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「ふわぁ、いい天気~。きもちいいね~」
「……あー、こんなに天気がいいと、ちょっと日焼けするかも」
「も~、屋上にしようって言ったのは葵ちゃんだよぉ」
「まあ、そのほうがいいかなって思ってね」
「?」
那月さんの言葉に、わたしと舞ちゃんは首をかしげながら……
ともかくも、屋上に着いたわたしたちは空いた場所にフェンスを背にして四人で座った。
四月で気持ちのいい陽気といっても、雲一つ無い青空だとやっぱり日差しはけっこう強く感じてしまう。日陰にしようか、とも話がでたんだけど日陰はすでに先客がいて、だから、仕方がなく人がいない入り口から少し離れた場所でお昼にすることにした。
「宮下さん……恋ちゃんって呼んでもいーい?」
「あ、うん、いいよ」
「じゃあ、わたしも桜って呼んで。恋ちゃんってかわいい名前だよね~。舞ちゃんも舞ちゃんでいい?」
「いいよ、ってもう呼んでるし」
「えへへ~」
「わたしも、葵でいいよ。二人のことも下で呼ぶし」
「じゃあ、決まり~。これから、上の名前で呼ぶの禁止ねっ」
舞ちゃんが如月さん……桜ちゃんに「禁止ってなに?」って笑って返しながら、わたしたちはそれぞれの昼食を取り出していく。
「ふわぁ~、恋ちゃんのおべんとかわいいね。自分でつくってるの?」
「うん、中学生になったし、自分で料理もしたいなって」
……本当は、お兄ちゃんに作ってあげたいからだけど。それは胸の奥で閉じ込める。
「桜ちゃんのもかわいいよ。色とりどりで綺麗」
「えへへ~、ママがね作ってくれるの。ママのおべんとだーいすき!」
そんな桜ちゃんとわたしを見て、舞ちゃんが思わず呟く。
「なんか、女子って感じ」
「舞ちゃんも自分で作ればいいのに」
「いいよ、苦手だし面倒だし。買ったほうがおいしいし」
「葵さんは?」
「葵でいいよ」
「え……えっと、じゃあ、葵……ちゃん」
わたしの言葉に、葵さんはくすりと笑った。わぁ……そういう仕草一つでも大人に見える。




