6
「ねーねー、恋ちゃんって、先生の妹さんだよね?」
その言葉に、
「――――」
わたしは息どころか身体も止まって、頭が真っ白になってしまった。
「……どうしたの、恋ちゃん?」
数秒か、数分か――どれくらい経ったのか分からない短くて長い時間。
覗き込んでくる桜ちゃんにどう答えていいかわからず、わたしは視線を落とした。
「やっぱり、教室で話さなくて良かったみたいね」
「あー……うん、隠してたわけじゃないんだけど」
葵ちゃんの言葉に、舞ちゃんが苦笑して答える。
「え? え? 悪いことだった? ごめんっ、ごめんね、恋ちゃん……」
「ぁ……えっと……ううん」
泣きそうになる桜ちゃんに、わたしもやっと少し落ち着いて首を振った。
「やっぱり、分かっちゃう?」
舞ちゃんがわたしを気遣って話を切り出してくれる。本当にそれが嬉しくて、ありがたい。落ち着いたといっても、今はまだ、どう話していいかわからなかったから。
「名前も一緒だし、似てるなぁって……でもでもっ、葵ちゃんにしかお話してないし、他の人にはいってないよ!」
「まあ、私も桜にいわれて『ああ、なるほど』とは思ったけど。でも、気をつけたほうがいいかもね。恋って結構顔にでるから」
「あー、まあねぇ」
「でもでも、『お兄ちゃんすきすきっ!!』って光線だしてても、わたしはぜんぜんだいじょうぶだと思うのっ! 気にしなくていいよ!!」
「…………」
「なに、追い討ちかけてるのよ。恋、撃墜しちゃったじゃない」
「ああっ!? ごめんねごめんね恋ちゃんっ!!」
「あー…………」
……わたしはもう何もいえない。何をいったらいいかもわからない。




