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(……わたしと舞ちゃんは、どう見られているのかな)
如月さんと那月さんを見て、ふとそんなことを思ってしまった。けど……仲が良くなった理由なんていえない。
『兄を好きになった者同士』なんて、言えるわけが無い。
(……でも、そういう話とか、しちゃうよね、やっぱり)
舞ちゃんとの関係とか、家族のこととか……「兄弟は?」って聞かれたら、答えないわけにはいかないし……
「――難しい顔してる」
「ぅえっ」
舞ちゃんに脇腹とつつかれて、思わず変な声を出してしまった。
「恋ってさぁ、けっこう顔にでるよね」
「え、うそ、変な顔してた?」
「変ではないけど、今からご飯って顔じゃなかった」
「ぁ……う~~」
いけないいけない、わたしの悪い癖。すぐ思いつめて考え込んじゃう。
「どうしたの~! はやくいこうよぉ~!」
如月さんがぱたぱたと近づいて、わたしの腕に抱きついた。
「ぁ、うん、ごめんね」
そんな如月さんの姿に微笑んで、そのまま腕を組んで歩き出す。
そうだよね、考えすぎちゃって変になるより、気楽にいたほうがきっと良いよね。
「……そういえば、舞ちゃん」
「うん?」
「『今からご飯』ってどんな顔?」
「……そういうところが変なんだよ」
「え~、なんの話?」
抱きついたまま見上げて問いかけてくる如月さん。ちっちゃくてかわいい……じゃなくて。
「恋が変って話」
「え~、ひどいよぉ舞ちゃん」
「安心して、桜も変だから」
「え~~! ひどいよぉ葵ちゃん~~!」
舞ちゃんと那月さんの言葉に、わたしと如月さんが同じように言葉を返して。
思わず四人で見つめあって、その後みんなで笑ってしまった。




