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「――おっそーい」
教室に戻ると、机の上に座っていた舞ちゃんがすぐに声を上げた。
もうみんな帰ってしまった夕方の教室。橙に染まった色の中で、『四人』はわたしを見て、
「おかえりなさいっ、恋ちゃんっ」と桜ちゃんはわたしに近寄り、
「まったく、遅すぎ! いつまで待たせるの!」と花ちゃんは怒っていて、
「おかえり」と葵ちゃんはそれ以上何も言わず迎えてくれて、
「今日の帰りは、恋のオゴリねー」と舞ちゃんは早速鞄を持ち、机から降りた。
「ごめんね……ただいま」
待ってくれていたみんなに、わたしは嬉しくて笑った。
……笑って、なんだか泣いちゃいそうだった。
「恋ちゃん?」
ぎゅっと抱きついて、見上げて桜ちゃんが不思議そうに呟いた。
そんな桜ちゃんを撫でて、
「なんでもない」
わたしはにこりと微笑む。
「みんな、ありがと」
「いいっていいって。わたし、アイスのダブルがいいなー」
「え?」
「ああ、私、新しいお店知ってる」
「ほんとに! じゃあ、みんなでそこいこう!」
「わたしはトリプルだからね!」
「え? ええ?」
舞ちゃんに肩を叩かれ、桜ちゃんに引っ張られて教室を出て行く。
「あの、わたし鞄……」
「大丈夫、わたしが持ってるから。鞄の中の財布もばっちり」
「舞ちゃん~~」
そのままずるずると廊下を引き摺られていく。
うう……今月のお小遣いが……




