そんな奴、殺す価値すらないしさ」
そう、俺がこの異世界に来て口では殺すとか言ってるが本気ではない。
今は、まだ日本で育った現代人な俺は人を殺すことに躊躇いがあるからな。
~ガスsid~
なんでこんなことに。
さっきまで敵対していた相手と何が悲しくて、一緒に飯を食わなければいけないのか。
どうやらこの男は、ドラゴンにさえ、敵意を向けなければこの男は気にも止めないようだ。
現にライとアナリが男に敵意を剥き出しにしていても、ドラゴンと楽しそうに飯を食っている。
「おぃ、お前の名前はなんだ?」
普段から無口なムニタが男に尋ねた。
「知りたいなら先ずは、お前が名乗るのが礼儀だろ?」
「すまない、俺はムニタ。オルグ国 特殊討伐部隊 隠密担t『おいっ』
・・・・なんだ?」
ムニタは何考えてるんだ、まったく。男は特に気にした様子もないな・・・
「何さらっと機密事項を漏らしてんのよっ!」
「そうですよムニタさん。えたいのしれない男に教えて良いわけないじゃないですかっ」
「礼儀に反することは出来ない。俺は名乗った。お前の名前は?」
確に騎士たるもの礼儀に反する事はできないな。
よし。
「俺はやg『先ず俺らから名乗ろう』・・・。」
男が名乗ろうとしたのを遮ったが気にすることはないだろう。
目線で人が殺せるのなら、今この瞬間に俺は目の前の男にコロされているだろう
目から汗が出そうだ・・・・
「俺はガス。オルグ国 特殊討伐部隊の隊長を勤めてる。ほら、お前たちも」
「・・・ガスさんがそう言うなら。僕はライ。オルグ国 特殊討伐部隊所属」
「次は私。オルグ国 特殊討伐部隊所属 名前はアナリ。」
「ムニタにガス、ライ、アナリな。俺は矢神シンジ。でこっちの小さいのが・・・名前は知らん。そもそもチビに名前が付いてるのかすらわからん」
「キュ?きゅぅ」
ドラゴンが異常になついているのは、真名で縛っているからではないのか・・・
~シンジsid~
いつまでもチビって呼んでるのもあれだよなぁ。
「とりあえずチビの名前が分かるまでは透華って呼んでも良いか?」
「クキュ~?」
「透華。純心無垢で華のように咲き誇るって意味なんだが。ダメか?」
チビ、透華は嬉しそうに鳴きながら俺にくっついてきた。
「透華」
「キュ?」
名前を気に入ってくれたようだ。
自然と顔がほころんだ。
~ガスsid~
はぁ、互いに自己紹介したのは良いんだがライはまだシンジを警戒してるし
ムニタは部屋の端の方から無言でシンジを観察
アナリはドラゴンいや透華って名前になったんだっけかに興味津々
って感じだなそこまではまだ分かるんだ、
分かるんだがなぜ俺はシンジにじっと見られなきゃならんのだ
「・・・なんか用があるなら喋れよ。そして俺をあんまりじっと見るな。」
シンジがずっと俺を見ていたからなのか透華も俺に興味をもちはじめてしまったらしい
はぁ。俺は無事に任務を終えて故郷に帰れるのか心配になってきたぜ・・・
~シンジsid~
いやぁ騎士っぽいとは思ってたけど、本物の騎士だったとは・・・
しかもオルグ国特殊討伐部隊とか、なんだよソレwカッケーwww
ライはどうでも良い。
アナリはめちゃ好み。
ムニタは油断したら・・・ヤバそう。
ガスはあれは反則だろ 隊長でガタイ良くて、そこまでならまだ普通だとおもうが顔に傷があるにもかかわらずかっこよく見えるてか、傷があることによってワイルドさが加わり良い感じに。
普通の奴ならそこら辺のチンピラに見られてもおかしくはない。
羨ましいとか思ってないけどなっ!!
む、透華もガスに興味をもったようだ。
よし、ガス『で』遊ぶか。
「透華」
名前を呼んでアイコンタクとをとる。
「きゅぅ」
よーし。意思の疎通は完璧だな!