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「まあ、安心して。私は言わないし、桜にも言わせないから。面倒だろうしね、いろいろ」
「? めんどう?」
「宮下先生って人気あるしね。ほら、委員長にも立候補した清水梨佳。あれ、結構本気だよ」
その言葉に、
「…………」
わたしは顔を上げて、葵ちゃんを見つめた。
「だから、委員長になった恋のこと少し根に持ってる」
「……そっか」
わたしは呟いた。
そっか、そうだよね……お兄ちゃんを本気で好きになる子だって……いるよね。
「清水かぁ、たしかに面倒そう」
「でしょ、だから、秘密にしといたほうがいいかも。桜も大きな声でいわない」
「あぅっ! ……うう~、ごめんなさい」
ぺちっとおでこを叩かれて、桜ちゃんはしょんぼりと俯いてしまった。
そんな子供みたいなかわいい姿を見て、わたしは思わずくすりとしてしまう。
「ごめんね、恋ちゃん……」
「ううん、いいよ。わたしこそ、ごめんね」
「っ、恋ちゃんっ」
桜ちゃんがわたしに抱き付いてぎゅ~ってしてきた。もう、ほんとにかわいい、桜ちゃん。
――ドバンッ!!
「ああ~~っ! ここにいた~~!!」
屋上のドアが勢いよく開くと、その勢いにも負けないくらいの大声でその女の子はわたしたちを指差した。
……って、あれ? あの子……
「あー、見つかったか」
葵ちゃんが呟く、そして、
「花ちゃんっ!!」
わたしに抱きついたまま、桜ちゃんも声を上げた。
「も~~、なんで待っててくれないのぉっ! お昼一緒に食べようっていつもいってるのに~!!」
その女の子……花ちゃんはずんずんとわたしたちに近づいて、そして、桜ちゃんを見るともっと大きな声を出した。




