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「ミヤミヤは部活とかどうするの?」
「……みやみや?」
「うん、宮下と和宮だから『ミヤミヤ』」
「だったら、如月と那月で『ツキツキ』?」
「えー、わたしは『ツキ』じゃなくて『ラギ』だよぉ。それに『ツキツキ』ってかわいくない」
「ミヤミヤはかわいいかな……?」
「ミヤミヤはかわいいよぉ」
「ほんと、あんたたちって面白いよね」
「わたしも一緒にしないで」
ホームルーム前のわたしたち。
(部活かぁ)
桜ちゃんの言葉に、わたしは胸の内で呟いた。
入学四日目。新入生歓迎会、「新歓」も終わって教室でもそういう話が増えてきた。もうクラスの半分くらいは部活に入っているみたい。
「恋ちゃんは剣道部入るの?」
桜ちゃんの言葉にどきりとする。
「え……ぁ、ううん、わたし運動は……」
「そっかぁ、先生が顧問だから剣道部に入るのかと思ってた」
「あはは……」
動揺を隠すように曖昧に笑った。隠しきれているかどうかは自分でも分からなかったけれど……
「桜ちゃんは?」
「わたし? わたしは、ん~~どうしようかなぁ」
「料理部とか合いそう」
「料理は好きだよぉ。ん~、料理部かぁ」
「葵ちゃんは?」
「私はパス。放課後は好きなことしたいし」
「わたしもかなー、やりたいこともないし」
葵ちゃんの後に舞ちゃんも腕を組んで答えた。二人ともらしいといえばらしいけれど、もったいない気もする。
「でも、葵ちゃんは何でもできそうだし、舞ちゃんは運動得意そうなのに」
「部活で青春っていうのもね。そんなタイプじゃないでしょ」
「わたしもねー、運動は嫌いじゃないんだけどね」
「じゃあ、わたしも部活入らないっ!」
そういって、桜ちゃんは葵ちゃんに抱きついた。
「学校が終わっても、みんなと一緒がいいもんっ!」
「はいはい」
葵ちゃんが桜ちゃんの頭を撫でながら笑った。ほんとにお母さんみたい……とこの前言ったら「そんな風に見える?」と冷たく返されたので口には出さないけれど。
「恋ちゃんも一緒にいようよぉ。みんなで一緒だよ」
「くす、そうだね」
わたしも思わず笑って頷いた。桜ちゃんのお願いにはなんとなく逆らえない。
それに、「みんなと一緒」というのは、わたしも嬉しいし、そうしたいって思ったから。
でも、
「……委員長としては、それでもいいのかな」
『あー先生のこともあるもんね』
わたしの呟きに、三人が声を揃えてつっこむ。
「違うよっ、もう……」
急に恥ずかしくなって、わたしが膨れると三人がまた揃えて頭を撫でてきた。
もう……からかって。




